シーズン中は高校野球メイン。他、読書記録等の趣味ごった煮。

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懐かしのセガワさん

将棋:脱サラ棋士、瀬川四段昇級 二つ目のハードルクリア

 サラリーマンから将棋棋士へ転身した瀬川晶司(しょうじ)四段(39)が15日、東京・将棋会館で行われた対局に勝ち、規定の勝率に達してフリークラスから名人位につながる順位戦C級2組へ昇級した。
 瀬川四段はアマチュア時代に特例の試験を受けて合格し、2005年11月にプロ入りして話題となった。10年以内にC級2組へ昇級しなければ引退という条件付きだったが、3年半で“二つ目のハードル”をクリアした。
 「30局以上の勝率が6割5分以上」が昇級条件の一つ。瀬川四段はこの日の棋聖戦予選で中座真七段を破り、直近35局の勝率を6割5分7厘(23勝12敗)とした。順位戦には来年度から参加する。
 フリークラスには、不振が続いてC級2組から降級した棋士らが所属。順位戦以外の棋戦には参加できる。ここからC級2組へ昇級したのは、これまで2人しかいなかった。
 瀬川四段は1984年、プロ棋士の養成機関・奨励会に入った。26歳までに四段昇段という条件を満たせず、96年に退会。だが、アマ代表として参加したプロ棋戦で抜群の成績を上げ、プロらを相手とする六番勝負の試験で3勝し、フリークラスへの編入が認められた。

*** 以上、記事より ***

久し振りに、セガワさんの記事を見かけたので拾っておきました。
彼の話題が出た頃はまだ「ヒカルの碁」ブームが続いていて(連載は終わっていましたが)、そっちでも「奨励会」の決まりごとが壁として出てきたので、おおおー現実にいるよこういう人が! と思って取り上げたのでした。(2005年の話)
再び取り上げることができて嬉しいです。

世界国別対抗戦

浅田、五輪を見据えてショートでもトリプルアクセル挑戦へ
世界フィギュアスケート国別対抗戦 前日会見


「世界フィギュアスケート国別対抗戦2009」(16〜19日、東京・代々木第一体育館)の記者会見が15日、都内のホテルで行われ、浅田真央(中京大)ら日本代表選手が意気込みを語った。3月に行われた世界選手権で銅メダルを獲得した安藤美姫(トヨタ自動車)は、4回転サルコウへの挑戦を示唆。同選手権4位の浅田は「今大会ではショートプログラムでも(トリプル)アクセルを入れる」と話し、バンクーバー五輪が開催される来季を見据えて世界選手権からプログラムの構成を変えて臨む姿勢を見せた。ともに、この日行われた公式練習では大技を成功させており、初代王座戴冠への原動力として期待がかかる。
 今大会は、国際スケート連盟(ISU)が公認する大会としては史上初の団体戦。日本代表は、男子が織田信成(関大)と小塚崇彦(トヨタ自動車)、女子は浅田真央(中京大)と安藤美姫(トヨタ自動車)。ペアは高橋成美(渋谷教育幕張高)マービン・トラン(カナダ)組、アイスダンスはキャシー・リード、クリス・リード組(川越クラブ)が出場する。出場チームは、今季のISU主催主要大会(グランプリ・シリーズ、グランプリ・ファイナル、世界選手権など)で選手が獲得したポイントから算出された国別ランキング上位6カ国の代表(開催国の日本を含む)。
 大会は、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目で行われる。各種目の優勝者(組)は12ポイント、以下順位を一つ下げるごとにマイナス1ポイントを獲得(例:2位は11ポイント、3位は10ポイント)する。ペアとアイスダンスは各国1組の出場となるため、最大でも5ポイントしか差がつかないが、各国2人ずつがエントリーするシングルは、優勝と最下位のポイント差は11ポイントと大きい。男女のシングルで世界選手権上位選手をそろえる日本は優勝候補の一角となる。しかし、日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は「初めての試みなので、やってみないと分からない。今大会でも日本が確実に優勝するとは言えない。バランスの良いチームが有利となれば、カナダは強い。厳しい戦いになるかもしれない」と慎重に話した。
 各選手が重点を置いてきた世界選手権後の公式戦で調整が難しい上、新しいプログラム構成で臨む選手も出てくるため、順位予想は難しい。また、各種目の順位が確定しなければ、国(チーム)の獲得ポイントが決まらないため、途中順位は混沌(こんとん)としたものになりそうだ。初の団体戦にホスト国としてチームジャパンの底力が問われる。

■<日本代表選手コメント>

■浅田真央「この大会ではショートプログラムでもアクセルジャンプを入れる」
 世界選手権のあと、オフを取ってからは、この対抗戦に向けて中京大のリンクでコンスタントに練習してきました。この大会ではショートプログラムでもアクセルジャンプを入れるので、アクセルの練習に重点を置いてやってきました。ショートもフリースケーティングもトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が一番の見どころになると思いますけど、今季最後の試合なので、ショートもフリーも良い演技で締めくくれるように頑張りたいと思います。
■安藤美姫「逃げずに挑戦して、ダウングレードをされないようにしたい」
 世界選手権後は、時差もあったし疲れがたまらないように少し休みを取りました。中京大リンクでの調整では、けがをしないように気をつけて、ジャンプの練習を少し控えましたが、スパイラルやスピンで世界選手権よりも高い評価を受けられるように練習してきました。試合には緊張感を持って臨みたいと思っていますが、新しいプログラム構成にも挑戦したい気持ちもあります。4回転ジャンプ、アクセル−トウループのコンビネーションも入れたいと思っています。ショートプログラムでは、今季は中国杯以外では3回転−3回転の連続ジャンプがダウングレードの判定を受けていますが、逃げずに挑戦して、ダウングレードをされないようにしたい。フリーでは、まだハッキリとは分かりませんが、4回転サルコウに挑戦できる機会だと思うので、体調とメンタルを整えて挑戦できる状態にしたいと思っています。(今季は表現力が変わったのでは?)今まではコーチから曲や振り付けのイメージを聞いて表現していましたけど、今季は自分がどのように滑って表現をしたいのか、自分なりに理解したうえで頑張っています。
■織田信成「調子が良ければ4回転ジャンプに挑戦しようと決めていました」
 世界選手権後は関大で1週間ほど練習して、その後は中京大のリンクで、浅田選手や安藤選手、小塚選手、リード姉弟たちチームジャパンと一緒に調整してきました。(ニコライ・モロゾフコーチの指導はどうか?)ニコライには、ジャンプも見てもらっています。夏場に4回転ジャンプの練習をしていたときも、細かいテクニックを教えてくれたし、僕に合ったジャンプを教えてくれます。また、初めて指導を受けたときは、上半身と下半身がバラバラに動いていて効率が悪い、上半身を自然に動かせば、スケートがもっと滑ると指摘されました。(今大会での見どころは?)この2週間の調子が良ければ4回転ジャンプに挑戦しようと決めていました。挑戦する予定なので見てほしいです。
■小塚崇彦「思い切っていい演技をしたい」
 世界選手権後は、少し休みを取って中京大のリンクで練習してきました。スピン、ステップを中心に細かいところでも点数を取ってポイントを稼ぎたいです。ショートでは、今シーズン使っていた「テイクファイブ」をやるので、いつもどおりいい演技をしたいです。フリーは、世界選手権ではガチガチになってしまって思うように滑れなかったので、もっと思い切っていい演技をしたいです。
■高橋成美「チームジャパンの一員として出られることをすごくうれしく思っていて、興奮しています」
 私たちはジュニアの世界選手権の後、とにかくもっとうまくなるようにという気持ちで1カ月ほど毎日全力で練習してきました。(外国人選手と組むことで問題はないか?)国籍は違いますけど(マービンは)初めて会ったときから気が合って、本当のお兄ちゃんみたい。私が一方的に怒ることはありますけど、いつもなだめられて円満に終わっていますし、国籍の違いによる問題を感じたことはありません。今回は、チームジャパンの一員として出られることをすごくうれしく思っていて、興奮しています。日本での大きな国際大会は初めてですけど、すごくいい。やっぱり、日本はいいですね。
■マービン・トラン
 世界ジュニア選手権が終わってから、周囲の雰囲気がだいぶ変わりました。練習ではコーチから怒鳴られながら、一生懸命にやってきました。国籍が違うからといって成美と組むことに問題はありません。違いを感じることと言えば、食べるご飯の量が違うことぐらいではないでしょうか(笑)。
■キャシー・リード
 この大会に向けて中京大のリンクでたくさん練習してきました。クリスがけがでいない期間は一人で練習をしていて心細かったけど、その間に自分の技術を高めることで、今は互いに助け合うことができているので、良かったと思います。
■クリス・リード
 中京大で調整を行ってきたのですが、ほかの日本代表選手と一緒に練習できたことは、とても良かった。これまで3回の手術をしてきましたけど、一番大変だったのは精神面。でも、今は体力もついて、ひざの状態も良くなっているので、今大会では自分たちの力をしっかりと発揮できると思います。


浅田「レベルアップできて良かった」 SPでトリプルアクセル成功
国別対抗戦・第1日 日本選手コメント


 フィギュアスケートの国別対抗戦「ISUワールドチームトロフィー2009」が16日、東京・国立代々木第一体育館で開幕し、日本代表の浅田真央(中京大)は女子シングルのショートプログラム(以下、ショート)で75.84点を記録して同種目の首位に立った。最終滑走で登場し、これまでフリースケーティング(以下、フリー)で取り入れていた大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を冒頭で成功させると、2回転トウループにつなげていきなり高得点を獲得。世界選手権で優勝したキム・ヨナ(韓国)が記録した76.12点に迫る好内容を見せ、来季のバンクーバー冬季五輪に向けて「一つレベルアップができて良かった」と話した。安藤美姫(トヨタ自動車)は、62.08点で3位。男子シングルのショートでは、織田信成(関大)が4回転ジャンプを回避しながら3位と好位置につけたが、小塚崇彦(トヨタ自動車)はジャンプでミスが続いて10位と苦しんだ。アイスダンスのオリジナルダンスは、キャシー・リード、クリス・リード組が出場し、5位だった。今大会は、ISU(国際スケート連盟)が主催する初の団体戦。チーム順位決定の基準となる国別獲得ポイントは各種目の終了時点で決まるが、初日の暫定順位(フリーで順位が入れ替わらないと仮定)で43ポイントの日本は2位。第2日以降、暫定48ポイントで首位に立つ米国を追う。
 以下は、大会初日の日本選手のコメント。

■日本代表チーム 選手成績&コメント

<女子シングル ショートプログラム>
■浅田真央(中京大) 75.84点(1位)
 すごく、うれしい。シーズン最後の試合で、ショートだけど(トリプルアクセルを入れて成功させて)一つレベルアップできたので、すごく良かったと思う。トリプルアクセルは、中京大での練習では毎日うまくいっていたので、そのままの調子でと思っていた。前の試合は苦手なジャンプも入れていたので、そのジャンプのことで頭がいっぱいになって自信がないときもあったけど、今日は緊張感があったけど、どちらかというとワクワクしながら落ち着いてできた。たくさんの声援もよく聞こえたし、(試合会場の)代々木のリンクはすごくいいイメージがあるので、良いジンクス。75点を超えたのは、すごいと思ったし、うれしかった。(五輪を見据えてショートでもトリプルアクセルを入れられる手ごたえは感じたか?)はい、感じました。以前は、衣装の色は赤が気持ちを強く持てるイメージだったけど、今は特に色へのこだわりはない。(来季、ルッツジャンプはどうするのか?)毎日練習しているけど、今はアクセルの方が調子が良いし、得意なので(アクセル重視の方向で考えている)。明後日は、世界選手権で着た衣装を着る予定。トリプルアクセルを(フリーで)2回挑戦できるように自信をつけて臨みたい。本格的なチーム戦は初めてだけど、すごく楽しい。
■安藤美姫(トヨタ自動車) 62.08点(3位)
 全然緊張しなかったので、もう少し集中できれば良かった。世界選手権にピークを持っていった後だったし、シーズンのランク上位選手が出ると聞いていたから、世界選手権の頃まで、この大会に自分は出場しないかもしれないと考えていた。でも、(エキシビションマッチとして3地域対抗戦で行う)ジャパン・オープンみたいにチーム戦を楽しんでできた。ナーバスにはならず、ショーのように気持ちを一つにして頑張ることができたので、良かったと思う。3回転ルッツ−3回転ループのコンビネーションは、6分間練習でも調子が上がらず不安もあった。でも、回転不足の判定を受けたけど、3回転−2回転に逃げずに挑戦できたのは良かった。自信を持ってやることが大事と思っていたので、そこは成長したところを見せられたかなと思う。空中に上がったときは良かったけど、練習のときの方がうまく力を抜けていた。成功できなかったのは悔しいけど、次のシーズンにつながるショートになったと思う。あと、スパイラルとスピンでレベル1の判定を受けたところはダメだったけど、チームの足を引っ張らずに日本で自分らしく滑ることができて良かった。点数は、よくあれだけ出たなと思うぐらいの内容。回転不足やダウングレードの判定を受けた中での点数なので、ファイブコンポーネンツが強化されたということだと思うので、納得している。練習でやってきたことや自分を信じる気持ちが力を生んでくれる。衣装の色は、気持ちを引き出してくれる濃い色を好んで使っている。ニコライからは「これからスパイラルの練習では毎日怒鳴るよ」と言われたけど、怖がらずに3−3に挑戦したことは評価してもらって、意思の疎通が取れていることを再確認できた。明後日のフリーでは、4回転サルコウは挑戦する。集中して頑張りたい。

<男子シングル ショートプログラム>
■織田信成(関大) 79.35点(3位)
 午前の練習でジャンプの調子が良くなく、体が動いていなかったので、4回転ジャンプはやめた。月曜日を休んだら、火曜日にテンションを上げ過ぎて、水曜日に少し疲れが出ていた。来シーズンは、調整で影響が出ないように4回転ジャンプをしっかりと練習して物にしたい。明日のフリーで4回転を入れるかどうかも、けがをしたくないので、午前練習の調子を見てから決めたい。今日の演技はとにかく慎重にやった。ルッツからトウループの連続ジャンプは、最近の2大会で失敗しているので緊張してしまい、ちょっとゆがんでしまった。でも、ほかの要素は落ち着いてできた。世界選手権にピークを持っていっているので、一度落ちた調子を戻すのは大変だけど、中京大のリンクで日本代表メンバーと練習できたことで、気持ちは持ち直した。今大会は個人戦とは違って、キャプテンとしてチームワークの大切さを感じている。ただ、フランスや米国のチームはすごく盛り上がっている。日本は団結力では負けないと思っているけど、もっと強めていきたい。
■小塚崇彦(トヨタ自動車) 65.25点(10位)
 最初の3回転ルッツ−3回転トウループをきれいに跳べたことで、気持ちに隙ができてしまった。トリプルアクセルの失敗と、3回転フリップでの転倒は悔しい。午前の練習ではジャンプの調子がよくなかったが、演技直前の6分間練習では良くなっていたので、思い切ってやれば大丈夫だと思って臨んだけど、うまくいかなかった。練習不足の影響が出たのだと思う。明日のフリーでは、ショートの失敗から気持ちを切り替えたい。みんなに励まされてしまったので、明日は喜んで終われるように頑張りたい。

<アイスダンス オリジナルダンス>
■キャシー・リード&クリス・リード(川越FSC)  44.80点(5位)
キャシー ベストの演技ではなかったけれど、明日もあるので頑張りたい。キス&クライでチームジャパンの友だちに迎えてもらうことができたのは、とても良かった。
クリス オリジナルダンスとしては、良い出来とは言い難い。今日は、練習中から何かかみ合わないなという感じだった。午前の練習では、リラックスする時間がなくて、足に力が入り過ぎてしまっていた。でも、氷の感触はつかめてきたし、フリーダンスのプログラムは長くてスムーズでとても気に入っているので、明日はベストの演技をしたい。キス&クライは、いつもは2人だけなのにみんながいて、違う雰囲気だった。仲間にサポートしてもらっていると感じた。


織田、4回転失敗「成功率アップは来季の課題」
国別対抗戦・第2日 日本選手コメント


 フィギュアスケートの国別対抗戦「ISUワールドチームトロフィー2009」は17日に第2日を行い、日本代表の織田信成(関大)は男子フリースケーティング(以下、フリー)で149.90点を記録し、総合229.25点で3位をキープした。前日のショートプログラムでは回避した4回転トウループに挑戦したが、転倒。成功率を上げることを来季の課題に挙げた。小塚崇彦(トヨタ自動車)は、総合190.93点で8位とショートから2つ順位を上げた。アイスダンスのフリーダンスは、キャシー・リード、クリス・リード組が今季最高の75.43点を記録し、総合120.23点で5位。ぺアでは、高橋成美、マービン・トラン組がショートプログラム(以下、ショート)に臨み、43.00点で6位だった。
 今大会は、ISU(国際スケート連盟)が主催する初の団体戦。男子シングルとアイスダンスは日程を終え、それぞれ順位に応じてチーム順位決定の基準となる国別獲得ポイントが割り振られた。日本は23ポイント(男子15P、アイスダンス8P)で4位。最終日に行われるペアのフリー、浅田真央(中京大)、安藤美姫(トヨタ自動車)が出場する女子シングルのフリーで逆転を狙う。なお、ペアと女子シングルのフリーでともにショートから順位が変動しないと仮定した場合の暫定順位では、52ポイントで3位となっている(上位は米国59P、カナダ53P)。
 以下は、大会初日の日本選手のコメント。

■日本代表チーム 選手成績&コメント

<男子シングル フリースケーティング>
■織田信成(関大) 総合229.25点(3位)
 4回転トウループは、この2日ほど全然成功しなかったけど、朝の練習ではリラックスしていて成功したし、演技直前の6分間練習で成功したので挑戦した。4回転の成功率が低いことは来シーズンに向けた課題。ただ、そのあとのジャンプはスピードが足りなかったけれど成功させられたのでホッとしている。スピードがなかったのは、4回転の失敗のあと、うまくスピードに乗れなかったことと、緊張のためだと思う。今シーズンを振り返ると、点数は伸びなかったけど、世界選手権が一番良い出来だったと思う。大きな舞台で4回転を決めることもできた。(謹慎で休んだあとのシーズンだが?)シーズンが始まるまでは大きな大会での感覚がなかったし、自分がどのように評価されるか不安だらけだった。シーズン前半は目標としていたNHK杯と全日本選手権で結果を出すことができてすごくうれしかったが、後半は四大陸選手権と世界選手権という目標に向けて気持ちを持ち直すのが遅れて、その影響が四大陸で出てしまった。今シーズンの反省として、来季に向けてはファイブコンポーネンツで7点台後半をコンスタントに出せるようにしたいということと、4回転ジャンプを失敗しないようにしたい。フランスのブライアン・ジュベール選手は、とてもきれいな4回転ジャンプをいつでも成功させるので、同じように跳べるようにしたい。五輪シーズンで緊張感は高まると思うけど、4年に一度しかないシーズンなので、楽しんで過ごしたいと思う。この大会にはキャプテンとして臨んだけど、第1回大会でみんながどのようなモチベーションで臨むのかが分からなかった。でも、ショートの内容を見たらみんな世界選手権のように戦っていたので、僕もと思って刺激を受けたし、しっかりやらないといけないという緊張感もあった。3位ということで順位を下げずに終われたことは良かった。明日は、女子シングルは2人とも素晴らしい選手だし、不安はない。ペアも今日の演技は見られなかったけど、楽しそうな表情をしていたので、明日も楽しんでフリーを滑ってほしい。キャプテンとしては、みんながリラックスできるようにということを考えている。
■小塚崇彦(トヨタ自動車) 総合190.93点(8位)
 最後に悔いの残る試合になった。これを忘れないように、来シーズンに向けて練習したい。世界選手権の後に気持ちを抜き過ぎたのかもしれないと思う。(お父さんは練習不足と指摘したが?)言われているとおりだと思う。(ヒザを痛めていたのでは?)右足の関節がおかしいかなと感じたけど、整体で見てもらったら何でもなかったし、ケガというほどのものではない。試合では関係ない。団体戦は、いつもとは違う緊張感や責任感があって、新しい経験になった。ベテラン選手は2〜3週間でしっかりと調子を戻してきていてすごいと思った。今シーズンは、全体を通して思っていた以上に良い内容になってうれしかったが、最後の最後で頭を殴られた感じで(苦笑)、甘くないなと思った。でも、その分、浮かれた気分で来シーズンに入らずに済む。今シーズンは前半に比べて後半はファイブコンポーネンツの評価が下がってしまったので、対策を練りたい。それと、来季に向けては4回転ジャンプも絶対に必要だと思うので、挑戦したい。もっと安定して高い得点を取れるようなプログラムを目指して練習していきたい。

<アイスダンス フリーダンス>
■キャシー・リード/クリス・リード(川越FSC) 総合120.23点(5位)
キャシー 昨日よりも笑顔で滑ることができた。日本のお客さんはとても素晴らしく、皆さんの前で演技ができてうれしく思う。今年、日本国籍を取得したので、五輪を楽しみにしている。国籍取得の決断は、当然だと思った。来シーズンに向けてエレメンツのレベルを上げたい。また、表現力の面でも、お客さんに対しての表現だけでなく、2人の間の表現をもっと磨きたい。(日本語を使う場面が多くなっているが?)勉強しているけど、まだまだダメです(笑)。もうちょっと勉強します。
クリス 今日はとてもリラックスできて、楽しかった。来季に向けては、ニコライ・モロゾフコーチに、もっと複雑なプログラムを作ってもらえると思う。ヒザはもう大丈夫だけど、パワーが必要になるので課題かなと考えている。

<ペア ショートプログラム>
■高橋成美(渋谷幕張教育高)/マービン・トラン(カナダ) 43.00点(6位)
高橋 今日は全力を出したけれど、いつもはしないミスをしてしまった。何をミスしたのか思い出せないくらい、あっという間に終わってしまった。シングル勢のおかげでまだチームは逆転優勝が可能な位置にいるので、明日のフリーではもっと良い演技をしたい。シニアの選手と一緒にやっていて、知らない間にスピードが上がった。いつもは曲を追いかける感じだけど、今は曲を待っている感じで成長できたことを感じられる、良い機会。中国のペアとは、(自分が中国にいたときと変わらず)今でも大会で会うと話す。今日は負けたけど、次の試合では勝てるようにしたい。大会前日会見のときは頭が真っ白になって、「日本はいいですね」って何回も言ってしまったんですけど、やっぱり日本はいいと思います。
トラン いくつかミスがあったけど、しっかりと練習して明日は演技をまとめたい。この大会で大切なことは、自分たちもシニアらしく滑ること。まだ改善が必要な部分はあるけれど、ある程度はできていると思う。日本は、みんなが本当に優しくしてくれるところ。来る度に本当に楽しんでいる。食べてばかりになってしまうけど(笑)。


浅田、キム・ヨナに迫る200点超え「来季につながる」
国別対抗戦・第3日 日本選手コメント


 フィギュアスケートの国別対抗戦「ISUワールドチームトロフィー2009」は18日に第3日を行い、日本代表は女子シングルのフリースケーティング(以下、フリー)で浅田真央(中京大)が総合200点超えを果たす演技で種目別の優勝を飾ったが、チーム獲得ポイントでは米国の60、カナダの54に及ばず、50ポイントで3位となった。ショートプログラムでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させた浅田は、フリーでも2度挑戦。2度目のジャンプは回転不足の判定を受けたが、126.03点で総合得点を201.87点に伸ばした。ライバルのキム・ヨナが世界選手権でマークした207.71点に迫る200点超えで「ショートでもトリプルアクセルが跳べたし、フリーでもダウングレードはされたけど、失敗(転倒)はせずに二度跳べた。来季に向けて自信になる」と手ごたえを語った。安藤美姫(トヨタ自動車)は、直前の練習で右肩を負傷しながら4回転サルコウに挑戦したが転倒。ショートプログラム3位から順位を落とし、総合5位に終わった。ぺアは、高橋成美、マービン・トラン組がフリーで今季最高となる82.91点をマークしたが、総合順位は変わらず6位だった。最終日(19日)は、エキシビションが行われる。
 以下は、大会初日の日本選手のコメント。

■日本代表チーム 選手成績&コメント

<女子シングル フリースケーティング>
■浅田真央(中京大)総合201.87点(1位)
 今季の最後の試合なので、ショート、フリーともにいい演技で終わりたかった。それができてうれしい。2つ入れたトリプルアクセルは、1つがダウングレードの判定を受けたけど、失敗はせずに跳ぶことができたので、次のシーズンにつながると思う。200点を超えたことについては、演技内容に満足していて「すごい」と思っただけだったけど、少しずつ実感が沸いてきてうれしい。ショートでトリプルアクセルを跳べたことは大きな自信になる。(疲れがあるのに良い演技ができた理由は?)試合前はしっかりと練習ができたし、世界選手権よりもリラックスしてできたのが良かったと思う。今季はいろいろと挑戦ができて良かった。自己採点は95点。足りない5点は、世界選手権で自分の演技をすることができなかったから。でも、シーズン最後の大会で良い演技ができたので(いい点数をつけた)。
 来季は、五輪シーズン。タチアナ(・タラソワ)先生がプログラムを考えてくれていると思うので、モスクワへ行って練習したい。(回転不足の判定が緩和されるが?)ベストは、しっかりと回ることなので、そのことだけを頭に入れて練習したい。(今季の初めに比べて伸びやかに滑れるようになってきたのでは?)ショートでもルッツが入っていて頭の中がいっぱいで縮こまっていた感じがあったけど、アクセルの方が負担はあるけど得意だし、それが成功したことで気持ちよく滑れるようになったのだと思う。
■安藤美姫(トヨタ自動車)総合167.52点(5位)
 演技直前の6分間練習で右肩が抜けてしまった。自分でカクッと入れた感じ。思うように滑ることはできなかったけど、それなりに集中してできたと思う。4回転サルコウも肩に力が入らなくて失敗したけど、強い気持ちを持って挑戦できた。「肩が痛い」と言ったら、ニコライ(・モロゾフコーチ)には止めておくように言われたけど、世界選手権や五輪でアクシデントがあっても、気持ちを強く持って、自分が決めたことをしっかりやるというのが大事だと思う。結果は残念だったけど、6分間練習では一度降りられたし、感触はいい。来年は体調もしっかりと整えて、最後は4回転を取り入れて五輪を考えてやっていきたい。団体戦は公式戦ではなかったけど、ジャパン・オープンで経験しているが、また違った雰囲気で、応援してくれる方の声援が自分の力になるということを感じられた。応援してくれた人にありがとうと言いたい。今季は、一つ一つの試合で、メンタルもフィジカルもベストに近いコンディションで臨むという目標がクリアできた。少しずつ自分のスケートをできるようになって、成長できたかなと感じる。来季に向けては、まずは休みたいけど、コーチや連盟の方などサポートしてくださる方たちと話して、新しいプログラムを作りたい。もし、五輪に出場できたら最高の演技ができるように頑張っていきたい。

<ペア フリースケーティング>
■高橋成美(渋谷幕張教育高)&マービン・トラン(カナダ) 総合125.91点(6位)
高橋 今日は練習以上に落ち着いて、いつも以上の力が出せて感動した。ガッツポーズは、『やった!』と思って本能のままにやってしまった。リンクから戻るときは、見に来てくれていた家族を見つけて、いろんな感謝の気持ちで泣いてしまった。今大会では初めてシニアの選手たちと一緒に出場したけど、中国のペアとか、川口(悠子)さんとかと一緒に滑っているんだと思って興奮したし、喜んでいた。シニアに混じって練習することで、この数日間の間に自分たちが自然と上達していて、自信にもなった。(団体戦形式になることでペアへの注目度は普段より高いと感じる?)注目度が変わってくれているとうれしい。ペアという種目の素晴らしさを知ってもらうことができたのなら、うれしく思う。今季は初めてジュニアのグランプリ(GP)・ファイナルに出られたけど、その舞台では力を発揮できなかった。でも、全日本選手権に出場することができたし、浮き沈みのあるシーズンだった。でも、とにかく来季が楽しみになった。来季は、(世界選手権で銀メダルの)中国のダン・ジャン、ハオ・ジャン組に追いつけ、追い越せというぐらいの気持ちでやりたい。ジュニアのGPファイナルは必ず出たいし、もしシニアのGPシリーズに出場させてもらえたら、ファイナル出場を目指したい。
トラン 今日はとても良い気分で滑ることができて、一体感を表現できて良かった。今季1年間の練習の成果を発揮することができてうれしく思う。(団体戦形式になることでペアへの注目度は普段より高いと感じる?)僕はペアという種目をとても楽しんでいるので、こういう世界レベルの大会でペアという種目を多くの人に見てもらうことができたら最高だと思う。昨季は組んだばかりだったけど、今季は2人でやるべきことをしっかりとやれたと思う。互いに意見を言い合うこともできるようになった。来季は、シニアの一員としてしっかり戦いたい。今大会はシニア勢と一緒に滑ることができて、いい経験になった。今後は、夏前にはショートプログラムが出来上がる予定なので、その後はショーなどに出た後で練習を再開すると思う。


フィギュア国別対抗戦、大会総括
第1回大会の課題と未来への展望


■五輪採用の可能性も浮上、将来性は?
 国際スケート連盟(ISU)が初めて主催した国別対抗戦「ISUワールドチームトロフィー2009」が幕を閉じた。地元開催の日本は、浅田真央(中京大)が女子シングルで1位となってチームを引っ張ったが、チームの獲得ポイントでは米国(60ポイント)、カナダ(54ポイント)に及ばず3位(50ポイント)で初代王者の座を逃した。しかし、日本の選手や関係者に悲壮感は見られない。
 大会を新設した意義を考えれば「国の威信をかけた戦い」を期待したいところだが、他国に目を移しても順位にナーバスになるチームは存在しなかった。今大会は当面2回連続(次回は2011年)での日本開催が決まっているものの、その先は未定。日本勢に限らず、ほとんどの出場選手は3月末の世界選手権で調子のピークを迎えている。ステータスが確立されていない大会での真剣勝負は、どの選手にとっても難しかったという背景がある。大会中「気持ちの持ち方が難しかった、分からなかった」と答えた選手は少なくない。
 一方、興行面では主催者の努力で多くのトップ選手が出場し、4日間で3万人超えの観衆を集め、大きな成果をあげた。視察に訪れたオッタビオ・チンクワンタISU会長は大会を評価し、五輪種目採用へ働きかける姿勢を示した。しかし、同時に現行方式では厳格な競技志向の大会として存続するには課題もあったと思う。この先、この大会は、どんな歩みを進めていくのだろうか。

■第1回大会は、競技とエキシビションの中間色!?
 シーズン最後となったこの大会に、選手はどのようなモチベーションで臨んだのだろうか。日本勢には、コンディションが落ち切らない時期であることを生かし、来季に向けたチャレンジを試みる姿勢が見られた。
 浅田はショートで1回、フリーで2回と、初めて大技のトリプルアクセルを1大会で3回入れた(フリーでは2回目がダウングレードの判定)。安藤美姫や織田信成は、公式戦では慎重な構えを見せる4回転ジャンプに挑んだ。個々が競技的視点で意欲を維持した一例だ。
 別の要素で大会を前向きにとらえた動きもあった。今大会では、選手が演技後に得点発表を待つ「キス&クライ」の風景が違った。通常は、選手やコーチ、2、3人が席に着くのが一般的だが、今大会ではその後方にチームメートが駆けつけた。奇抜な応援グッズやパフォーマンスを見せた米国チームに触発され、カナダや日本もお祭りムードを高めていった。公式戦であることを考えると、真剣勝負の雰囲気に欠けるようにも映るが、米国の主将を務めたエバン・ライザチェクは「今季は(世界選手権後にも公式戦が設けられて)シーズンが長い。そして、来季は(五輪もあるので)もっと長い。だから、応援している姿はちょっとクレージーかもしれないけど、この時期を楽しみたいという気持ちもある。僕らも機械じゃなくて人間だからね」と理解を求めた。場合によっては、選手が出場を回避してもおかしくなかっただけに、選手が自ら参加意義を見いだそうとしたことは、大会成功の大きな手助けになった。結果的に、今大会で生まれた雰囲気は、競技志向の大会とエンターテインメント性の強いエキシビションの中間色だった。

■種目を越えて芽生えたチーム意識
 会場に「日本の最終順位は3位です」とアナウンスが流れたとき、ファンでうまったスタンドからは「ああっ……」という声が漏れ、喜びを無念さが上回ったようだった。しかし、全体的に個人戦の感覚は根強く、各選手の来季の展望が垣間見えた点や豪華な顔ぶれの共演は十分に魅力的で、喝采(かっさい)に包まれる時間の方が圧倒的に長かった。
 公式戦では見られない「キス&クライ」を楽しむ向きも強かった。この雰囲気を支持する声も意外と多いのかもしれない。
 しかし、その中で新たな形に発展する可能性も見られなかったわけではない。チームメートを出迎えたり激励したりしていた2人の選手のコメントを紹介しよう。
「チームは、米国の強さを見せつけようと盛り上がっていて、良い友情のような感情が生まれている。長い間、米国でスケートをしているが、こんなに仲の良いチームになったのは初めてのように思う」(ライザチェク 初日、主将会見)
「短い期間での調整は、どの国の選手にとっても大変だったと思う。でも、試合をやってみて、団結力の素晴らしさを発見できた。世界選手権とは違う、この大会の素晴らしさを皆が実感していると思う。キス&クライに応援へ行くことで、自分の調整が大変になるという部分もあるかもしれないけど、(リンクサイドの特設応援席で)あの近さで他の選手の演技を見て応援することは、なかなかないし、楽しかった」(織田信成 最終日、主将会見)
 少なからず彼らに種目を越えたチームとしての意識が芽生えたことは、大会の今後を考えても大きな収穫だろう。

■ペア、アイスダンス普及の起爆剤としての期待
 種目を越えるということは、シングル偏重の時代にあってペアやアイスダンスが注目を浴びる可能性を持つということだ。団体戦の結果を見てみると、日本は、男女シングルで好成績を残したが、ペアとアイスダンスでは大きく遅れを取った(男子3位、女子1位、ペア6位、アイスダンス5位=すべて6チーム中の成績)。
 今季の全日本選手権、ペアの出場は1組、アイスダンスは3組。昨季はペアの開催はなし、ダンスは1組に留まっている。これでは、けっして強化できる環境が整っているとは言い難い。大会を通して、このような部分にまで光が当たれば、フィギュアスケート全体の底辺拡大・普及に一役買うことになるだろう。ペアで今大会に出場した高橋成美は「この大会で注目度が変わってくれているとうれしい。ペアという種目の素晴らしさを知ってもらうことができたのなら、うれしく思う」と話した。
 また、海外勢でもカナダの主将を務めたスコット・モイヤーが「この大会を改善するとしたら?」という質問に「難しい質問だけど、五輪種目として取り入れたらどうか。今まで、アイスダンスやペアは(シングルに比べて)露出が少なかったけど、もっと露出できるようになるのではないか」と答えている。

■五輪採用、真剣勝負化には問題山積み
 ただし、彼らへの注目が高まるかどうかは、この大会が真剣モードを強めるかどうかにかかっている。五輪に採用が決まれば、この大会の位置付けは間違いなく変化するだろう。しかし、そう簡単な話ではないようだ。
 ライザチェクは今大会を振り返り「せっかく世界選手権でチャンピオンになったのに、たった2週間でタイトルを失いたくはなかった」と話した。チンクワンタISU会長も「個人戦を優勝した選手が団体戦で負けた場合のイメージダウンを回避する必要がある」との見解を示している。個人戦との同時開催になれば、バランスを考慮する必要がある。
 また、選手の負担増も懸念される。ライザチェクは、記者から大会の改善案を聞かれた際、ショートやフリーで別の選手を起用することで、一人の選手の負担軽減を提案していたが、この案では、現行方式以上に下位のチームが層の厚さをひっくり返せなくなってしまう。
 さらに、今大会の方式では各国2選手が出場するシングルで最大20ポイントもの差(A国の選手が1、2位、B国の選手が11位、12位の場合)がつくのに対し、各国1組のペアとアイスダンスでは、両方合わせても最大10ポイント差しかつかない。結果として、シングル強国が圧倒的に有利となった。また、順位のみがポイントに反映されるため、日本は大会の最終滑走者となった浅田が何点を出しても(結果的に総合200点超えを果たしたにもかかわらず)順位が上がる可能性は残されていなかった。点数配分にも再考の余地がある。クリアすべき課題は多い。

■第2回大会から五輪種目採用への道のりは?
 大会主催者は、この大会をどう見たのか。大会実行委員長を務めた日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア部長は「初めての大会でどうなるか不安だったが、ISUの働きかけもあって、大成功に終わった。選手もこの大会までモチベーションを保ってチームとして戦ってくれた。次回、世界選手権から2週間という期間をくっつけるのか、離すのかなど、大会の反省点や成果をISUも考えていくと思う。大会の位置付けをどうしていくのか、今後も相談して決めていきたい」と、厳しいスケジュールやモチベーションの維持、選手なりの努力に理解を示し、今大会を評価した。
 現状では急速に競技とエキシビションの中間という立ち位置を変えることは難しいと見るべきなのだろう。ただ、来季の五輪シーズンを挟んで再びこの大会が行われるとき、新たなテストが織り込まれる可能性は高い。チンクワンタ会長も「五輪採用には、もう一度試す必要がある」と話しており、競技志向を持った大会として成立する可能性を捨て切るのも早計だ。フィギュアスケートの歴史に新たなページを刻んだ団体戦。興行面の満足だけで終わらせるにはもったいない。2年後の次回大会から第3回、あるいは五輪採用へとつながるか。次なる試みに注目したい。

*** 以上、記事より ***

ISU公認初となる、フィギュアスケート団体戦。
唯一(多分)ジュニアから参戦した日本ペア・高橋トラン組。シニアとの壁は大きかったけれど、今後に期待したいところです。
浅田真央は、SPで女子2人目の70点超え。これで今後、キムヨナだけが突出、という形は避けられそうですが、10点アドバンテージを得られてしまう彼女たちに対し、FSで他選手の逆転はますます厳しくなったのではないでしょうか。
小塚は体調不良だったそうですが、体力の問題なのかなー。シーズン序盤はよかったのに。今後に期待です。

09センバツ・決勝-2

第81回センバツ高校野球:清峰1−0花巻東(その2止) 花巻東、1球に夢散る

 ◇第12日・最終日
 ◇菊池痛恨、144キロ甘く 号泣、ホームは遠く
 菊池はバックスクリーン方向を振り返った。唯一の失点となった七回。2死から四球を出し、9番・橋本のカウントは1−1。腕を思い切り振ったこの日最速の144キロは甘く入り、中堅手の頭の上を越された。
 決勝は真っすぐ頼みの投球を強いられた。準々決勝からの3日連投になる朝、肩とひじに張りを感じた。準決勝まで奪った三振は、投球回数よりも多い37個。その支えとなった鋭いスライダーが決まらなかった。
 「全身が疲れていた。だからピンチの時は一番練習してきた球で勝負した」と菊池。四回、失策から迎えた1死一、二塁のピンチでは、140キロ超と気迫のこもった直球を5球続けるなど、2者連続三振で切り抜けた。
 菊池は三振を奪った時には派手なガッツポーズを見せる。高校球児としてはやりすぎとの声もあったが、菊池は「命がけで投げているから。パフォーマンスではない」と説明する。しかし、決勝では、そのガッツポーズも控えめ。派手にできるだけの勢いも、余裕もなかった。
 九回、二塁走者だった菊池はホームベース直前で試合終了の瞬間を見た。「一つ一つ勝つごとに、地元が喜んでいるのがうれしかった。本塁を踏めなかったのは、まだ野球の神様が練習不足と言っているのだと思う」。東北勢初優勝の期待を一身に背負ったが、その夢はわずか1点の前についえた。みちのくのサウスポーは、しばらくの間、号泣が止まらなかった。【百留康隆】
 ◇花巻東・佐々木洋監督
 ちょっと言葉が見当たらない。本当に優勝のことしか頭になかった。悔しい。でも、選手は最後まで執念を出してくれた。
 ◇4番・猿川、音なし 悔い残る九回三振
 ○…準々決勝で同点2ランを放った花巻東の4番・猿川だったが、決勝は4打席音なしに終わった。清峰・今村については「低めの変化球がよかった」。3打席目までは早いカウントから「積極的に振れた」と、凡打にも納得の表情。
 しかし、悔いが残るのは先頭打者として迎えた九回だ。スライダーを空振り三振。「直球を狙っていたが、来なかった。(菊池)雄星を援護できなかった」と肩を落とした。この日は好機での打席が一度もなかったが、「ランナーがいる場面では、打率10割が目標」と、夏の活躍を誓った。
 ◇打てる気したが…
 ○…九回裏2死一、二塁で、花巻東の代打・佐々木大は粘った。ファウルと空振りの後、外角の際どい直球を見極めるなど、選球眼が光った。「不思議と打席に立ってもあがらなかった。逆転続きなので、何となく打てる気がした」。しかし、7球目のスライダーを打ち上げて、万事休す。「甘いコースだった。転がそうと思ったのに……」と悔しがった。
 ◇自慢の機動力不発
 ○…準決勝まで機能し続けた花巻東の機動力が、大詰めで空回りした。八回1死一塁、1番・柏葉は一、二塁間へのしぶとい内野安打で、好機を広げた。「3番の川村までつなげれば。きっと1本打ってくれる」と思い、バットを振った。
 ところが、二塁に進んだ山田がノーサインでの三盗に失敗。チャンスの芽を摘むことになったが、柏葉は「足でかき回すのが自分たちの野球なので、(アウトは)しょうがない」とかばった。
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 ■春きらめく
 ◇「エースの力に」思い届かず−−佐藤涼平中堅手(花巻東・3年)
 「何とか(菊池)雄星の力になりたかった」。孤軍奮闘のエースを援護できなかった悔しさで涙があふれた。
 一回。思いは空回りした。死球で出塁し、次打者への投球前。清峰のエース今村に「プレッシャーをかけたかった」。けん制はないと読みスタート。だが、今村の冷静な二塁送球で盗塁失敗。流れは呼び込めなかった。
 三回の第2打席は、「狙い通り」。低めのスライダーを逆らわず中前へ運んだ。六回は四球。八回は俊足で見せた。連打で1死一、二塁の打席。三盗失敗でついえかけた勢いを、機転で呼び戻した。
 2死一塁となり、二塁手がやや深めに守るのを見極めた。バントで今村の足元を抜き、二塁内野安打。敵失も誘って、一、三塁とチャンスを広げたが、後続がなかった。
 今大会でただ一人、今村に対して全打席出塁。身長155センチの存在感を十二分に示す一方で、自身は一度も二塁を踏むことなく零封負け。「小柄でもやれるということ、あきらめない姿勢は示せた。でも、何より、岩手にいいニュースを届けたかった」。もう一度童顔をぬらした。【藤倉聡子】


花巻東、惜敗 選抜高校野球、準V

 第81回選抜高校野球大会最終日は2日、甲子園球場で決勝を行い、初出場の花巻東(岩手)は0―1で清峰(長崎)に惜敗し、東北勢初の甲子園制覇はならなかった。花巻東は菊池雄星投手が要所を締めて清峰の主戦今村猛投手と投げ合い、6回まで両チーム無得点。しかし、7回に適時二塁打で1点を先制され、その後は再三走者を出したが決定打を欠いた。今大会、花巻東は岩手県勢として25年ぶりに選抜での勝利を挙げたほか、準決勝では利府(宮城)との大会史上初の東北勢対決を5―2で制し、同県勢として初めて甲子園の決勝に進むなど快進撃を見せた。
◎純岩手産、もう見下させない
 歴史を変えることは、これほどまでに難しいことなのか。1915年夏の旧制秋田中に始まる東北勢の大旗への挑戦。7度目も実らなかった。
 花巻東は7回まで二塁すら踏めない展開。それほど清峰・今村猛投手の投球は素晴らしかった。「力は相手がずっと上」と川村悠真主将。だからこそ、細かい足技で揺さぶりをかけ続けた。
 そしてやっと巡ってきたのが8回1死一、二塁、9回の2死一、二塁の好機。しかし、あと1本が出ない。1点が遠かった。
 花巻東はベンチ入りメンバー全員が岩手県出身者という“純岩手産”チーム。佐々木洋監督が自ら県内を回って声を掛けてきた。
 主戦の菊池雄星投手もそんな1人。佐々木監督が初めて見たのは小6の時だ。「球はまだまだだが、動きが抜群にしなやかだった」というのが第一印象。試合のたびに通い続けた。
 中学時代、シニアリーグで頭角を現した菊池投手には、全国の30を超える野球校から誘いがかかる。それでも花巻東を選んだのは佐々木監督の存在があったから。「自分が下手な時から声をかけてくれたのが監督。信頼できるのはこの人だと思った」という。
 岩手県勢にとって、甲子園は苦難の歴史だった。春は24年間、初戦突破なし。組み合わせ抽選会で対戦相手から拍手が起きたこともある。練習試合で関東の高校に勝つと、「岩手のチームなんかに負けやがって」と選手をしかる監督の声が聞こえた。川村主将は「弱いと思われている悔しさをバネに練習してきた」と振り返る。
 室内練習場に大書された「岩手から日本一へ」という目標。選抜では実現することができなかった。「打撃も守備もまだまだ。もう一度、頂点に挑みたい」と川村主将。夢は夏へお預けとなった。
◎本当に悔しい またこの場所に
 花巻東・佐々木洋監督の話 日本一を狙ってきたので、本当に悔しい。決勝では、これまでほとんどなかったエラーが出て、流れを悪くした。ただ、選手は落ち着いていたし、(3連投の)菊池は気力だけでよく1点で抑えた。夏に向け、ゼロからチームをつくり直し、またこの場所に戻ってきたい。


【選抜高校野球】花巻東1点の重み

 第81回選抜高校野球大会は2日、東北勢の春夏通しての甲子園初優勝をかけて花巻東(岩手)が清峰(長崎)と決勝戦を行った。花巻東は、主戦・菊池雄星(3年)が九回1失点の力投を見せたが、大会ナンバーワン右腕、清峰の主戦・今村猛(3年)の前にあと一打が出ず、0−1で惜敗した。東北悲願の甲子園優勝旗の“白河越え”は持ち越しとなった。
             ◇
 「ここまできて優勝しないと意味がないぞ。執念を見せろ」。花巻東の佐々木洋監督は、試合前にそう活を入れてナインを送り出した。
 先発の菊池は、一回表、清峰の先頭打者に安打を許し、二回表にも、四球を与えるなど不安定な立ち上がりだったが、「走者を出してからの投球が持ち味」(菊池)と、要所をきっちり締めて無失点でしのぐ。
 四回表には失策に加え、内野安打を許し、一死一、二塁のピンチを背負うも、後続を連続三振に切って取る圧巻の投球。
 一方、打線は、清峰の今村の前に七回までわずか2安打に封じ込まれ、二塁すら踏めずに菊池の好投を援護できない。
 両投手の息詰まる投手戦の均衡は、七回表に破られる。花巻東の菊池は二死を取った後に、四球を与える。
 「気持ちは切り替えられた」という菊池だが、清峰の9番・橋本洋俊(3年)への3球目、直球が甘く入り、中堅越えに運ばれて1点を失う。
 菊池は、「力いっぱい投げた。これまで一番練習してきた球だった。悔いはない」と振り返った。
 花巻東は無得点のまま迎えた終盤、ここ2試合を逆転劇で勝ち上がってきた“逆転の花巻東”の意地を見せる。
 八回裏、一死から9番・山田隼弥(3年)が左前安打を放つと、続く1番・柏葉康貴(3年)も内野安打で出塁。しかし、二走山田が三盗を失敗、3番・川村悠真(3年)も三邪飛に倒れ生還できない。
 九回裏には、二死から、6番・菊池が初球を中前にはじき返すと、7番・横倉怜武(3年)も内野安打で出塁。一打サヨナラの好機に、アルプススタンドの応援はこの日最高の盛り上がりを見せた。
 打席には代打の佐々木大樹(2年)。「3年生にとっては最後のセンバツ。一緒に監督を胴上げすると約束した。何が何でも自分が決める」とバットを握る。
 しかし、振り抜いた球は高く上がって左翼手のグラブに収まりアウト。花巻東打線は、あと一打が出ず涙をのんだ。
 佐々木監督は「たった1点だが、大きな1点だった。監督の力量の差です」と悔しさをにじませた。
 「(準優勝は)『優勝はまだ早い』という野球の神様からのメッセージだと思う。夏までに日本一の投手になって、ここに戻ってくる」。菊池は、あふれてくる悔し涙に声を詰まらせながら、そう誓った。


花巻東・菊池、1点に泣く…/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・決勝(清峰1−0花巻東、2日、甲子園)大会屈指の剛腕対決は、MAX148キロの右腕に軍配が上がった。清峰(長崎)・今村猛投手(3年)は、花巻東(岩手)を7安打無失点に抑え1−0完封勝利。春夏を通じ、長崎県勢で初めて優勝を飾った。花巻東の左腕、菊池雄星投手(3年)も連投の疲れをみせず好投したが、七回に失った1点に泣き、東北勢の甲子園初優勝に一歩及ばなかった。
 涙が一気にあふれた。投げ合った今村に声をかけられたが、菊池は返事ができなかった。
 「神様が夏までに日本一の投手に成長して、戻ってこいといってくれたんだと思う。夏に優勝旗を取らせるため神様が準優勝にしたと思う」
 気持ちを鎮めても、日本一を目前で逃した悔しさで一杯だった。
 3連投で臨んだ今大会5試合目のマウンド。ここまで449球、肩、ひじは限界だった。序盤は打たせて取る投球で抑え、7安打されながら124球を投げきったが、七回に失った1点が大きかった。
 中学のときから目標は「岩手で日本一になる」。ベンチ入りメンバー18人中7人は、菊池の誘いで花巻東に入学。“チーム菊池”を引っ張る存在になるため、トイレ掃除を自ら担当するなど精神面も磨いた。昨秋の新チーム発足後、A3用紙に「覚悟」の言葉とともに、田中将大(楽天)ら尊敬する投手の高校時代の写真を張り、室内練習場に掲げた。
 悲願にはあと一歩届かなかったが「今村くんはすごい投手だった。夏までに変化球もストレートも磨きたい。土は持って帰りません。夏に来て優勝して持って帰ります」と誓った。
 涙をふき、岩手の左腕はさらに成長して夏の甲子園に戻ってくる。


泣くな菊池!今村と約束…「夏に会おう」

 【花巻東0―1清峰】泣くな菊池、夏がある。第81回「センバツ高校野球」第12日は2日、甲子園球場で決勝戦が行われ“みちのくの怪腕”こと菊池雄星投手(3年)を擁する花巻東(岩手)は清峰(長崎)に0―1で敗れ準優勝。惜しくも東北勢初優勝を逃した。3連投の菊池は清峰打線をわずか1点に抑えながら、打線の援護に恵まれなかった。試合後、互いに投手戦を展開した清峰・今村猛投手(3年)に歩み寄った菊池は夏の再戦を誓った。
 あれだけ遠かった本塁ベースがすぐ目の前にあった。9回2死。二塁走者の菊池は同点を信じて一目散に三塁を蹴った。しかし代打・佐々木の飛球は左翼手のグラブに収まりゲームセット。甲子園を沸かし続けた菊池の春は本塁の1メートル手前で終わりを告げた。
 「最後、本塁を踏ませてもらえなかったのは野球の神様が“まだ早い、日本一の投手になって戻ってこい”と言ってるのだと思います。またここに戻ってくるために、岩手に帰ってあしたから練習します」
 さすがの怪腕も疲労は隠せなかった。初回に先頭の屋久に初球のスライダーをいきなり左前打されるなど、本来の姿からはほど遠かった。「左ひじの内側に張りがありました」。試合後初めて明かしたが、試合中は気迫でカバー。5回まで毎回走者を出しながらもスコアボードに0を並べた。
 しかし限界だった。7回2死一塁から9番橋本にこの日最速の144キロの直球を中越え二塁打され決勝点を献上。「1番練習してきた直球を打たれたので悔いはありません」。最少失点に抑えながら、東北勢悲願の初優勝は7度目の挑戦でも実らなかった。
 それでも記憶に残る快投だった。初戦の鵡川戦で9回1死までノーヒットノーラン。さらに2戦連続完封&2ケタ奪三振もマークした。快速球もさることながら相手校が口をそろえた菊池の脅威は「テンポの早さ」。捕手からの返球を受けるや、ノーワインドアップのままサインをのぞきすぐに投げる。この日の3回には何と捕球後、1・96秒で投球動作に入った。「テンポを早めれば味方にリズムが生まれる」。
 そのためロジンバックもほとんど使わない。用具メーカーのデータでは一般的な投手は2球に1回使うとされているが、菊池は決勝で34回しか触らなかった。しかも打者が打席に入ってからはわずかに3回。冬場は手がひび割れするほどの乾燥肌タイプにもかかわらず、育ての親ともいえる盛岡東シニアの小野寺監督から言われた「ロジンに頼るな」という教えを忠実に守り、ちぎっては投げ続けた。
 試合後の整列では投手戦を展開した今村に自ら歩み寄った。「夏に会おう」。甲子園の土は夏に優勝して持ち帰る。悔いはない。だから胸を張って岩手に帰る。


花巻東・菊池、痛恨の一球 速球勝負「悔いなし」

 快速左腕、花巻東の菊池がついに力尽きた。7回、わずか3球で2死までこぎつけた直後にストレートの四球を許し、打者は清峰の9番橋本。
 カウント1―1から内角低めを狙った速球は真ん中高めへ。この日最速の144キロを完ぺきにとらえられ、中越えの適時二塁打になった。「あの1球以外は悪くなかった」と捕手の千葉。大会屈指の右腕今村を相手に、致命的な1点を失った。
 「速球は一番練習してきたボール。悔いはない」。菊池は気丈に話したが、自己最多タイとなった3連投の影響は否めず、自慢の制球力が微妙に狂った。大旗を懸けた大一番に精神的な疲労もあったはず。佐々木監督は「気力で1点に抑えてくれた」とねぎらう。
 エースは打っても9回2死無走者から中前打を放ち、チームを鼓舞した。横倉の内野安打で二塁に進んだが、代打佐々木大が左飛に倒れて1点が奪えず、試合終了。ホームベース上で天を仰いだ菊池の目に涙があふれた。
 「神様が、夏のために優勝旗を取っておいたんだと思う。そのつもりで明日から練習する」と菊池。甲子園の土は持ち帰らなかった。春の躍動は、夏に完結させる物語の始まりにすぎない。(佐々木貴)
<横倉2安打、存在感見せる>
 大会屈指の右腕、今村から2安打を放ち、存在感を見せた横倉。「これだけ人(観客)がいる中で、素晴らしい投手と対戦できたことは良かった」と感想を語った。
 今村の内外角を巧みに突く投球に食らいついた。1打席目は右前打。9回の最終打席は、2死一塁でカーブをうまくとらえて遊撃内野安打にしたが、同点にはならなかった。わずか1点差の惜敗に「勝利に対する執念で、相手の方が上回っていたということ。あらためて自分たちの力のなさを、清峰に教わったような気がする」と振り返った。
◎野村監督が菊池を絶賛
 花巻東高の菊池雄星投手を、プロ野球・東北楽天の野村克也監督が絶賛した。「いい投手なのは間違いない。(東北楽天の)地元の選手だし、獲得すべきだ」と、今秋のドラフト会議での指名にも言及した。
 特に抜群の制球力を高く評価。野村監督が好投手の条件としている、外角低めへのコントロールの良さが目に留まったようだ。「球一つ分で、ストライクとボールの使い分けができていた」と褒めた。
 速い球を投げる能力は天性のものと考えている。今大会、菊池の速球は150キロを超えたが、さらに磨きをかけることを期待。「今の状態でいっぱいいっぱいというのでなく、夏にもっと速い球を投げてほしい」と語った。
<岩手出身の銀次も興奮>
 花巻東の健闘を東北楽天の銀次捕手(岩手・盛岡中央高出)は大いにたたえた。チーム唯一の岩手県(普代村)出身選手。「準優勝でもすごいこと。自分もすごくうれしい」と興奮気味だった。
 練習試合と重なり、試合をテレビ観戦することはできなかったが、戦いぶりには注目してきた。「ベンチでの選手の表情や雰囲気がとても良かったことが印象的だった。みんなで勝ってきたチームだと思う」と銀次。
 東北勢初の甲子園制覇は果たせなかったが、「全員野球を忘れず、夏の優勝を目指してほしい」とエールを送った。
◎東北の野球関係者躍進を評価
 決勝で惜敗した花巻東。大旗を手にすることはできなかったが、東北の高校野球関係者からは、躍進を評価し、ねぎらう声が聞かれた。
<「夏」に向けて自信>
 東北地区高野連・庄司恒一会長の話 両投手の出来が素晴らしい好ゲーム。点差の通り、実力は小差だった。花巻東と利府の活躍は東北のレベルアップを感じさせ、ほかのチームに勇気を与えた。東北のチームは自信を持って夏の大会に向けて力を付けてほしい。
<球児に刺激与える>
 青森山田(青森)・渋谷良弥監督の話 花巻東は試合内容も素晴らしく、本当によくやってくれた。今大会は東北勢が大健闘し、東北の野球のレベルが上がっているということが証明された。彼らのプレーは、東北の高校球児に勇気と、いい刺激を与えてくれた。
<出場校の実力拮抗>
 2005年の春に21世紀枠で出場した一迫商(宮城)・熊谷貞男監督の話 東北地区の代表としてぜひ優勝してほしかった。今大会は出場チームの実力が拮抗(きっこう)しており、花巻東も利府も優勝するチャンスだっただけにもったいなかった。
<レベル向上を証明>
 秋田商(秋田)・太田直監督の話 花巻東が決勝で負けたのは残念だが、ベスト4の利府も含めて東北勢のレベルが上がってきたことを証明した。僕らもテレビで試合を見るのではなく、甲子園に行って頑張りたい。
<優勝旗は遠くない>
 日大東北(福島)・増田克史監督の話 冬場の練習環境が充実してきたことで、ここ数年東北のレベルは上がっている。花巻東や利府の活躍が、自分たちも全国で十分戦えるんだという意識面でのレベルアップにつながってくるだろう。東北に優勝旗が届くのもそう遠くないのではないか。
<内容は素晴らしい>
 1971年夏に準優勝した磐城(福島)の中堅手で福島県高野連理事長の宗像治さんの話 決勝にふさわしい投手戦。最終回に見せ場もつくった。敗れたが素晴らしい内容だった。東北の第2代表がこれだけの活躍。東北勢の優勝は近い。


第81回センバツ高校野球:花巻東、準V 1点の重み、胸に刻む

◇大舞台で成長−−千葉捕手
 2日の第81回センバツ決勝で、花巻東(岩手)は東北勢初の選抜優勝にあと一歩届かなかった。しかし大会屈指の左腕・菊池雄星投手(3年)をリードした千葉祐輔捕手(同)は、夢舞台で力強く成長。全国制覇を誓い、甲子園を後にした。【小林慎、田中博子】
 「力抜いてゆっくりな」。七回表、2死からストレートの四球。千葉捕手は菊池投手の力みを察し、駆け寄ってボールを渡すとミットでお尻をポンとたたいた。直後、高めの甘い球を打たれて決勝打に。「練習の時から、低めを意識して投げさせたい」。試合後、悔しさを押し殺して語る様子に佐々木洋監督(33)から指摘され続けた受け身の姿勢はなかった。
 菊池投手とは小、中学校でもバッテリーを組んだ。高校では菊池投手が先にエースの座をつかみ、念願の正捕手になったのは昨秋。肩の強さはずば抜けていたが、捕手出身の佐々木監督は投手をリードする気の強さを求めた。「優しくていい子だが、ただ菊池の思う通りに投げさせている。それでは球を捕るマシン」。センバツ出場決定後も後輩捕手と競わせた。千葉捕手は「このままじゃいけない」と奮起。監督の指示を書き留め、練習を積んだ。5試合を経験した今大会、ピンチでは自ら間を取り、野手に守備位置を指示した。
 1点の重みを知った決勝戦。千葉捕手は「チームを作り直し、夏には日本一を目指したい」と誓った。


<センバツ>花巻東の佐藤、清峰の今村に全打席出塁も惜敗

▽センバツ決勝(2日)
 ●花巻東0−1清峰○
 ◇佐藤涼平・中堅手=花巻東・3年
 「何とか(菊池)雄星の力になりたかった」。孤軍奮闘のエースを援護できなかった悔しさで涙があふれた。
 一回。思いは空回りした。死球で出塁し、次打者への投球前。清峰のエース今村に「プレッシャーをかけたかった」。けん制はないと読みスタート。だが、今村の冷静な二塁送球で盗塁失敗。流れは呼び込めなかった。
 三回の第2打席は、「狙い通り」。低めのスライダーを逆らわず中前へ運んだ。六回は四球。八回は俊足でみせた。連打で1死一、二塁の打席。三盗失敗でついえかけた勢いを、機転で呼び戻した。
 2死一塁となり、二塁手がやや深めに守るのを見極めた。バントで今村の足元を抜き、二塁内野安打。敵失も誘って、一、三塁とチャンスを広げたが、後続がなかった。
 今大会でただ一人、今村に対して全打席出塁。身長155センチの存在感を十二分に示す一方で、自身は一度も二塁を踏むことなく零封負け。「小柄でもやれるということ、あきらめない姿勢は示せた。でも、何より、岩手にいいニュースを届けたかった」。もう一度童顔をぬらした。


【花巻東トーク】「夏までに日本一のチームに」

花巻東・柏葉二塁手(一回の守備で左くるぶしを負傷したが、フル出場)
「ベースカバーの際にスパイクの歯が刺さった。少ないチャンスを生かさないと勝てないと思っていたのに、それができなかった」
花巻東・横倉一塁手(2安打したが)
「達成感はない。また夏があることに感謝したい」
花巻東・佐藤隆右翼手(優勝を逃し)
「1点の重みをかみしめたい。夏までに日本一のチームになって戻って来たい」
花巻東・山田左翼手(八回に三盗に失敗)
「スタートは悪くなかったが、リードが思ったより小さかった」
花巻東・佐々木大選手(2年生が最後の打者)
「先輩たちと優勝するぞと約束してたので、絶対打つぞという気持ちだった」
花巻東・猿川三塁手(4打数無安打の4番)
「いい打球が飛んでいたが、正面だった。4番としてもまだまだ。走者を十割近く返せるようにしたい」


利府 穀田部長、責任とって辞任の意向

 第81回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場した利府(宮城)の穀田長彦部長が2日、辞任する意向を明らかにした。ベンチ入りメンバーの1人が自身の携帯サイト上のブログに1回戦で対戦した掛川西(静岡)を侮辱する書き込みをしていた責任を取ったとみられる。小原仁史監督は引き続き指揮を執る予定。日本高野連からは口頭で厳重注意を受けていた。穀田部長は小原監督、書き込んだ選手とともに掛川西に謝罪に出向くことを申し入れたが、掛川西側は「もう済んだことなので」と丁重に断りを入れた。利府は準決勝で花巻東(岩手)に敗れた。

*** 以上、記事より ***

決勝戦は、今大会を象徴するような息詰まる投手戦でした。
仕事休んでTV観戦した甲斐がありました。どっちの選手たちも好投、好プレーが出てすごかったです。
このセリフは拾っておきたい、というのがあちこちにあって、量が多くなったので2つに分けました。
これは惜敗・準優勝の花巻東中心。ひとつ前は、優勝した清峰中心。
最後のはオマケ記事。

09センバツ・決勝-1

第81回センバツ高校野球:清峰1−0花巻東(その1) 清峰、最強右腕で頂点

 ◇第12日・最終日
 ▽決勝
清峰(長崎)
  000000100=1
  000000000=0
花巻東(岩手)
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 左右の好投手対決は、守りに一日の長がある清峰に凱歌(がいか)が上がった。清峰は、終盤の七回2死、嶋崎が四球で出塁。続く9番の橋本が甘いストレートを見逃さずに中越えにはじき返す見事な二塁打で、嶋崎が一塁から還り、決勝点を挙げた。
 今村は序盤、得意のスライダーの制球が悪かったが要所を抑える丁寧な投球。花巻東の焦りの走塁を落ち着いて処理するなど、中盤まで粘り強くしのいだのが終盤に生きた。
 花巻東は、内野陣の打球への反応が鈍かった。守りがちぐはぐでリズムに乗れず、菊池は五回まで毎回、走者を背負う苦しい投球。2併殺などでピンチを切り抜けていたが不用意な1球に泣いた。
 攻撃では八回に連続安打で一、二塁とした後の三塁盗塁失敗が痛かった。九回2死後も連続安打の粘りをみせたが、最後は今村に封じられた。【海老名富夫】
 ◇清峰・吉田洸二監督
 守備でミスすれば負けると思ったが、地道にやってきた練習の成果が出せた。長崎に初めて優勝旗を持ち帰れるのが一番うれしい。
 ◇代役が殊勲の四球
 ○…決勝のホームを踏んだのは、清峰の背番号14。ナインが「ラッキーボーイ」と呼ぶ嶋崎だった。七回にわずか3球で2死を取られた直後、ストレートの四球で出塁。続く橋本の適時二塁打を呼び込んだ。二塁・坂本の負傷で、代役が回ってきた。
 昨秋の公式戦は打席に立っていなかったが、甲子園では適時打や決勝スクイズなど大活躍。殊勲の四球は「前の打席で内角球を安打にしたので、外の厳しいところを突いてくると思っていた」と、冷静に球を見極めたものだった。その喜びを、「一生忘れられない大会になる」と表現した。
 ◇積極打法で勢い
 ○…試合開始のサイレンが鳴りやまないうちに、打球が三塁線を破った。準決勝まで17打数6安打。好調な清峰の1番・屋久(やひさ)が、好投手・菊池の初球をいきなりたたき、チームを勇気づけた。「攻略法は特に考えず、甘い球をすきなく打とう」という積極性を存分に発揮。三回の次打席ではファウルで4球粘った後に右前へはじき返すなど、菊池をじわりと苦しめた功労者の一人だ。勝った瞬間は「実感がわかなかった」と言うが、主将として優勝旗を手にし、初めて感激がこみ上げた。
 ◇意外性の9番−−橋本洋俊遊撃手(清峰・3年)
 17個のゼロが並ぶスコアボードで、意外な選手がたたき出した、ただ一つの「1」が大きな輝きを放つ。
 七回2死一塁。「バントも難しい」と感じた花巻東・菊池の速球を狙った。144キロを振り抜くと打球は中堅手の頭上を越え、嶋崎が一気に生還した。
 今大会ではそれまで12打数2安打。好調な1番・屋久に回すのが役割だ。一方で周りの評価は「確率は低いが飛ぶ」(嶋崎)、「10回に1回は打つ」(吉田監督)。その大当たりが、大事な場面で飛び出した。
 八回のピンチ。マウンドに集まった時、今村と握手した。「変わったやつなんですよ」と、クールな今村が相好を崩すユニークな性格が意外性を深める。
 もちろん、土台なしに力を出すことはできない。3安打はすべて二塁打。毎日何十本という300メートルダッシュで鍛えた下半身がパワーを生む。
 お立ち台でマイクを向けられた。「取材もめったにないので」と本人には「意外な」ご褒美。照れ笑いがいつまでも続いた。【吉見裕都】
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 ■この一瞬
 ◇今村完封、直球締め 仲間を信じて
 1点のリードを守りきらなければならなかった。九回2死一、二塁。清峰の今村は、捕手・川本のサインに何度も首を振った。「最後はストレートで締めたかった」。本格派右腕の意地だった。7球目、打球が左翼・辻のグラブに収まったのを見届けたエースは、両手を天に突き上げ、今大会初めて、派手なガッツポーズを見せた。
 準決勝まで、ほぼ1人で投げ抜いてきた今村は試合前から、腕が重かったという。この日は、自慢の速球もほとんどが130キロ台。それでも、走者を背負ってからが真骨頂だ。速球をファウルで粘られながらも、「気持ち的には余裕があった」と振り返る。「体はきつかったけど仲間がいる。みんなが守ってくれるから」
 六回、初めてストレートの四球を与え、足のある佐藤涼を塁に出すいやな展開。そこで川本はマウンドへ駆け寄り、今村に言った。「自分が刺すから、バッターに集中していこう」。高校に入ってから捕手に転向。最初は今村の速球を受けられず、腕をあざだらけにしながら今村の相棒となってきた川本は、次打者を内野ゴロに仕留めた後、予告通り、走者を二塁で刺した。
 5試合での失点はわずか1。防御率0・20。圧倒的な存在感で今村の右腕はチームを頂点へと導いた。そしてまた、今村も仲間に引っ張られた。「まだ実感ないです」。最後までポーカーフェースの最強右腕とその仲間たちが、力を合わせて頂点に立った。【辻中祐子】
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 ◇清峰
 1952年、長崎県立北松南(ほくしょうみなみ)として創立。総合学科への改編に伴い2003年、現校名に。野球部は1955年創部。甲子園出場は春2回、夏3回。06年センバツで初出場準優勝。校訓は「誠実」。同県佐々町。
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 ◇毎日新聞記者が選んだベストナイン◇
投手  今村猛  (清峰)
捕手  平本龍太郎(報徳学園)
一塁手 山崎健太郎(清峰)
二塁手 柏葉康貴 (花巻東)
三塁手 屋久貴博 (清峰)
遊撃手 橋本洋俊 (清峰)
外野手 佐藤涼平 (花巻東)
    藤原昂哉 (利府)
    竹重瑞輝 (南陽工)


今村完封!歴史刻んだ!清峰、長崎に初大旗

 【清峰1―0花巻東】松坂超えで悲願の初Vだ。第81回「センバツ高校野球」第12日は2日、甲子園球場で決勝を行い、清峰(長崎)が花巻東(岩手)に1―0で勝ち、初優勝した。清峰は、エースの今村猛投手(3年)が要所を抑える快投で7安打完封。7回に挙げた1点を守り切り、花巻東・菊池雄星投手(3年)との“剛腕対決”を制した。長崎県勢の優勝は春夏通じて初。佐世保市近郊の小さな町の公立校が3年前の決勝で大敗した屈辱を晴らした。
 新しい歴史を刻むまであと1人。1点リードの9回2死一、二塁で、今村が最後に選んだのはカットボールだった。佐々木大を左飛に抑えると右腕を空に向かって突き上げた。甲子園で長崎県初めての頂点だ。そのときいつものポーカーフェースが崩れ、初めて心の底からエースが笑った。
 「やっと終わった。きつかった。菊池君はストレート、変化球のバランスが良く、凄くいいピッチャーだった」
 左右のNo・1投手が決勝の大舞台で巡り合った奇跡。菊池に投げ勝って栄冠をつかんだ。連投の疲れで123球のうち140キロ以上は10球だけ。切れもなく、奪った三振は5個だった。「腕が振れなかった」。バックを信じて打たせて取り、7安打完封。センバツ決勝では25年ぶりとなる1―0の完封劇だ。
 完封は3度目で5試合で44回1失点、47三振で防御率0・20の抜群の安定感を発揮した。センバツで決勝を含め3完封したのは98年春の横浜高・松坂(現レッドソックス)以来。松坂は全5試合に完投し、45回を投げて43奪三振の4失点。今村は“世界のエース”の数字をも上回った。
 絶妙なペース配分で132個のアウトを積み上げた。ピンチになると隠していた、キバをむく。捕手の川本は「走者を背負うとギアが入る」とミットで感じ、吉田監督は「球速が10キロ上がる」とその凄さを語る。マウンドでは常に冷静沈着で、勝負どころで力を出した。
 転機は昨秋の九州大会だった。センバツ出場がかかった準々決勝で福岡大大濠(福岡)にサヨナラ勝ちし、吉田監督と一緒にロッカー室で大泣きした。仲間への信頼から生まれた投球術。そこから全国の頂点まで駆け上がった。
 今村の挑戦はまだ終わらない。試合後、号泣する菊池に「また夏に試合しよう」と声をかけた。夏もライバルたちを倒してみせる。小さな町を代表して頂点に立ったエースは「いっぱい練習して、もっと強くなって」と言った。これから描く成長の軌跡は春夏連覇の目標に続く。


今村完封!清峰、長崎勢悲願の初制覇/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・決勝(清峰1−0花巻東、2日、甲子園)長崎勢春夏通じて悲願の初制覇!清峰(長崎)が花巻東(岩手)を1−0で下し、初優勝を飾った。
 決勝は初となる長崎と岩手の顔合わせ。MAX150キロの花巻東・菊池雄星(3年)とMAX148キロの清峰・今村猛(3年)、プロ注目の左右の高校生ナンバーワン投手が先発し、戦前の予想通り1点を争う緊迫した好ゲームが展開された。
 中盤までは両チームとも毎回のようにランナーを出してチャンスを築くが、得点に結びつかない。バックの守りに助けられながらも両先発がゼロ行進を続けた。
 試合が動いたのは七回。清峰は二死から四球を選んで出塁すると、続く9番・橋本がセンターを大きく超える二塁打を放ち、待望の先制点を挙げた。
 八回、花巻東にこの試合初めてとなる連打を許し、二死一、三塁に持ち込まれるが、何とか3番・川村を三邪飛に打ち取り、ピンチを切り抜けた。
 清峰は第78回大会(2006年)決勝で名門・横浜(神奈川)の前に21−0と大敗した雪辱を果たし、紫紺の優勝旗を長崎にもたらした。今村は花巻東打線を7安打完封で締め、今大会5試合で44回を1失点に抑えた。
 花巻東は岩手県勢最高成績となる初の準優勝。春夏通じて岩手勢、さらに第73回大会(2001年)の仙台育英(宮城)を超える東北勢初の優勝を目指したが、今村の前に打線が沈黙。先発の菊池はリリーフで登板した準々決勝から3日連投、この試合も毎回のように走者を背負うも、要所を締める投球を見せたが1点に泣いた。
清峰・吉田洸二監督の話
「この優勝が選手のおかげなのはもちろんだが、長崎県の多くの人の後押しがあって今日を迎えられた。うれしいというか感謝の気持ちでいっぱい。攻略というよりも、自分たちがしっかり守った。3年前に厳しい経験をしたことが生きた」


清峰・今村が大会3度目完封劇V/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・決勝(清峰1−0花巻東、2日、甲子園)大会屈指の剛腕対決は、MAX148キロの右腕に軍配が上がった。清峰(長崎)・今村猛投手(3年)は、花巻東(岩手)を7安打無失点に抑え1−0完封勝利。春夏を通じ、長崎県勢で初めて優勝を飾った。花巻東の左腕、菊池雄星投手(3年)も連投の疲れをみせず好投したが、七回に失った1点に泣き、東北勢の甲子園初優勝に一歩及ばなかった。
 ようやく“ポーカーフェース”がゆるんだ。
 左翼手の辻(3年)が最後の飛球をキャッチすると、右人さし指を空へ突き上げた今村が、大きく口を開け弾けるような笑顔をみせた。
 「終わったかな、という感じ。最後までどうなるかわからなかったので、仲間を信じて投げました。ガッツポーズができてよかった」
 投げ合った相手は、大会屈指の左腕、菊池。1点もやらない覚悟だった。今大会初の連投は全身のダルさに襲われ、MAXは142キロ止まり。球威不足を自覚し、三振を狙わずコースぎりぎりの球で凡打を誘った。
 そんなエースを、女房役の川本(3年)も盗塁を2度阻止して援護。1点差の九回二死一、二塁は、1年秋から磨いたカットボールで左飛に打ち取ると、今村は初めてガッツポーズを見せた。今大会では44回1失点、47奪三振。決勝を含め3完封は第70回大会の横浜・松坂大輔(レッドソックス)=45回4失点、43奪三振=以来。三振の数と失点では松坂を上回った。
 130キロの速球を受けられる捕手がいなかった中学時代、仲間の失策でピンチになることが多かった。そんなとき「仕方がないじゃないか」とたしめたのは、いりこ加工業を営む父、和彦さん(42)。自然と対峙(たいじ)する父が教えてくれたのは、動じない気持ち。それが、マウンド上で表情を顔に出さない今村の原点だった。
 試合後、泣き崩れる菊池に歩み寄り「夏、また試合をしような!」と声をかけた。返事は聞こえなかったが、心は通じた気がした。春夏連覇と再会を約束。エースのほほがまた少しだけ緩んだ。


高校野球・健闘をたたえあう今村と菊池

(■注:エース同士が歩み寄った場面の写真です。)
決勝、清峰―花巻東。試合後に健闘をたたえあう清峰の今村(奥)と花巻東の菊池。清峰は初出場の花巻東を1−0で破り、2度目の出場で初優勝した(2日、甲子園)


センバツ:清峰の今村、最後もストレートで勝負し完封劇

▽センバツ決勝(2日)
 ○清峰1−0花巻東●
 1点のリードを守りきらなければならなかった。九回2死一、二塁。清峰の今村は、捕手・川本のサインに何度も首を振った。「最後はストレートで締めたかった」。本格派右腕の意地だった。7球目、打球が左翼・辻のグラブに収まったのを見届けたエースは、両手を天に突き上げ、今大会初めて、派手なガッツポーズを見せた。
 準決勝まで、ほぼ1人で投げ抜いてきた今村は試合前から、腕が重かったという。この日は、自慢の速球もほとんどが130キロ台。それでも、走者を背負ってからが真骨頂だ。速球をファウルで粘られながらも、「気持ち的には余裕があった」と振り返る。「体はきつかったけど仲間がいる。みんなが守ってくれるから」
 六回、初めてストレートの四球を与え、足のある佐藤涼を塁に出すいやな展開。そこで川本はマウンドへ駆け寄り、今村に言った。「自分が刺すから、バッターに集中していこう」。高校に入ってから捕手に転向。最初は今村の速球を満足に受けられず、両腕をあざだらけにしながら今村の相棒となってきた川本は、次打者を内野ゴロに仕留めた後、予告通り、走者を二塁で刺した。
 5試合での失点はわずか1。防御率0.20。圧倒的な存在感で今村の右腕はチームを頂点へと導いた。そしてまた、今村も仲間に引っ張られた。「まだ実感ないです」。最後までポーカーフェイスの最強右腕とその仲間たちが、力を合わせて頂点に立った。


【第81回選抜高校野球】最終日 清峰・今村、3度目完封「余裕ありました」

 両手を突き上げ、女房役の川本と抱き合った。清峰の今村が今大会3度目の完封劇。1年秋におぼえたカットボールで最終打者を左飛に仕留め、緊張から解放されたエースの表情が崩れた。
 「1点勝負はきつかったが、優勝できてうれしい。最後も気持ち的には余裕がありました」
 与四死球は5。疲れから制球を乱す場面もあったが、崩れない。八回二死一、三塁のピンチも耐えしのいだ。吉田監督は「試合中に微調整できるのが成長」という。盗塁を2度刺した川本も「スピードはなかったが、ここぞのキレはあった」。5奪三振ながら、要所を見事に締めた。
 今大会は準々決勝の最終回を除いて1人で投げ抜いた。44回で1失点、47奪三振。決勝を含め3完封した投手は第70回大会の横浜(神奈川)の松坂(現レッドソックス)以来だ。数字では、45回を投げて43奪三振4失点の松坂を上回った。
 表情を変えずに投げる姿は大人びている。小中学校のころ「周りにいい選手がいなくてエラーがいっぱい。それで、こうなった。自分がやるしかなかった」と経験から冷静さを身につけた。
 地元出身選手ばかりの県立校でも全国の頂点に立てることを証明した。「もっと成長したい。もっと強いチームになって帰ってきたい」。大黒柱は、春夏連覇への思いを込めて言葉を締めくくった。(堀健二)

 ■花巻東・菊池、一球に泣く 夏こそ…リベンジの誓い
 選抜大会の紫紺の優勝旗は、またも白河の関を越えられなかった。花巻東のエース菊池はただ1球に泣いた。七回二死一塁から清峰・橋本に許した中越え適時二塁打が、痛恨の決勝打となった。
 試合後、ベンチでひとしきり号泣した菊池。「打たれたのは真っすぐ。思い切り腕を振ったし、一番練習してきた球なので悔いはない」と、涙をぬぐった。
 ここまで3連投。試合前から肩やひじに張りを感じていた。それでも「応援してくれている岩手の人のために」と力投を続けた。「よく1点で抑えた。気力だけで投げていた」と佐々木監督はエースをかばった。
 九回二死からの最後の打席では、清峰の右腕・今村の直球を中前打し、意地を見せた。その今村からは「また夏に(甲子園で)会おうな」と声をかけられ、「また戦おう」とうなずいた。
 準優勝の結果を「神様が夏まで優勝旗を取っておいてくれたんだ」と受け止めた。甲子園の土も手にしなかった。「夏に優勝して持ち帰る」と、はっきり目標を定めたからだ。


【清峰トーク】「これまでの努力が実った」

清峰・屋久主将
「優勝旗を持って帰れるのはうれしい。これまでの努力が実った。1点取って、ベンチもいけるという雰囲気になった」
清峰・嶋崎二塁手(両チーム唯一の得点)
「三塁を回った瞬間、生還できると感じた。三塁コーチャーが手を回すのを信じて走った」
清峰・辻左翼手(最後の左飛を捕球)
「絶対に落とさない、ということしか頭になかった。ウイニングボールは監督にあげようと思います」
清峰・山崎一塁手(準決勝は4安打4打点だったが、決勝は1安打)
「自分の成績は関係ない。接戦になるのは分かっていたので、落ち着いてやれた」
清峰・冨永中堅手(大会を通じて1安打の2番打者)
「ヒットは打てなかったが、バントできっちりチャンスにつなげて貢献できた」
清峰・吉田右翼手(優勝を果たし)
「夢に見ていた。まさかここまで来るとは…。最後は正直、自分で捕って終わりたかった」

*** 以上、記事より ***

決勝戦は、今大会を象徴するような息詰まる投手戦でした。
仕事休んでTV観戦した甲斐がありました。どっちの選手たちも好投、好プレーが出てすごかったです。
このセリフは拾っておきたい、というのがあちこちにあって、量が多くなったので2つに分けました。
ひとつめは、優勝した清峰中心。次は惜敗・準優勝の花巻東中心。

09センバツ・準決勝

清峰、今村が1失点好投!3年ぶり決勝/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準決勝(報徳学園1−4清峰、1日、甲子園)準々決勝でエース今村猛(3年)の好投で簑島に快勝した清峰(長崎)と九回に見事な逆転劇で中京大中京を破った報徳学園(兵庫)が対戦。清峰が今大会屈指の右腕・今村投手の好投と4番山崎内野手の活躍で報徳学園に4−1で勝利し、2006年の第78大会以来、3年ぶりの決勝進出を果たした。
清峰・吉田監督
「相手のイメージ通りの作戦(エンドラン)をうまくしのぎ、雰囲気がさらによくなった。山崎の努力の成果をうれしく思うし、今村もいつも通り強弱をつけてしっかり投げてくれた。甲子園の芝と土を見て感動したが、(決勝では)そのことに感謝してもう一回野球をやりたい」
 試合は清峰が二回裏、この回先頭の4番山崎が報徳学園先発の宮谷から左越え本塁打を放ち先制。さらに三回裏には9番吉田が中前打で出塁すると、1番屋久が四球で続く。犠打で一死二、三塁とチャンスを作り、二死後またも4番山崎が中前2点適時打を放ち3点目。報徳学園先発の宮谷はノックアウトされ、2番手の宮本に交代した。
 五回裏にはこの回先頭の屋久が中前打で出塁すると、犠打でキッチリ送り一死二塁のチャンス。二死後、またも4番山崎が右前適時打を放ち4点目を挙げた。
 報徳学園は六回表、一死から2番野島が中前打などで二死一、三塁と清峰先発の今村を攻めたが無得点に終わった。八回表は一死後、2番野島が四球で出塁後、ニ盗を決め一死二塁のチャンス。3番宮本は空振り三振に倒れたが4番西郷が左前適時打を放ち1点を返したが、後が続かず敗れた。
 清峰のエース今村は1回戦の日本文理(新潟)戦では7安打12奪三振で完封、2回戦の福知山成美(京都)戦では8安打11奪三振で完封、準々決勝の箕島(和歌山)戦では8回まで4安打10奪三振と好投。この試合も8回途中まで無失点に抑えていたが報徳学園西郷に適時打を浴び33イニング連続無失点でストップした。連続無失点記録は第37回大会の平松政次投手(岡山東商)の39イニングが最高。


清峰・山崎、先制ソロ含む4打点/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準決勝(報徳学園1−4清峰、1日、甲子園)不振にあえいでいた4番打者がやっと目を覚ました。ここまで3試合で10打数1安打の清峰・山崎が、先制本塁打を含む4打数4安打。チームの4点すべてを自らのバットでたたき出した。「迷惑掛けてばかりだった。4本打てたことで、帳消しにしてくれたら」と照れくさそうに笑った。
 まずは先頭だった二回。やや内側にきた131キロの直球を振り抜くと、打球は左翼席へ。「相手に向かっていけた」と山崎。三回二死二、三塁では中前へはじき返して2点を追加。五回にも右前適時打を放った。
 2回戦の後、体が開き気味だったフォームを修正。軸足にためをつくることを意識した。この試合では、今大会初めて当たった左投手との対戦も、きっかけをつかむ要因になったという。吉田監督は「調子を崩して悩んでいたけど、努力の成果が出た」と主砲の復調を喜んだ。
 決勝進出は初出場だった3年前以来。山崎は「先輩たちは準優勝。どこが相手でも絶対に勝ちます」と言い切った。狙っているのは、長崎県勢初となる紫紺の優勝旗だけだ。


報徳学園、4番を抑えきれず敗退/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準決勝(報徳学園1−4清峰、1日、甲子園)勝負球が甘く入ってしまった。報徳学園はエース宮谷が清峰の4番・山崎を抑えきれずに、準決勝で姿を消した。
 二回、先頭打者は山崎。「コースに投げないと打たれると思い、力んでしまった」と悔やんだ1球。内角高めの直球を左翼席に運ばれて、先制点を許した。「動揺した」。三回二死二、三塁から、不用意に中に入った真っすぐを、またもや山崎に2点適時打された。三回途中で無念の降板。「踏ん張れば流れがくると思っていたが…」とうなだれた。
 清峰は今村が準々決勝までの26イニングを無失点。どうしてもロースコアの展開に持ち込みたかった。6安打で1点しか奪えずに、序盤の失点が最後まで響いた。それでも永田監督はエースを責めることはなかった。「選手たちは三百パーセントの力を出し切ってくれた。これ以上を求めるのは酷。感謝の思いでいっぱいだ」と満足そうだった。
 大会前、指揮官は「このチームは弱い」と言い続けていた。春3度目の頂点にはとどかなかったが、今夏の躍進を感じさせる敗退だった。


報徳学園、好調の平本が無安打に終わる/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準決勝(報徳学園1−4清峰、1日、甲子園)8連続安打の大会タイ記録をマークするなど好調だった報徳学園の平本は4打数無安打に終わった。「打てる球もあったのが、打てなかった。1本でも打てていたら勝てた」と敗戦の責任を背負い込んだ。
 準々決勝までで通算21塁打の大会新記録を打ち立てた。打撃に自信を持っていたそうだが、「気持ちの面で力みがあった。気負いすぎた」と悔やんだ。
報徳学園・西郷主将
「ここまでこられたことは自信につながった。一丸となってやれた」
報徳学園・宮本一塁手(三回途中から2番手で登板して1失点)
「前半は変化球に切れがなかった。相手に向かっていくという気持ちはよかった」


花巻東、岩手県勢初の決勝進出!/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準決勝(花巻東5−2利府、1日、甲子園)センバツ史上初めて東北勢同士の対決となった花巻東(岩手)と利府(宮城)の決勝を懸けた試合は5−2で花巻東が利府を下して岩手県勢初の決勝進出を果たした。今大会注目左腕のエース菊池雄星投手(3年)は2点を失ったが要所を締めるピッチングで勝利に貢献した。岩手県勢のセンバツでの最高成績は、1984年の第56回大会での大船渡の4強進出。花巻東は前日の準々決勝で25年ぶりにその記録に並び、さらに決勝進出という岩手県勢初の快挙を果たした。
 試合は三回裏の利府は先頭打者の佐藤裕が四球で出塁すると、犠打で一死二塁とチャンスを広げ、続く1番遠藤が右越え2点本塁打を放ち2点を先制した。花巻東は五回表、佐藤隆が中前打で出塁すると、犠打や失策で一死一、三塁とし、1番柏葉のニゴロで1点を返した。
 六回表は一死から4番猿川が一直失で出塁。6番千葉が左前打、7番佐藤隆が死球でつなぎ二死満塁にすると、8番菊池がセンターへしぶとく運ぶ2点適時打を放ち3点目を挙げた。利府先発の塚本はノックアウトされ2番手高橋と交代した。八回表には先頭の5番横川が右前打、6番千葉が四球で続き一死後、8番菊池がセーフティスクイズ。利府の高橋が本塁に悪送球し、一気に二者が生還し5点目。さらに二死満塁としたが、ここは高橋をリリーフした3番手の加藤大が踏ん張った。
 花巻東は序盤は劣勢な展開だったが五回に1点、六回にはエース菊池が自ら逆転打を放ち2点、八回には相手の守備ミスから更に2点を加え、中盤からは試合を支配し押し切った。東北勢のセンバツ最高成績は、仙台育英(宮城)が2001年の第73回大会で記録した準優勝まで。決勝で勝てば東北勢初の優勝となる。
 利府は中盤までに一時リードを奪い試合の主導権を握っていたが先発塚本が持ちこたえられず逆転負けを喫した。守備でも5失策と振るわなかった。利府は21世紀枠で初の決勝進出を目指したが叶わなかった。
花巻東・佐々木監督の話
「追う展開は慣れているので、慌てることなくゲーム運びができた。菊池も疲れはたまっていると思うが、明日は気力と精神力で投げてもらいたい。清峰の今村君は変化球が素晴らしく、なかなか点は取れないと思う」


花巻東、清峰どちらが勝っても県勢初V/センバツ

 決勝は長崎と岩手の顔合わせとなった。選抜大会で両県が対戦するのは初めてで、夏の選手権大会は1度あり、1983年の第65回大会の1回戦で佐世保工(長崎)が黒沢尻工(岩手)に2−0で勝っている。
 花巻東が勝てば東北勢として、清峰が勝てば長崎県勢としてともに春夏通じて初めての甲子園優勝となる。


センバツ:2日の決勝は清峰vs花巻東…屈指の2投手対決

 第81回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は1日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準決勝2試合があり、3年ぶり2回目出場の清峰(長崎)と初出場の花巻東(岩手)がそれぞれ勝って決勝に進出した。決勝は2日午後0時半、開始予定。大会屈指の2投手の投げ合いとなる。
 清峰は、初出場で準優勝した06年に続く決勝進出。勝てば長崎県勢としても初の優勝になる。これまでの4試合、右腕・今村猛投手(3年)は35回を投げて失点1。
 花巻東は、勝てば北海道・東北勢初の優勝で、紫紺の優勝旗が白河の関(福島県)を越える。さらに、04年の済美(愛媛)以来17校目(第1回大会を除く)の初出場校の優勝となる。左腕・菊池雄星投手(3年)は4試合で31回を投げ、2失点に抑えている。


センバツ:清峰・今村投手「疲れなく万全」 2日決勝

 数々のドラマを生んだ第81回センバツは2日、決勝を迎える。対戦する花巻東(岩手)と清峰(長崎)は、いずれも地元出身者で固めたチーム。勝てば岩手、長崎とも県勢初の優勝で、地元は紫紺の大優勝旗がもたらされることを心待ちにしている。1日の準決勝を終えた両校の選手たちは、宿舎で疲れを癒やし決勝に備えた。
 清峰の選手は、堺市内のホテルに戻り、もう一試合をテレビで観戦した。
 屋久貴博主将(3年)は「やってやるぞという気持ちになった。『みんなで悔いのないように』と呼びかけてチームをまとめたい」。エースの今村猛投手(同)は「疲れはなく万全。三振にはこだわらない」と勝ちに徹する姿勢を見せ、川本真也捕手(同)は「1点を争う試合になると思うので、慎重にリードしたい」と落ち着いた様子で話した。
 06年のセンバツ決勝で横浜(神奈川)に大差をつけられた経験のある吉田洸二監督(39)は「(当時の)この時間はお祭り気分だった。浮かれて臨むと痛い目に遭う。明日は全力で頑張るだけ」と淡々と語った。


センバツ:東北に初の大旗を…花巻東「気迫で」 2日決勝

 数々のドラマを生んだ第81回センバツは2日、決勝を迎える。対戦する花巻東(岩手)と清峰(長崎)は、いずれも地元出身者で固めたチーム。勝てば岩手、長崎とも県勢初の優勝で、地元は紫紺の大優勝旗がもたらされることを心待ちにしている。1日の準決勝を終えた両校の選手たちは、宿舎で疲れを癒やし決勝に備えた。
 花巻東の選手たちは午後5時半ごろ、神戸市のホテルに戻った。近くの入浴施設に行くなどし、夕食はバイキング形式で親子丼やそば、魚などを食べたという。
 準決勝で5安打完投した菊池雄星投手(3年)は「甲子園のマウンドで最初はプレッシャーを感じたが、今は周囲の期待を楽しんでいる。投げ合いになると思うが、3点以内に抑えたい」と疲れた様子も見せず、笑顔で話した。
 川村悠真主将(同)は「岩手は弱いと言われてきたが、県内の選手だけで勝ってきたのは自信になった。決勝は、何が何でも勝ちたい」と力を込めた。
 佐々木洋監督(33)は「絶対に負けないという気迫で、初戦の気持ちで臨みたい」と話した。


ほんとのバカは…対戦校“小バカ”高校、またまた騒動
ブログに「缶チューハイ一気飲み画像」


 開催中の選抜高校野球で、対戦校の選手を「変な顔のやつばっか 笑 昭和くさい」などと日記サイトに書き込み、日本高野連から厳重注意を受けた利府高校(宮城)に、こんどは“飲酒騒動”が持ち上がった。同校の主力選手のブログのリンク先にスポーツ刈りの少年が缶チューハイを一気飲みする画像が掲載されていたのだ。
 文武両道の“進学校”を標榜する同校は、清掃活動やナシ畑の手伝いといった地域貢献が評価され、創部26年目で初の甲子園出場を果たした。学業優先で練習時間やグラウンド環境も限られるため、学校近隣の町営球場を借りて練習。そのかたわら、選手全員が携帯電話の個人ブログを所持し、仲間同士で励ましのコメントを書き込むなどして団結力を高めてきたとされていたが、実態はだいぶ違っていたようだ。
 今回問題になったのは、一昨年10月に書き込まれたブログの内容。サイトの持ち主は現在甲子園で活躍中の主力選手の名前で、プロフィル欄の「いま一番行きたいところ」には≪利府野球部の皆で甲子園≫と書き込まれ、部員26人の実名も書かれている。そのリンク先に、スポーツ刈りの少年が赤ら顔で友人男性と缶チューハイを一気飲みする画像が掲載されていたのだ。
 やはり同校の部員と称する別の人物のサイトには「マイブーム」(いま、関心のあること)として「AV鑑賞」と書かれていた。これらのブログが本当に同校野球部員のものだとしたら、仲間の結束を固めるためのブログとは到底言えない。
【「本校の生徒ではない」と否定】
 夕刊フジの取材に、同校の教頭は「先月31日の試合前に高野連から呼び出しを受け、学校に残った教職員全員で画像を調べましたが、写真の人物は野球部員でも本校の生徒でもないことを確認しました」と回答。サイト自体は野球部員のものか、と問うと、「それは分からない。現地(甲子園)に出向いたもう1人の教頭に(確認は)任せている」と答えた。
 高野連の担当者も「学校に聞き取りした結果、対象の人物は選手と無関係であると確認できた。処分の予定はない」と話すが、どのように確認したのかは不明で、謎は深まるばかりだ。
 同部員のブログが注目されるのは、掛川西高との1回戦を控えた3月21日、選手の1人が自分のブログに「掛川西って変な顔のやつばっか 笑 昭和くさい 負けたら昭和以下か… 大正? 負けねーだろ」と書き込んだのがきっかけ。非難が続出し、新聞などでも報じられる騒ぎとなった。
 ちなみに、利府高校に“昭和顔”とバカにされた掛川西高は、普通科の偏差値が63(高校偏差値ランキング2009)の進学校。センバツを主催する毎日新聞社の朝比奈豊社長や柳沢伯夫・元厚労相、石川嘉延・静岡県知事、出版プロデューサーの高須基仁氏も卒業した県内有数の名門校だ。
 “昭和顔”の一件は、利府高校幹部が謝罪し、ひとまず幕となったが、今回の飲酒騒動には、どんな決着がつくのか。

*** 以上、記事より ***

準決勝2試合。ここまで無失点で抑えてきた投手が2人とも失点。
清峰・今村君は33イニング、花巻東の菊池君は23イニングで無失点記録が途絶えました。
そんな準決勝の模様から、それぞれ印象的だった記事を引っ張ってきました。
あと、決勝にかける意気込みとかも。
最後のはオマケ記事。

09センバツ・準々決勝

逆転の報徳、記録の平本 個人最多塁打8打席連続安打

◆第81回センバツ高校野球第9日 ▽準々決勝 中京大中京5―6報徳学園(30日、甲子園球場) 報徳学園(兵庫)は逆転勝ちで中京大中京(愛知)を下し、7年ぶりにベスト4進出。2回戦の今治西(愛媛)戦で2本塁打を含む6打数6安打、1試合個人最多の16塁打を達成した平本龍太郎(3年)は、大会記録と並ぶ8打席連続安打、新記録の個人通算最多の21塁打とした。
1点を追う9回2死満塁、西郷の打球が逆転の2点適時打となって左前で弾んだ。「自分の前で走者をためてくれたので、チームのためにかえそうと思った」2回の同点につながる失策を帳消しにした主将の喜びはひとしおだった。
 9回の攻撃前、「先輩たちが(逆転を)やっているんだから、お前らも必ずできる」と永田裕治監督(45)は檄を飛ばした。甲子園初出場だった1961年夏の初戦。倉敷工(岡山)に延長で6失点しながら、追いつき、最後はサヨナラ勝ちした。「逆転の報徳」の伝統を受け継ぐシーンを、平本は涙を流しながら見ていた。「みんながつないでくれて、ほんまにうれしかった」この男の活躍がなければ、7年ぶりの4強はなかった。
 2回1死二塁で先制の中前適時打に、4回1死一塁では中越えの適時二塁打と、2発含む6打数6安打した2回戦から8打席連続安打。5回の三振で新記録達成はならなかったが、53年ぶりの大会タイをマークした。「新聞にこんなに大きく載って、お前はプロの注目選手やな」チームメートから冷やかされても、自分を見失わなかった。
 8回の左前安打で通算21塁打となり、センバツ記録を塗り替えた。「塁打? 全然知らなかった。記録のために野球をやっているわけじゃない」3試合で計13打数10安打の打率7割6分9厘、2本塁打、6打点。近畿勢で6番目のイスに滑り込んだチームに生まれた記録男が、春3度目のVロードを突き進む。


報徳・平本、大会新21塁打/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準々決勝(報徳学園6−5中京大中京、30日、甲子園)準々決勝2試合を行い、報徳学園(兵庫)と清峰(長崎)がベスト4入りした。報徳学園は中京大中京(愛知)に6−5と逆転勝ちし、2002年以来7年ぶりの4強。3安打した平本龍太郎捕手(3年)は通算21塁打となり、個人大会最多記録を更新した。清峰は8−2で箕島(和歌山)に快勝し、3年ぶりのベスト4進出を果たした。
 勢いは止まらない。報徳学園・平本が新たな歴史を刻んだ。大会新となる通算塁打数21に大会タイとなる連続安打8。“魔法のバット”で好投手・堂林を攻略した。
 「記録はあとからついて来るもの。頭にはなかったです。それよりチームが勝ったことがホンマにうれしいです」
 二回の先制中前打に続き、第2打席の四回に中越え二塁打。大会タイ記録の6安打を放った2回戦からの連続安打を8に伸ばした。第3打席は空振り三振に終わったが、第4打席の左前打で、通算塁打数の大会新を樹立した。
 今大会は13打数10安打の打率.769。元々は4番候補も扇の要として“守り重視”の6番に配置されての大活躍。「勝手に体が反応してくれる」と“記録男”は絶好調宣言を発した。
 乗ってる男がいるチームは勢いが増していく。1点を追う九回二死満塁から4番で主将の西郷が、逆転の2点左前適時打。2万8000人の新甲子園スタンドが揺れる中、チームは「逆転の報徳」の真骨頂をみせ4強に進出した。
 「ホンマにすごい。泣いたらあかんと思ったけど、目頭が熱くなってきた。このチームは甲子園に来て強くなった」
 永田裕治監督も、“記録男”が引っ張るチームの底力を実感。頂点まであと2勝。頼れる平本がチームを頂点に押し上げる。


中京大中京、痛恨死球で崩れる/センバツ

 第81回選抜高校野球大会・準々決勝(報徳学園6−5中京大中京、30日、甲子園)12年ぶりの4強まで、あとアウト1つとしながら報徳学園の粘りの前に逆転負け。中京大中京・エース堂林は「2アウトにしてから、投げ急いでしまった。死球で自分の首を絞めてしまった」とまさかの結末に肩を落とした。1点リードで迎えた九回。二死二、三塁から、これまで無安打に抑えていた籾山に死球を与え、4番の西郷に回してしまったことが、敗因になった。


あと1球 夏へ宿題 中京、4強ならず

 目前にあった4強の切符が、するりと手からこぼれ落ちた。第81回選抜高校野球大会第9日の30日、中京大中京は報徳学園(兵庫)と対戦し、9回に逆転を許し5―6で敗れた。好調な中京大中京打線は、3試合連続の2ケタ安打でいったんは2点差をひっくり返す粘りを見せたが、エース堂林が最後に力尽き、準優勝した97年以来の4強進出はならなかった。
 伝統校同士の見応えのあるシーソーゲームは、緊迫した試合展開となった。
 2点を追う5回、主軸が集中力を見せた。それまで報徳学園のエース宮谷を散発2安打と攻めあぐねていたが、2死から河合が中越え三塁打を放つと、パンチ力のある4番堂林、5番磯村の連続適時打で同点に追いついた。
 自分のバットで取り返したエース堂林は、投球も復調。序盤こそ制球に苦しんだが、直球、スライダーともに低めに決まり出す。大藤敏行監督も「最初は球が浮いていたが落ち着き始めた」。
 ベンチのムードも明るかった。山中主将は「みんな振れていたし、いつも通りのプレーができた」。6回には森本が左中間にはじき返す二塁打を放ち、金山の適時打で逆転。流れを引き寄せた。
 だが、9回。甲子園には魔物がいた。2死満塁のピンチで打席には4番打者。直球か、スライダーか。迷ったバッテリーが選んだのは直球だった。堂林が試合後「コントロールミス」と振り返る1球は高めへ。2点適時打を放たれた。大藤監督は「最後はバッテリーの考えだから仕方がない」とかばった。
 長打は中京大中京が6に対して報徳学園は1。実力では決して負けていなかったことを物語る。山中主将は「夏に向けて、勝って負けて、色々な気持ちを味わえた」。


今村“勝てばいい!”大記録よりベスト4

【清峰8―2箕島】第81回センバツ高校野球大会第9日は29日、甲子園球場で準々決勝2試合が行われた。第2試合は清峰のエース今村猛(3年)が8回無失点で降板も10奪三振。大会史上初となる3戦連続完封&2ケタ奪三振は逃したが“西の怪腕”ぶりを遺憾なく発揮した。第1試合は報徳学園が1点を追う9回に逆転して優勝した02年以来となる4強入り。平本龍太郎捕手(3年)は4打数3安打で、大会タイ記録の8打席連続安打、新記録の通算21塁打をマークした。31日は準々決勝残り2試合が行われる。
 スタンドがざわついた。快挙がかかった9回。今村はマウンドではなく、右翼の守備位置へと走っていた。スコアボードにもう1つ「0」を刻めば、81回の歴史を誇るセンバツで史上初の3戦連続完封&2ケタ奪三振の快挙達成のはずだった。
 点差は8点。8回終了後、吉田監督の「中野(2年生)を経験させてやりたい。代わってくれるか?」の打診にエースはあっさり「いいですよ」と応えた。「記録?どっちでもよかった。勝てばいい。納得はしている」と試合後も気にするそぶりはなく、今村は3年ぶりの4強進出を喜んだ。
 2回戦まで2試合で与四球3のエースが制球に苦しんだ。直球も自己最速の148キロに及ばない143キロで「今大会で一番調子が悪かった」。初回に四球、2回は暴投で振り逃げも許した。7回は連続四死球で無死一、二塁のピンチも切り抜けた。序盤はカットボールを多投。中盤以降は直球を増やしながら腕を振った。マウンド上でフォームを微調整。終わってみれば8回4安打、三塁は踏ませなかった。
 登板26イニングで走者を出さなかったのは5度だけ。粘りの投球を貫いた。1年夏からベンチ入り。素質に任せてがむしゃらに投げていたが、昨秋からペース配分を意識。三振を狙いに行くのはここぞの場面だけ。マウンドでの余裕が好投につながっている。吉田監督は交代について「うちはチーム第一」としたうえで「人間的に素晴らしい」とエースを称賛した。
 大記録は逃したが、26回連続無失点は継続中。同じく今秋のドラフト上位候補で東の剛腕、花巻東・菊池より一足早く4強進出を決めた今村は「余力?結構あります」。頂点まであと2試合、1点もやるつもりはない。
 ◆今村 猛(いまむら・たける)1991年(平3)4月17日、長崎県北松浦郡(現・佐世保市)生まれの17歳。楠栖小3年から野球を始め、小佐々中2年時に全国大会出場。清峰1年夏からベンチ入り。1メートル83、86キロ。家族は両親と弟、妹2人。右投げ右打ち。
 ≪箕島 エース森本8失点…「力んでしまった」≫15安打を浴びて8失点のエース森本は清峰・今村を意識しすぎて球を上ずった。「点を与えられないと思って力んでしまった」と無念さをにじませた。30年ぶりの4強は逃したものの、18年ぶりのセンバツで堂々の8強入りして古豪復活は印象付けた。同校を率いて春夏4度の優勝を誇る尾藤元監督もスタンドから見守り「箕島野球は脈々と続いている。彼らが新しい歴史をつくっていると感じた」と感慨深げに振り返っていた。


8回10K!えっ清峰・今村交代!?史上初の快挙目前…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第9日 ▽準々決勝 清峰8―2箕島 (30日、甲子園) 清峰(長崎)は、今村猛(3年)が箕島(和歌山)戦で大会史上10人目の3試合連続2ケタ奪三振をマーク、3年ぶりに4強入りした。8回4安打無失点で降板と、大会史上初の「3試合連続2ケタ奪三振&完封」は逃した。
 2万6000人の観衆がざわめいた。8回まで4安打無失点に抑えていた清峰のエース・今村が、9回のマウンドにいなかった。「前日(29日)から、交代があるとは言われていました。ただ、ピンチになったらまた行くと言われていたので、(右翼では)準備はしていましたけど」大会史上10人目となる3戦連続2ケタの10三振を奪っていた右腕は、涼しい顔で振り返った。センバツ初の「3試合連続2ケタ奪三振&完封」は実現しなかったが、チームの勝利が何よりもうれしかった。
 内容は決して良くなかった。立ち上がりから制球に苦しみ、8回で5四死球。毎回のように走者を背負った。「腕が振れていませんでした。直球を中心の組み立てにして、フォームを良くしようと思っていたんですけど」無死からでもセットポジションで投球するなど試合中に修正を試み、散発4安打で三塁を踏ませなかった。
 苦しんで苦しんで、それでも、終わってみればスコアボードには「0」が並んだ。「0点で終われば負けることはないので。無失点は続けていきたいですね」これで1回戦から3試合、26イニング無失点。九州大会は5日間で4試合に完投したスタミナ右腕は、長崎に初の大旗を持ち帰るまで、相手に得点を与えるつもりはない。
 晴れの舞台に決意を持って乗り込んできた。「どうしてもプロに行きたい。大学や社会人では続けるつもりはないんです」実家はいりこの加工業を営む。仕事の関係で、両親が試合の応援に駆け付けることも多くはない。4きょうだいの「長男」という責任感から「プロに行けなければ、実家を継ごうと思っているんです」と、真剣なまなざしで話したこともある。
 23日に日本文理(新潟)との1回戦で、自己最速の148キロと甲子園での春通算600号アーチをかけるなど、投打にわたってスカウト陣の視線をくぎ付けにしてきた。だが、今はセンバツ優勝に向かって、目の前の敵を倒すだけだ。「(次戦の報徳学園は)勢いに乗っているチームだと思うので、しっかりと丁寧に、自分のピッチングがしたいです。余力? 結構ありますよ」123球を投げた17歳は平然と言い放った。


箕島、最終回に粘り 夏への新たな出発

 新しい伝説を僕らの手で――。第81回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)の大会9日目の30日、箕島は春夏連覇を果たした79年以来のベスト4進出をかけて清峰(長崎)と戦ったが、2―8で敗れた。とはいえ、強豪相手に9回に2点をかえすなど最後まで箕島らしい粘りの野球を見せた。「新たなスタートの自信になった」と選手たち。「夏」へ向かって歩み出した。
 ◎…スコアーボードに「0」が並ぶ。箕島の各打者は、清峰の本格派右腕、今村猛投手の140キロを超える速球と、切れ味鋭いスライダーを打ちあぐね、走者を出しても、本塁どころか三塁さえ踏ませてもらえない。
 9回。最後の攻撃のためベンチに戻ってきた選手に、松下博紀監督はこう言った。「スタンドを見渡せ。応援してくれる人たちがこんなにいる。箕島は粘りの野球が身上。1点をもぎ取ろう」
 先頭打者は井口慧亮。今大会では2試合で5安打と当たっている。清峰のマウンドは、この回から控えの中野浩平。井口慧が思い切り振り抜いた打球は遊撃手の深いところへ転がった。送球が間に合わず内野安打になった。
 代走は副主将の片田奨也。ベンチで松下監督から「ランナーが出たら行くぞ」と言われ、心の準備はできていた。甲子園では何度も味方のピンチの場面でマウンドに伝令に行き、監督の指示を伝えてきた。「今大会で清峰から点を取ったチームはいない。絶対にホームに返る」
 1死後、打席に入ったのは、2回戦で決勝打を放った今大会のラッキーボーイ、沼大輔。昨秋の近畿大会準々決勝の天理戦から3試合連続で相手の失策で出塁していた。「まだツキはあるはず」。信じて振ったボールは遊撃手の前ではずみ、失策を誘った。「やっぱりまだついていた」
 松下監督は、続く山本大介に代えて石井裕也を打席へ。今大会初打席だったが、冷静に四球を選んで満塁。代打攻勢は続く。エースの森本俊に代え、三塁コーチを務めてきた柿木紀寛を送った。監督の指示は「思い切って楽しんでこい」。その初球が暴投。三塁走者の片田が本塁に滑り込み、待望の1点をもぎとった。柿木は2―1と追い込まれ、4球目を空振りしたが、思い切りのよいスイングが捕逸を呼んだ。無我夢中で一塁へ。三塁走者の沼も返って2点目。
 なおも1死一、三塁。「つないでくれ」とベンチの選手たち。しかし、続く宮本侑季は2回戦で左太ももを痛めていた。29日の練習では全体練習には加わらず、この日もテーピングを巻いて試合に臨んだ。足を踏ん張ると痛みが走る。外角の直球を振り抜いたが、三ゴロに。「何とか内野安打に」と懸命に走って頭から滑り込んだが、併殺となった。箕島の「春」が終わった。


花巻東が菊池で逆転!救援0封&V打…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第10日 ▽準々決勝 花巻東5―3南陽工 (31日・甲子園) 大会最速の152キロを誇る左腕、花巻東(岩手)・菊池雄星(ゆうせい、3年)が無失点リリーフで南陽工(山口)に逆転勝ち。初出場で岩手県勢25年ぶりの4強入りを果たした。2点を追う6回から登板し、7回に自ら勝ち越し二塁打。4イニングを6奪三振で振り切った。21世紀枠の利府(宮城)は“ブログ事件”の重圧に耐え、同枠8年ぶりの4強。早実(東京)は46年ぶりの快挙を逃した。1日は花巻東と利府の東北勢2校が、甲子園史上初めて準決勝で対戦する。
 マウンド上でかがみ込んだ菊池は、ガッツポーズを繰り返した。「最後は見逃し三振しかないと思っていました」9回2死満塁、カウント2―2からの5球目。145キロの直球は、左打者の外角低めいっぱいに決まった。あふれる喜びを宝物の左拳に込めた。
 エースとは何か。それを証明した。猿川拓朗に先発を譲り、2点を追う6回から登板した。「もともと後半勝負という話をしていたので、焦りはありませんでした。でも、負けている時やピンチの時に流れを変えられるのが、本当のエースなので」マウンドに上がった瞬間から、勝利をたぐり寄せる自信があった。
 6回、7回を3人で片付け、言葉通り打線に流れを呼んだ。7回1死二塁、猿川がバックスクリーンへ同点弾。2死一塁では、菊池の左越え二塁打で勝ち越しに成功した。「打つ方は期待されていないので。思い切って打ったら飛んでくれました」自らのバットで得点を叩き出し、自信を確信に変えた。
 将来性豊かな大型左腕の夢は、メジャーリーガー。通算295勝の本格派左腕、ランディー・ジョンソン(ジャイアンツ)を尊敬する。「野球のことを何も考えない選手だったら、あの年齢までプレーできない。長く投げられるピッチャーになりたいんです」代名詞の快速球ではなく、45歳で現役を続けている姿を見習っている。
 あこがれの左腕に一歩でも近づくため、菊池も自己管理を徹底した。1回からブルペンで準備したが、緩やかなボールだけを投げ続けた。「いついくかわからなかったので、こまめに軽く投げて肩を温めていました」できるだけ肩の消耗を防ぎ、準決勝に備えた。
 岩手県勢では1984年の大船渡以来、25年ぶりの4強入り。それでも、菊池は「並ぶために甲子園に来たんじゃないんです。日本一になるために来ていますから」と満足はしない。悲願まであと2勝。2試合連続完投も辞さない152キロ左腕は、マウンドで燃え尽きる覚悟だ。
◆最近の甲子園スターのリリーフ
▼松坂大輔(横浜) 98年夏、準決勝の明徳義塾戦で2点を追う9回から登板。前日、PL学園戦で延長17回、250球完投した右腕は、右ひじのテーピングをはがしながらマウンドへ。無失点で流れをつくり、その裏の逆転サヨナラ勝利を呼んだ。
▼ダルビッシュ有(東北) 甲子園で12登板のうちリリーフは1試合。2年生の03年夏、光星学院戦との準々決勝で同点となった6回途中から登板、3回1/3を無失点で勝ち投手になった。
▼田中将大(駒大苫小牧) 05年夏、京都外大西戦で同点の5回途中から4回1/3を4安打2失点。7回に勝ち越しの2点をもらい、9回は3者連続三振で夏連覇。翌年夏は早実との決勝、再試合ともにリリーフ。斎藤佑樹(早大)と死闘を演じ、計20イニングの力投で準Vに終わった。


南陽工、8強に手応え 花巻東に惜敗

 念願のベスト4進出は果たせなかった。31日の第81回選抜高校野球大会準々決勝。南陽工は花巻東(岩手)をいったんリードしたものの、終盤に逆転を許して3―5で惜敗した。とはいえ強豪PL学園(大阪)を倒すなど堂々の8強進出。スタンドの大きな拍手に送られながら、選手たちは夏の再挑戦を誓った。
 序盤にいったん流れをつかんだが、終盤疲れの見えた先発岩本がつかまり、中川への継投も実らなかった。2試合を接戦で勝ち上がった粘りを9回に見せたが、4強の壁は厚かった。
 花巻東の先発は大会屈指と呼ばれる左腕菊池ではなく、右腕猿川だった。1点を追う3回、その猿川を攻め、敵失に犠打、四球で1死一、二塁。打席の竹重は「この回にかける」。甘い直球をフルスイングした打球は、中堅手の後へ転がる三塁打となった。続く中川の犠飛で3点目。「早い回に点を取る」という意識が奏功した。
 3試合目の先発となった岩本は制球に苦しみ、毎回走者を背負った。要所を締めて1失点に抑えていたが、7回裏に悲運が待っていた。1死二塁のあと、花巻東の4番に投げた高めの直球をバックスクリーンまで運ばれた。投手人生初の被本塁打。「パニックになった」。さらに2安打を浴び、逆転された。8回から継投した中川も懸命に抑えたが、暴投で1点を与えた。
 打線は、6回から救援した菊池の145キロを超す直球に沈黙。6〜8回はいずれも3人で攻撃を断たれた。9回は先頭の竹重が中前安打し、四死球などで2死満塁と好機をつかんだが、見逃し三振に終わった。
 南陽工・中川丈聖主将の話 9回のベンチでも最後まで負ける気はしなかった。甲子園で1試合ずつ、チームは成長していた。短期決戦に対応できるよう、夏に向けて基礎的な部分から見直し必ず帰ってくる。
 南陽工・山崎康浩監督の話 意外な先発投手で早い回で打ち崩せなかった。本塁打で同点にされた後、すぐに決勝点を決められたのが痛かった。甘い気持ちをすべて捨てて、投手力と守備力を磨き直し夏に戻ってきたい。


【選抜高校野球】魔の五回…早実散る

 第81回選抜高校野球大会第10日の31日、東京代表の早実は準々決勝の第2試合で、21世紀枠で初出場の利府(宮城)と対戦。早実は2回に2点を先制し、試合の主導権を握ったが、五回に一挙5点を献上。その裏に1点を返し、九回にも二死から3連打で1点差に詰め寄ったが、あと1本が出ず、4−5で惜敗した。昭和38年以来のベスト4進出はならなかった。
 「1、2点差の勝負になるだろう」。早実の和泉監督が予想した「古豪」対「新鋭」対決。指揮官の読み通りとなったが、1点差で古豪が涙をのんだ。
 五回、早実に“悪夢”が襲った。四回まで毎回走者を背負いながらも粘りの投球でしのいできた先発・小野田が突然、崩れた。先頭打者に死球を与えると、内野安打と犠打で一死二、三塁。続く1番打者にフォークを左中間に痛打され、同点にされた。
 さらに内野安打と四球で一死満塁とピンチを広げ、相手の主砲に内角の真っすぐを中前にはじき返され2点を勝ち越された。リリーフの鈴木も1失点。あっという間の出来事だった。
 打線は二回二死二、三塁の好機で、8番・磯網が積極的に初球のスライダーをたたき、中前へ2点適時打を放って先制。「これで行けると思った」と磯網。しかし、一気に突き放すことができなかった。
 2点を追う九回。二死走者なしから1〜3番の連打で1点差に。さらに続く一、三塁の場面で打席には4番・森。ベンチ内のムードは最高潮に達したが、遊ゴロで万事休した。
 早実は相手を2本上回る12本の安打を放ったうえ、五回途中から救援した鈴木も2安打に封じただけに、和泉監督は「あそこ(五回の5失点)をしのいでいれば…」と無念そうな表情をみせた。
 ●早実・和泉実監督「3年前もそうだったが、負けたことで選手たちは成長してくれる。ただ、敗戦というのは私の責任」


早実あと1点、佑超え46年ぶり4強ならず…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第10日 ▽準々決勝 早実4―5利府 (31日、甲子園) 早実がまた4強の壁を破れなかった。1点差まで追い上げた9回2死一、三塁。森厚太が遊ゴロに倒れた瞬間、46年ぶりのベスト4進出は夢と消えた。斎藤佑樹(現早大)を擁した06年のベスト8を上回ることはできず、エース・小野田俊介は「超えられなかったのは、やっぱり悔しい」と目を真っ赤にした。
 序盤に2点の援護をもらいながら5回、先頭打者に死球を与え、バスターを決められた。「どうしようと後ろ向きになった」浮足立って逆転を許した。4回1/3を8安打5失点でマウンドを譲り、「粘れてもあそこで抑えなきゃ意味がない」と悔やんだ。
 アルプス席には、早実史上初となる夏の全国制覇を成し遂げた06年当時のメンバーでともに早大に通う船橋悠や桧垣皓次朗らがいた。3月30日のチーム練習で打撃投手や球拾いなどを手伝ってくれた先輩たちに、恩返しをしたかった。
 先輩の幻影を追い、重圧と戦った大舞台。「斎藤さんたちは夏に優勝しているので、同じ形で夏に優勝したい。もっと気持ちをぶつけられるようにしたい。絶対的なエースになる」敗戦を糧に小野田は雪辱を誓った。


東北勢が史上初めて2校4強入り…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第10日 (31日・甲子園) ベスト4が出そろい、花巻東(岩手)と21世紀枠の利府(宮城)が勝ち残った。東北勢2校が4強入りしたのは選抜大会で初。夏の甲子園大会は1989年に仙台育英(宮城)と秋田経法大付(秋田=現明桜)が4強入りした。花巻東と利府はともに初出場で、初出場校2校が準決勝に進むのは、岐阜城北(岐阜)と清峰(長崎)が勝ち上がった2006年以来となる。
 21世紀枠校のベスト4は、制度が導入された01年の宜野座(沖縄)以来で2度目。

*** 以上、記事より ***

もう準決勝の結果も出ていますが。
準々決勝が終わり、初出場の東北勢2校が残りました。
九州大会優勝の清峰はともかく、他3校が準決勝まで進むとはなかなか想像できなかったのではないでしょうか。
それにしても、不祥事校が勝ち上がっちゃいました。インタビュー聞いても、監督サンは(後始末とか)大変だなぁ、と思いましたが……本人の、本当に反省しているのか? って態度に苛々していたら、「どうせ高校までだろ」と言われて、まぁそれもそうか、と。
今年は決勝で好投手の投げ合いが見られることになり、とても楽しみ。

09センバツ・不祥事

対戦校をブログで侮辱 21世紀枠の利府を厳重注意

 第81回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場している利府高(宮城)のベンチ入りメンバーの1人が、自身の携帯サイト上のブログに1回戦で対戦した掛川西高(静岡)を侮辱する書き込みをしていたことが30日、分かった。日本高野連は同日午前、利府高を口頭で厳重注意した。それ以上の処分はなく、同校は31日の準々決勝で早稲田実業高(東京)と対戦する。
 記者会見した利府高の菊地茂樹校長によると、選手は23日、掛川西高について「変な顔のやつばっか、笑 昭和くさい」などと書き込んだ。25日に選手本人が行き過ぎがあったと削除したが、27日の掛川西高との試合後に利府高に抗議のメールが数件寄せられたという。
 利府高は29日に日本高野連に事情を説明し、菊地校長が掛川西高に電話で謝罪。30日午前には教頭が掛川西高を訪れ、謝罪した。


利府選手、ブログで掛川西を侮辱「変な顔」

 第81回選抜高校野球大会に21世紀枠で初出場し、8強進出を果たした利府(宮城)のベンチ入りメンバーの1人が、自身の携帯サイト上のブログに1回戦で対戦した掛川西(静岡)を侮辱する書き込みをしていたことが30日、分かった。事態を重く見た日本高野連は同日、利府を口頭で厳重注意した。同校は31日の準々決勝で早実(東京)と対戦するが、現代のネット社会を象徴するような“事件”に高校球界関係者は一様に大きなショックを受けている。
 前日の習志野(千葉)戦のサヨナラ勝利の余韻は完全に吹っ飛んでしまった。甲子園で緊急会見に臨んだ利府の菊地茂樹校長は沈痛な面持ちで謝罪の言葉を繰り返した。
 「たくさんの方にご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。今回の件を重く受け止めまして、生徒には厳しく指導したいと思います」
 事の発端は23日だった。今大会でベンチ入りしている部員の1人が携帯電話でミクシィ内に開設している自身のブログに「掛川西って変な顔のやつばっか・笑。昭和くさい」などと書き込んだ。25日朝にその文面は行き過ぎがあったと判断して自ら削除。しかし27日に掛川西を10―4で下した試合後に、削除前のブログを見ていた人から利府に苦情メールが数件届き、今回の一件が表面化した。
 菊地校長は「野球部員全員がブログをやっていたようですが、その内容が一般の方に公開されいるとは知らなかったようです」と釈明。同校では携帯電話の使用について在校時間内は使用禁止としているが、所持についての規定はないという。ただ最近はブログによるいじめ問題などが多発していることから、利府でも昨年5月に塩釜警察署員を招きネット犯罪防止などについての講話を全校生徒に聞かせていた。
 関係者によると、ブログに問題発言を書き込んだ部員は「試合前でテンションが上がりすぎていた」などと話しているという。それが中傷にあたるとの意識は希薄だったようだが、日本高野連側は「相手チームを侮辱するような言動はフェアプレーの精神にももとる行為」と同校に口頭で厳重に注意した。
 利府は21世紀枠の選考基準である「他校の模範」という項目をクリアしての出場だけに後味の悪さは否めない。今大会の出場校発表前日となった1月22日には21世紀枠候補に東海地区から推薦されていた名張桔梗丘(三重)の3年生野球部員2人がカラオケボックスで喫煙したことで出場辞退を申し入れ、日本高野連に受理されている。“選出基準があいまい”と批判もある中での21世紀枠校の問題に、西岡審議委員長は「残念です。内輪話と思ってやったんでしょうが」と表情を曇らせた。
 厳重注意以上の処分はなく、利府は31日の準々決勝で早実と対戦する。しかしネット上では新たに「ダルビッシュのようなイケメンに言われるなら仕方ないが…」、「宮城の恥」、「悪ノリ王子」との書き込みも相次いでおり、騒動の余波が懸念される。
 ≪利府ナイン ピリピリムード≫利府ナインは豊中市内で約2時間汗を流した。午前中に甲子園球場で会見した菊地校長も駆けつける中、学校関係者は選手へのブログ問題に関する取材を規制するなどピリピリムード。小原監督は「生徒たちがああいう形でコミュニケーションを取っていたとは…。彼らには“もう1回、足元を見ろ”と言いました」。2試合で計254球を投げ、チームの快進撃を支えるエースの塚本はノースロー調整ながら「伝統校との対戦は楽しみ。制球に気をつけて臨みたい」と意気込んだ。


21世紀枠・利府レギュラー選手、対戦相手をブログで侮辱

 第81回センバツ高校野球大会に21世紀枠で出場している利府(宮城)のレギュラー選手が携帯サイト上の自身のブログで、1回戦で対戦した掛川西(静岡)について「変な顔のやつばっか」などと侮辱する書き込みを試合前にしていたことが30日、分かった。日本高野連は同校に口頭で厳重注意した。同校野球部は、部員全54人がブログを持つ“ブロガー集団”。31日に準々決勝で早実(東京)と対戦する。
 ボランティアなど福祉活動が評価されての21世紀枠選出、春夏通じて初の甲子園、全員野球の公立校…。フレッシュだった利府ナインのイメージからは想像できない事実が判明した。
 問題のブログがアップされたのは23日夜。掛川西との1回戦を27日に控えた利府のレギュラー選手が携帯で書き込んだ。
 「いろいろ疲れたー 掛川西って変な顔のやつばっか 笑 昭和くさい 負けたら昭和以下か…大正? 負けねーだろ」
 選手は、25日朝になって「内容に行き過ぎがあった」と判断して削除したが、すでに書き込みの反響は広がっており、27日に学校側に抗議のメールが数件寄せられたことで問題に発展。ブログは28日に閉鎖された。
 30日午前、高野連幹部らとともに甲子園球場内で記者会見した菊地茂樹校長は「一生徒が軽い気持ちで書き込んだひと言が相手校の皆様、社会の皆様にご迷惑をおかけし、申し訳なく思っております。事実を重く受け止め、野球部員全体に対して厳しく指導しました」と謝罪した。同校長によると、選手は「迷惑をかけることをやってしまった。自分が逆の立場なら許せないと思う」と深く反省しているという。
 高野連から口頭による厳重注意を受けた同校は、掛川西に対し校長が電話で謝罪したほか、教頭が同校を直接訪問して陳謝した。
 同校野球部員は54人全員がブログを開設しており、部内のコミュニケーションツールになっていた。校長は「(ブログに)公共性があるという認識が欠けていた」としている。
 利府ナインはこの日、ベスト4をかけた早実戦に向け、宿舎近くのグラウンドで約2時間、汗を流した。書き込みを行った選手も、いつもと変わらない様子だった。
 掛川西戦は10―4で完勝、2回戦の習志野(千葉)戦も2―1でサヨナラ勝ちして勢いに乗ってきただけに試合への影響が心配される。練習後、小原仁史監督は「まだまだガキンチョ。指導不足です。昨夜のミーティングで『もう一回、足元を見ろ』と言いました」と語った。部内でブログが流行していたことについては「知らなかった」という。
◆利府高 宮城・仙台市北部に位置する人口約3万人の利府町に所在する県立高校。1984年設立。野球部は仙台育英、東北の2強に阻まれ甲子園出場はなかったが、昨秋東北大会ベスト4に入り、地域の清掃活動に積極的に参加したり運動部員が小学校へ出前授業するなどのボランティア活動が評価、21世紀枠で初の出場。同町の仲里球場は今季からプロ野球・楽天の2軍本拠地に。


掛川西校長は全校生徒に“反論するな”

 利府のメンバーの1人に中傷された側の掛川西は事態の沈静化に努めた。名倉校長は午前9時に利府の金田教頭から、20分間の謝罪を受けた直後に全職員を招集。「被害者が加害者にならないよう気をつけるように」と生徒の動向に注意を促した。また同校長は全校生徒の前で今件についての事情説明を行い「掛川西校の生徒として反論したり、ネットに書き込んだりしないように。何事もなかったように真しな行動をしてほしい」と呼びかけた。一方、野球部の上村監督はブログの件は寝耳の水だったといい「われわれとしては高校生らしい野球をやって夏の甲子園を目指すだけです」と静かに話した。


報知新聞記者章コピー、選抜座席確保 元高校野球部監督

 第81回選抜高校野球大会の大会本部は30日、報知新聞社から原稿執筆依頼を受け、取材用の記者章を一時交付された元福岡第一高校監督の今任靖之氏が、記者章を偽造して不正使用していたと発表した。
 大会本部によると、今任氏は正規の記者章を返却する前にカラーコピー。29日の開門時、一般客より早く入場して座席を確保し、知人に譲っていた。大会本部は偽造の記者章を回収し、報知新聞社は同氏との契約を解除した。

*** 以上、記事より ***

準々決勝結果より、番外をまず先に。
エースがこれじゃね、と思いつつ、今日の試合を見守ろうじゃないか。
そして元監督……おーい。orz

09ワールド

フィギュア:浅田と金が一騎打ち…25日から世界選手権

【ロサンゼルス来住哲司】10年バンクーバー五輪の国・地域別出場枠をかけたフィギュアスケートの世界選手権が24日(日本時間25日)から5日間、当地のステープルズ・センターで開かれる。日本勢3連覇がかかる女子は浅田真央(愛知・中京大中京高)が日本人初の2連覇を狙う。男子は全日本選手権王者の織田信成(関大)、今季グランプリ(GP)ファイナル2位の小塚崇彦(トヨタ自動車)がメダルを目指す。男女とも3枠獲得が目標だ。

◇女子
 2月の4大陸選手権優勝の金妍児(キム・ヨナ)と今季GPファイナル女王の浅田真の一騎打ち。金は前々回、前回とも故障を抱えて3位にとどまったが、今季は4大陸のショートプログラム(SP)で自身の世界最高得点を更新し、上り調子だ。初優勝の重圧を克服できるか。
 浅田真はフリーでトリプルアクセル(3回転半)を二つ入れるなどプログラムの基礎点は金を上回り、互いにベストの演技なら有利だ。SPを無難にこなし、今季成功のない3−3回転連続ジャンプを決めたい。4大陸での不調から立ち直っているかが鍵だ。
 2人を追うのは前回2位のカロリナ・コストナー(イタリア)、4大陸2位のジョアニー・ロシェット(カナダ)、前々回優勝の安藤美姫(トヨタ自動車)。安藤は4回転サルコウを跳ぶか注目される。欧州女王のラウラ・レピスト(フィンランド)、3年ぶり4度目の表彰台を目指す村主章枝(AK)らも上位をうかがう。

◇男子
 混戦模様だが、前回銀で2年ぶりの優勝を狙うブライアン・ジュベール(フランス)、4大陸選手権覇者のパトリック・チャン(カナダ)が軸となりそう。
 ジュベールは2種類の4回転ジャンプが武器。腰の故障を抱えながらも1月の欧州選手権を制し、復調傾向にある。チャンは確実性の高い優雅な演技で4大陸では今季世界最高の249.19点を出し、急成長している。
 織田と小塚の日本勢も展開次第では優勝争いに絡む力を持つ。織田は4回転トーループ、小塚は後半のトリプルアクセルを確実に決めたい。初出場の無良(むら)崇人(岡山・倉敷翠松高)はどこまで上位に迫れるか。

◇世界フィギュア選手権日程◇(現地時間)
24日 アイスダンス規定、ペアSP
25日 男子SP、ペアフリー
26日 アイスダンスOD、男子フリー
27日 女子SP、アイスダンスフリー
28日 女子フリー
※29日にエキシビション。SPはショートプログラム、ODはオリジナルダンス


世界フィギュア:男子、戦後初の五輪枠3…小塚の6位最高

【ロサンゼルス来住哲司】10年バンクーバー五輪の国・地域別出場枠をかけたフィギュアスケートの世界選手権は第3日の26日、当地のステープルズセンターで男子のフリーを行った。日本勢はショートプログラム(SP)5位の小塚崇彦(トヨタ自動車)が計222.18点で6位、SP7位の織田信成(関大)が計218.16点で7位、SP13位の無良(むら)崇人(岡山・倉敷翠松高)が計194.97点で15位。この結果、4人が出場した1936年ガルミッシュパルテンキルヘン五輪以来、戦後初めて五輪出場枠「3」を獲得した。SP2位のエバン・ライサチェク(米国)が計242.23点で初優勝し、2位はSP3位のパトリック・チャン(カナダ)、3位にSP首位のブライアン・ジュベール(フランス)。アイスダンスのオリジナルダンス(OD)は規定18位のキャシー・リード、クリス・リード組(川越ク)が17位へ。規定首位のオクサナ・ドムニナ、マキシム・シャバリン組(ロシア)がトップを維持した。
 ◇冷や汗の「3枠確保」も日本男子の層の厚さ示す
 冷や汗の「3枠確保」だった。小塚が6位で織田が7位。3枠獲得条件である「上位2人の順位合計13」をぎりぎりでクリアし、日本男子勢として戦後初の快挙を成し遂げた。
 小塚は「3枠を取るために」今季成功のない4回転トーループを回避する安全策を取った。序盤、トリプルアクセル(3回転半)の着氷で乱れ、3回転トーループをつけられなかったが、疲労の色が濃い終盤に3回転半−2回転トーループを跳び、根性を見せた。
 織田は4−3回転連続ジャンプを初めて決め、演技直後は「4回転を世界選手権で決められてうれしい」と涙を流した。だが、手痛いミスも犯した。序盤の3回転半−3回転トーループは一つ目の着氷が乱れて単発になり、とっさに続く3回転サルコウに3回転トーループをつけた。中盤に3回転半を単発で跳んだが、一度の演技で全く同じ3回転ジャンプを二つは跳べないため、これが連続ジャンプ扱いに。次の3−2−2回転連続ジャンプは、規定違反の「4度目の連続ジャンプ」として得点にならず、10点前後をふいにした。
 織田は過去2度の世界選手権でもジャンプの規定違反を犯しており、同じ失敗の繰り返しはいただけない。とはいえ、今大会は前回8位の小塚が着実な成長を見せ、織田が4回転ジャンプ初成功と収穫も多かった。「今大会で気持ちの面で強くなれた。来季につながる」と小塚。エース高橋大輔を故障で欠く中での3枠獲得で、日本男子の層の厚さを世界に示した。【来住哲司】
 ○…初出場の無良はSPから順位を二つ下げて15位。世界選手権にシングルとペアで各2度出場の父隆志コーチのシングル最高成績(82年12位)に届かなかった。冒頭にトリプルアクセル(3回転半)−3回転トーループを決めた一方、3回転サルコウで転倒。表現力などを問うプログラム構成点も低かった。来季に向け「成果も得られたし、課題も見つかった。来季は4回転ジャンプにチャレンジし、スケーティングやスピンも磨きをかけたい」と誓った。
 ○…SP2位のライサチェクがSPに続いてフリーも自己ベストを更新し、逆転で初優勝を果たした。シカゴ生まれだが、本拠地はロサンゼルスだけに「ここはホーム。世界選手権で金メダルを取ることを何百回もイメージしてきた」と満面の笑みだ。4回転ジャンプをあえて封印して安全策を取ったことが奏功。06年トリノ五輪で4位、05、06年世界選手権で銅メダルを獲得した23歳は「五輪や世界選手権の経験が生きた」という。来年の五輪に向けて「今より強くてうまい選手になる」と、さらなる精進を誓った。


フィギュアスケート:織田信成がく然…跳びすぎ違反7位

 フィギュアスケート世界選手権第3日は26日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われ男子フリーは小塚崇彦(20=トヨタ自動車)が6位で織田信成(22=関大)は7位。2人の合計順位は13となり、来年のバンクーバー五輪の国別出場枠3を確保した。
 冒頭の4−3回転ジャンプを初めて決めた織田はSP7位からの上位進出を確信し、キス&クライで歓喜の涙を流した。だが、想像以上に低い得点での7位に、がく然とした。3度と決められている連続ジャンプの跳びすぎ違反で、中盤の3−2−2回転は0点。「4回転を跳べたのは自信になる」と笑った一方で、05年全日本選手権、07年東京世界選手権に続く3度目の失態に「違反は自分のミス」と猛省した。
 小塚は4回転ジャンプをダブルアクセルに難度を下げたが細かなミスが目立ち、SP5位から6位に順位を下げた。2人の合計順位はバンクーバー五輪国別出場枠を3枠獲得できるギリギリの「13」。07年世界選手権銀メダリストの高橋大輔が故障離脱する中、最低限の目標を果たしたのが唯一の救いで、小塚も「目標を達成できてうれしい」と胸をなで下ろした。


世界フィギュア:安藤が銅メダル、浅田4位 金妍児が初V

【ロサンゼルス来住哲司】10年バンクーバー五輪の国・地域別出場枠をかけたフィギュアスケートの世界選手権は最終日の28日、当地のステープルズセンターで女子のフリーが行われた。ショートプログラム(SP)4位の安藤美姫(トヨタ自動車)が計190.38点で3位に浮上し、銅メダルを獲得した。
 安藤は前々回の金メダルに続く2個目のメダルで、日本女子勢は4年連続のメダル獲得。SP3位の浅田真央(愛知・中京大中京高)は計188.09点で4位に落ち、連覇を逃すとともに05年のシニア転向後21戦目で初めて表彰台を逃した。SP9位の村主章枝(AK)は計164.58点で8位だった。
 過去2年連続3位でSP首位の金妍児(キム・ヨナ、韓国)がフリーも1位となり、韓国勢として初の金メダル。計207.71点は浅田真が06年NHK杯で出した計199.52点を抜き、世界最高得点。SP2位のジョアニー・ロシェット(カナダ)が計191.29点で2位に入り、この種目でカナダ勢21年ぶりのメダル。
 日本女子は06年トリノ五輪に続いて五輪出場枠を3枠確保した。3枠を獲得したのは日本だけだった。
 ▽吉岡伸彦・日本スケート連盟フィギュア強化部長 安藤は3−3回転を跳びたかったが、コーチが安全策を求めた。3位で満足するわけではないが、演技は良かった。浅田は金妍児に技術が劣るわけではなく、プログラムの完成度の差と思う。
 ○…ベテランの28歳・村主はSPから一つ順位を上げたが、3回転サルコウが1回転半になるなどジャンプで大きなミスが二つあり、本来の出来ではなかった。
 「いろいろ反省して来季につなげたい」といい、来季は「3−3(回転連続ジャンプ)に取り組みたい」と宣言。「3−3を跳べるノウハウが分かっているのとそうでないのとは違う。次の世代に継承することが私の役割と思う」と、現役引退後は指導者になる意向を表明した。
 ○…金妍児が合計得点で女子初の200点超えを果たして初優勝。冒頭に3−3回転連続ジャンプを決め、その後もスピード感豊かな滑りを披露し、プログラム構成点は全5項目で8点台だった。
 3回転サルコウが1回転半になったほか、定められた種類のスピンをすべてやらなかったため、規定違反で最後の連続スピンが加算されないミスもあったが、大勢に影響は全くなかった。
 「200点を超えたいと思っていたけど、ついに超えて興奮している。演技後はいつも涙っぽくなるけど、今日は抑えられなかった」と感激の面持ち。別格の強さで、バンクーバー五輪の金メダル最有力候補であることをアピールした。


浅田真央:まさかの4位も「今はホッと」重圧からの解放感

◇フィギュアスケート・世界選手権最終日(28日・ロサンゼルス)
 日本人初の連覇への挑戦は、まさかの4位に終わった。浅田真央が表彰台を逃すのは、シニア転向した05年11月の中国杯以降、21戦目(ジュニア大会を除く)で初めてだ。
 冒頭のトリプルアクセル(3回転半)−2回転トーループは決めたが、続くトリプルアクセルは回転不足で転倒し、中盤の3−2回転連続ジャンプは二つ目が回転不足。演技後は「今はホッとしているのと、うれしい気持ち。トリプルアクセルに失敗してしまったが、その後に引きずることなくできた」と話した。連覇を期待された重圧からの解放感がうかがえた。
 3位だった2月の4大陸選手権から続く不調。ジャンプ失敗よりも、滑りにスピード感や伸びやかさが乏しいことが懸念される。表現力などを問うプログラム構成点は金妍児に5.52点差もつけられた。伊東秀仁・フィギュア部長は不調の要因を「プログラムが難しい」と推測する。
 「先生(タチアナ・タラソワ・コーチ)と相談して来季につなげていきたい」と浅田真。バンクーバーで笑うために、今は悩んでもいい。


真央、表彰台逃した シニア22戦目で初…フィギュア世界選手権

◆フィギュアスケート 世界選手権最終日(28日、ロサンゼルス・ステープルズ・センター) 【ロサンゼルス(米国)28日】真央がまさかの無冠に終わった。女子フリーを行い、日本人初の2連覇を狙った浅田真央(18)=中京大中京高=は2つ目のトリプルアクセルで転倒するミスがあり、ショートプログラム(SP)との合計188・09点で4位。05年のシニア転向後、22戦目で初めてメダルを逃した。女子で初めて200点を超える世界歴代最高の207・71点で初優勝した金妍兒(キム・ヨナ、18)=韓国=に、真央は続投が決まったタチアナ・タラソワ・コーチ(62)とバンクーバー五輪での雪辱を誓った。
 誰も予想しなかった結末に、真央はガックリと下を向いた。連覇どころか、SPで順位が下だった安藤にも抜かれて4位に陥落。表彰台を逃したのはシニア転向後初で、ジュニア時代も含めると8位だった03年の全日本選手権以来34大会ぶり。「トリプルアクセルの失敗は残念だった。(演技が終わって)ホッとしています」気丈に振る舞う姿が痛々しかった。
 SPを終えて金とは10・06点差。奇跡の逆転Vを目指し、今まで使ってきた黒の衣装をワインレッドに新調して気合を入れ直した。運命を左右するトリプルアクセル。1つ目は連続ジャンプで跳んで見事に成功。だが2つ目は2回転半になった上に、着氷と同時に尻もちを付く大失敗。基礎点8・2点の大技で、たった1点しか稼げなかった。
 最終的にはライバルに19・62点もの差を広げられ、試合後の会見で海外メディアから「連覇を逃したのはライバルの方が優れていたからか?」という質問に絶句。関係者が慌てて代弁する一幕もあり、ショックの大きさを物語った。さらに、ほかの日本勢より2日遅れ、開幕前日に現地に入ったのも失敗だった。演技後にタラソワ・コーチから「あと2日早く現地入りするべきだったね」と声を掛けられたという。
 今季は挑戦の年だった。06年トリノ五輪金メダルの荒川静香らを指導したロシア人のタラソワ氏に師事。1日2、3時間のロシア式練習に最初は戸惑ったが、今では30分間でも集中して練習できるようになった。2度のトリプルアクセルを含む運動量の激しいプログラムを滑るため、専属トレーナーをつけて肉体改造。この1年で1000種類ものトレーニングをこなした。
 現時点では金に一歩リードを許したが、来季もタラソワ氏とタッグを組むことが決定した。5月にはロシアへ渡り、五輪用プログラム作りに着手する。「失敗したけど成功もあったので、もっと前進できると思う。新しいプログラムになるので、違った自分を見せたい」。五輪まであと11か月。5歳からの競技人生で初めて味わう悔しさは、夢舞台で必ず晴らす。


安藤のコーチが日本連盟を批判/フィギュア

 フィギュアスケート・世界選手権最終日(28日=日本時間29日、米国・ロサンゼルス)安藤のコーチを務めるニコライ・モロゾフ氏(ベラルーシ)が、日本連盟を痛烈批判した。安藤復活の要因を聞かれ「今回は誰の邪魔も受けなかったこと」と口火を切るとヒートアップ。「連盟の一部の人が選手に口出ししすぎる。大抵それは的はずれで、自分の力を誇示したいだけ」とぶちまけた。「きょうの真央にも同じことが起きた。この状況が続けば来年、日本はメダルなしだ!」とバッサリ。村主や男子の織田ら教え子が多いだけに波紋を広げそうだ。

*** 以上、記事より ***

色々と驚きの大会でした。
モロゾフの発言にも一理あるかな、と思ったり。とりあえずスケ連はししゃり出すぎ。

09センバツ・1-2回戦

福知山成美、延長十五回制す

 福知山成美が延長十五回の末に投手戦を制した。二回までに2点を先行したが、その後は加点できず。十五回2死二、三塁から、田嶋の左中間二塁打などで3点を挙げて勝ち越した。国士舘は三回に原島の2点適時打で追いついたが、好投の菅谷を援護できなかった。

 ◇福知山成美・田所孝二監督
 クロスプレーが多い好ゲームに満足。長岡は延長に入って頑張り過ぎた。試合間隔が空くので、次も投げられると思う。
 ◇国士舘・箕野豪監督
 菅谷はよく投げた。序盤に追いついて、いけるかなと思ったけど、あと一本が出なかった。これからにつながる戦いができたと思う。
 ◇急きょ登板も慌てずに奮闘
 福知山成美の香山は好投する長岡をブルペンから見ていて、自分の出番はないと思っていた。しかも、秋の公式戦は一試合も登板していない。延長十四回にマウンドに立った時は「緊張しまくりで、キャッチャーのミットしか見えなかった」という。それでも、落ち着いてゴロを打たせて3者凡退とし、十五回の勝ち越しへとつなげた。「長岡をもう一回投げさせたいと思って必死でした」
 ◇驚きの好返球「成長を実感」
 国士舘の1番・高橋は、三回無死一塁でバント安打を決めるなど、俊足を生かした内野安打3本を含む4安打で打線を引っ張った。右翼の守りでは、十一回2死二塁から右前打で本塁を狙った走者をストライクの返球で刺した。「肩は全然強くなくて、ああいうプレーは苦手。ノーバウンドで返すなんて練習でもないから、あそこまで投げられたことが驚き。甲子園は成長させてくれる舞台だと実感した」と話した。

■この一瞬
 ◇気迫の差、延長十五回の死闘制す−−エースに不運、奮起の決勝打
 絶対的エースのアクシデントが、福知山成美打線の闘志をかきたてた。再試合目前の延長十五回。延長に入ってから何度も好機をつぶしたが、2死二、三塁から田嶋が左中間二塁打を放って、2者を還した。「カウントも覚えていない。とにかく決めたかった」。田嶋は涙目で話した。
 福知山成美の背番号1・長岡と、国士舘の背番号10・菅谷の投げ合いは、四回から互いにゼロを並べ続けた。
 ところが、長岡が先にマウンドを降りる。十四回表の打席で空振りした際、両太ももがけいれん。181球の力投は脱水症状を招き、その裏、マウンドに立つことはできなかった。延長に入って最速145キロを記録し、尻上がりに調子を上げてきたさなかの降板。長岡はその後の試合経過も知らぬまま、医務室から病院へ運ばれた。
 一方、国士舘の菅谷も、限界を自覚していた。「延長に入ってから、球がミットの手前で落ちていった」。エース荷川取の肩の不調で回ってきた先発。長岡とは対照的に緩急で力投したが、十五回を迎え、投球数は既に200球を超えていた。そして、つかまった。
 十五回の先頭打者として出塁した細野が言う。「長岡のためにも、(日程的に間が短い)再試合は避けたかった」。負けられない気持ちがぶつかり合った延長戦。紙一重の差で福知山成美が勝利を収めた。


慶応・白村、無念4失点で初戦敗退/センバツ

 第81回選抜高校野球大会1回戦(開星4−1慶応、24日、甲子園)1回戦3試合を行い、優勝候補だった昨秋の明治神宮大会覇者の慶応(神奈川)が開星(島根)に1−4で逆転負けを喫した。18年ぶり出場の箕島(和歌山)は、7−3で21世紀枠で60年ぶり出場の大分上野丘(大分)を退けた。春夏合わせて7度の優勝を誇るPL学園(大阪)が1−0で西条(愛媛)を振り切った。大阪勢は春通算170勝目。
 プロ12球団が注目する最速146キロの右腕、白村が泣きそうな声でつぶやいた。
 「1点入って勝てると思ってしまった。精神面の甘さが出た。“初戦ののろい”とかは関係ない。自分のせいです」
 五回までは緩急をつけた投球で内野安打2本に抑えたが、六回に先取点が入った直後、2連続四球などで2失点。「抑えてやろうと力んだ」。八回は失策も絡んで致命的な2点を奪われた。
 21日に、父で美濃加茂高野球部監督の信幸さん(43)から手紙をもらった。厳しい父が「ここまできた、お前の姿に感動した」と初めて褒めてくれた。期待に応えたかったが…。
 昨秋の明治神宮大会覇者が、昨年に続いて初戦敗退。上田監督は「初戦は難しい」。早実(東京)との決勝での夢の早慶戦も幻に。このままでは終われない。エースが誓った。「芯の強い投手になりたい」。この悔しさは夏に必ず返す。


史上最多三振19も興南・島袋散る…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第5日 ▽1回戦 興南0―2富山商(26日・甲子園) 興南(沖縄)の2年生エース左腕・島袋洋奨が19三振を奪いながら、延長10回に力尽きて富山商(富山)に敗れた。19奪三振以上の投手が負けたのは、春夏通じて甲子園史上初だった。
 小さなトルネード左腕・島袋が151球目で散った。0―0の10回2死二、三塁。2三振の9番打者に甘く入った直球を中前に運ばれ、がっくりと肩を落とした。「外を狙うはずが内に入ってしまった。失投です」10回19奪三振で敗戦。負けた投手では甲子園史上最多の三振を奪ったサウスポーは、何度も悔しがった。
 右足を上げると、くるりと見える背中。171センチ、62キロと決して大きくはない体だが、独特のフォームから内外にスライダー、カーブ、ツーシームを駆使。時に内を突く140キロの速球で手玉に取った。初回先頭から5者連続、5回先頭から6者連続でスコアに「K」のマークを刻んだ。「数えていない。取ったんだなあ、という感じ」全員から、しかも毎回の奪三振ショーも、負けては喜べるはずはなかった。
 3歳のときに野球好きの父・直司(なおし)さん(48)から左投げに仕立てられた。物心ついたときから「普段は右で野球だけ左」。トルネードは上体の突っ込みを防ぐため、小学4年のときの指導者の助言で試し、その後は「スムーズな体重移動を考えたらこうなった」という独学の産物だ。体の使い方の研究が高じて、今ではスポーツトレーナーが将来の夢になった。
 高校入学から増えた体重はたった3キロ。同じ左腕で167センチ、69キロと小さいヤクルト・石川雅規があこがれだ。延長戦での大会記録にあと「4」と迫る力投に、「もう少し大きくなれば」と言っていた我喜屋優監督(58)も、試合後は「何も言うことはないです」と脱帽した。
 同学年のスラッガー、PL学園・勧野甲輝との対決を目標に乗り込んだ甲子園。「1球の怖さを知りました」2年生にはあと3回、聖地で雪辱するチャンスが残されている。
 ◆島袋 洋奨(しまぶくろ・ようすけ)1992年10月24日、沖縄・宜野湾市生まれ。16歳。志真志小2年から野球を始め、嘉数中では軟式野球部に所属。興南では1年夏からベンチ入り。同年秋から背番号1。171センチ、62キロ。左投左打。家族は祖父母、両親、兄と姉。


彦根東・今井、涙あふれる…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第5日 ▽1回戦 習志野5x−4彦根東(26日・甲子園) 21世紀枠で出場の彦根東(滋賀)のエース金子が足がつって降板し、6回途中から2年生の今井がマウンドに上がった。この回のピンチを切り抜けると、7回には安打を放ち、二塁から内野安打で生還する好走塁を見せた。だがその裏、勝ち越し点を奪われ、8回に代打を送られた。
 父の今井監督と共にあこがれの舞台に立ったが「絶対に抑えなきゃいけなかったのに、期待に応えられなかった」と涙があふれた。


凄いヤツ!清峰・今村連続完封&2ケタK

【清峰1―0福知山成美】プロ注目の右腕がまたしても快投を演じた。2試合連続完封&2ケタ奪三振。センバツ史上9人目の快挙にも清峰のエース・今村は「このまま0点を続けていきたい」と涼しい顔で言った。
 味方の援護は5回にスクイズ(記録は安打)で挙げた1点。だが、ピンチになるとギアが1段上がる。4回1死一、三塁のピンチでは渡部をスライダーで3球三振。続く長岡は145キロの速球で空振り三振に仕留めた。
 初戦で148キロをマークしたが、この試合はもうひとつの武器であるスライダーが光った。7回無死一塁の場面では送りバントを試みながらスライダーに三振した福知山成美の宮崎が「バントで空振り三振なんて初めて。あんなに大きく曲がるとは」と目を丸くした。昨秋の明治神宮大会に出場した時、大学の部の早大・斎藤を見て「投球に強弱をつけるすべを学んだ」という右腕は三塁に走者を4度背負っても常に冷静だった。
 初戦の12奪三振には1つ及ばなかったが、要所で三振を取れるのはさすが。「まだまだ強いチームはいっぱい。1つずつ勝って優勝したい」。大会No・1右腕には頂点しか見えていない。
 ≪長岡も一歩も譲らぬ無四球1失点完投≫福知山成美はわずか4安打に抑えても、勝利が遠かった。エース・長岡は「調子はよかったのに…」と悔しさをにじませた。5回、この試合唯一の長打となる二塁打を打たれ、1死三塁からスクイズで1点を失った。13回を投げた1回戦は両脚をつって降板したが、その影響は全く感じさせず、無四球89球の好投。清峰の今村に一歩も譲らない内容にも「今までの人生の中でもいい内容だが、結果として負けてしまった」と言葉をのみ込んだ。


9回ノーヒッターなのに! PL・中野が負けた…センバツ

◆第81回センバツ高校野球第7日 ▽2回戦 PL学園1―2南陽工=延長10回=(28日・甲子園球場) センバツ史上初の“悲劇”が起きた。PL学園(大阪)のエース左腕・中野隆之(3年)が南陽工(山口)を9回までノーヒットノーランに抑えながら、0―0で迎えた延長10回に初安打を許し、そこから2失点。快挙が一転、負け投手となった。南陽工は名門を倒し31年ぶりの8強。また、清峰(長崎)はドラフト注目の右腕・今村猛(3年)が2戦連続完封勝利。古豪・箕島(和歌山)は延長戦を制し、27年ぶりの8強に進出した。
 3万9000人の大観衆から、ため息が漏れた。延長10回1死、カウント0―1からの2球目の直球を左前に運ばれた。打者29人目に許した初安打で、中野は動揺した。「気持ちを切り替えられなかった」次の打者を中飛に打ち取った後、悲劇が始まった。
 国弘大介の右前安打で2死一、二塁となり、高木一人に得意のスライダーをとらえられた。打球は二遊間を抜け、0―0の均衡がついに破られた。「左打者(高木)が、ホームベース寄りに立ってきた。当てるのが怖くて、内角に投げられなかった」とエースは涙を流しながら悔やんだ。続く水井豊にもタイムリーを浴び、3連打で2点を失った。天国から地獄に突き落とされた瞬間だった。
 9回までは完ぺきだった。「8回ぐらいでスコアボードを見ると、ゼロ安打だった。ノーヒットノーランは意識していなかった。勝てたらいいと思っていた」130キロ台前半の直球とスライダーを織り交ぜ、南陽工の打者にまともなスイングさえさせなかった。
 6回1死で河村隆太に死球を与えたが、河村が二盗に失敗。9回を27人で料理する“準完全”の投球だった。それでも、打線は6回まで4度も走者を三塁に進めながら、中野を援護できなかった。117球を投げ、4安打2失点。センバツ史上初めて、9回を無安打無失点に抑えながら敗戦投手となった。
 春夏7度の優勝を誇る名門が伏兵に足をすくわれたが、中野の“偉業”が色あせることなどない。「内容は良かったけど、負けたら意味がない。打たれないスライダーを極めて、夏は頂点を目指して頑張りたい」エースはもっと大きくなって、聖地に帰ってくる。


花巻東・菊池、野手に感謝の連続完封/センバツ

 第81回選抜高校野球大会2回戦(明豊0−4花巻東、29日、甲子園)許した安打は9。九回一死まで無安打だった1回戦の投球とはうってかわっていたが、ホームに走者をかえすことはなかった。花巻東の菊池は2試合連続完封に「野手がいいところに守ってくれた」と照れ笑い交じりで感謝した。
 一回、いきなり2安打を浴び一死一、二塁とされた。次打者を遊飛に打ち取ると、5番阿部の打球は一塁線へ。あらかじめライン際で守っていた一塁手の横倉が難なくさばき、先制点を奪われるのを防いだ。
 佐々木監督は「あっち(右)に打球が飛ぶバットの出方をしていて、一塁線の守備を固めた」と説明。三、九回をのぞいて毎回走者を許したが、控え選手が夜遅くまでかかって作成したデータをもとに徹底的なシフトを敷いて、守りきった。
 「明豊打線なら、10本くらい打たれて当たり前」と菊池自身も1回戦の快投におごることはなかった。初戦に主体だったスライダーに「(ヤマを)張られている」と、直球中心に切り替えた。ピンチではより威力のある真っすぐを投げ込み、12三振を奪った。
 少ない好機に点をもぎとり、菊池を中心に守る。花巻東らしさが詰まった勝利でベスト8入り。四半世紀ぶりの岩手県勢の8強に「県外選手はいないので、岩手にいいニュースを届けられて良かった」と菊池は顔をほころばせる。「あと3試合。楽しめば、結果はついてくる」。エースはすでに決勝までも視野に入れていた。

*** 以上、記事より ***

1、2回戦が終わり、8強が決まりました。
ここまでに5試合の延長戦、5試合のサヨナラ試合がありました。
そして24試合中、11試合が1点差。7試合が完封試合。各校エースの好投が目立ちます。
24試合中、厳選して7試合の記事を拾ってみました。
関東の人間としては、1回戦で5校が消え、2回戦で残る2校のうちの1校が消えてしまい、愕然としたというのが正直なところです。

09センバツ・開幕前

強豪対決続々 1回戦から好カード 見どころ探る

 組み合わせが13日の抽選会で決まった。天理(奈良)―早稲田実(東京)、西条(愛媛)―PL学園(大阪)、清峰(長崎)―日本文理(新潟)など1回戦から好カードが目立つ。選抜初の同時出場となる慶応(神奈川)と早稲田実との「早慶戦」は決勝まで実現しない組み合わせになった。大会は21日から12日間、阪神甲子園球場で開かれる。組み合わせを4ゾーンに分け、みどころを探った。(藤島真人)

Aゾーン 中京大中京 4割打線
 実力校がひしめく。中京大中京は出場校中最高のチーム打率4割3厘を誇り、投打の柱・堂林を擁する。接戦に強い神村学園戦は注目だ。3年連続出場の今治西は、光星学院の好右腕・下沖を崩せるか。中国覇者で34年ぶり出場の倉敷工と甲子園初勝利をめざす金光大阪は、開幕試合で実力を発揮できるか。高崎商はチーム打率2割6分4厘と最も低い。試合巧者の報徳学園に食らいつき、1点を争う展開に持ち込みたい。

Bゾーン 最激戦 地区王者4校
 明治神宮大会覇者の慶応をはじめ、昨秋の10地区王者のうち4校が入った最激戦区。清峰の今村は最速146キロの本格派右腕。日本文理には昨秋の公式戦4本塁打の高橋義らがいるが、つなぐ打撃が欠かせない。福知山成美・長岡の防御率は0.27と抜群。国士舘は自慢の機動力で対抗したい。春は初陣となる開星は、好右腕・白村らがいる優勝候補・慶応と。21世紀枠で出場する大分上野丘と古豪・箕島の対戦も興味深い。

Cゾーン 149キロ左腕 菊池に注目
 最速149キロを誇る大会屈指の左腕、花巻東の菊池に注目が集まる。対する鵡川は柳田、森ら強打者を擁し、目が離せない展開になりそうだ。西条とPL学園は1回戦屈指の好カード。西条・秋山、PL・勧野の両スラッガーが甲子園でどんな打撃を披露するか。明豊は今宮ら経験豊富な選手がそろう。初出場の下妻二は持ち前の粘りを発揮したい。前橋商と南陽工は2年生がエース。タイプの似た県立校同士の一戦だ。

Dゾーン 継投の天理 挑む早実
 早稲田実は小野田、鈴木の2年生の二枚看板で近畿王者の天理に挑む。天理は継投がポイント。興南は左腕島袋ら2年生が18人中11人の若いチーム。春39年ぶりの勝利をめざす富山商は堅守でリズムをつかみたい。彦根東は大黒柱・金子の投球がカギ。習志野は本山、宮内の1、2番で計23盗塁の機動力が売りだ。利府は塚本、高橋、加藤のタイプの違う投手陣を生かせるか。掛川西は接戦に強いが、小差の展開に持ち込みたい。


左右の速球派そろう 菊池(花巻東)・白村(慶応)ら

 140キロ超の速球派がそろった。なかでも注目は、最速149キロの花巻東・菊池。184センチ、82キロと恵まれた体格。開幕を控えた練習試合でも146キロをマークした。新たな変化球の習得にも意欲的で将来性も豊かな左腕だ。
 右腕では、昨秋の明治神宮大会を制した慶応の白村。最速146キロで、1試合あたりの奪三振率は10に迫る。昨秋は腰痛に苦しんだが、マウンドでほえる姿は迫力がある。清峰の今村も球威、変化球の切れが抜群。福知山成美の長岡は昨秋45イニング連続無失点を記録し、防御率0.27は今回の出場投手でトップだ。
 力感あるフォームで魅力なのは鵡川の西藤。西条の秋山は186センチ、91キロの巨漢で、低めへの制球が光る。光星学院の下沖、早稲田実の2年生・小野田、高崎商の渡辺貴、中京大中京の堂林も本格派右腕として楽しみな素材だ。
 好左腕も多い。PL学園の中野はスライダーが武器。興南の島袋は171センチながらダイナミックな投球フォームで魅了する。神村学園の小池、金光大阪の木場、天理の沼田は多彩な変化球を操る。


注目スラッガー対決 勧野(PL学園)と秋山(西条)

 パワーヒッターがそろった。注目は、初戦でぶつかるPL学園の勧野と、西条の秋山。右と左のスラッガーの対決は見ものだ。
 勧野は昨夏、PLでは清原(元オリックス)以来の1年生の4番打者として脚光を浴びた。冬場にフォームを崩し、今春は練習試合で初めて6番を打つなど苦しんでいるが、復調なるか。通算30本塁打の秋山はライナー性の打球が持ち味。91キロの巨漢だがバットコントロールも巧みだ。
 昨秋の公式戦で4本塁打を放ったのが鵡川・柳田、日本文理・高橋義、中京大中京・伊藤の3人。高橋義は打率も5割を超え、広角に打てるセンスあふれる左打者だ。
 金光大阪の陽川は走攻守の三拍子そろった遊撃手。中京大中京の河合は172センチながら打率6割8厘、24打点と、今回の出場選手では「2冠王」だ。早稲田実の森、南陽工の中川、神村学園の大畑も長打力がある。
 1番打者では清峰の主将・屋久が4割8分4厘の高打率。天理の内野は一発がある。利府の藤原は11試合で12盗塁と、走れる2番打者だ。

*** 以上、記事より ***

センバツ開幕前情報。
センバツは一般的に「投高打低」と言われますが、今年の選抜はどうでしょうか。

2008トライアル+α

正確には2月、8月9月、11月12月ってところ。数ヶ月未トライ時期を挟んだものの、数があまりなかったのでまとめて。

■ゼッカ<トライアルセット>@ラゼル
  評価→△
 すっきり洗い上がる洗顔料と、とろみのある化粧水でした。が、この化粧水、何かぴりぴりする? そのうち馴染んで何ともなっていなかったのですが、ちょっと気になったので△。
 ビューテス@ラゼルの時ほどの感動はなく、どちらもリピはないだろうなぁと思っていたら、ここ(ラゼル)も撤退らしいです。某社が半年くらいで撤退したのに対して、こちらは2年くらいだから一緒にまとめてしまっていいのか悩みますが。
 内容は、以下の2点セット。
・マイルドフォーミングパウダー
・アクアイストR

■ライスフォース<深層保湿トライアルキット>@アイム
  評価→◎
 相変わらずいいなぁ、が正直なところ。また戻そうかなーと思っちゃいます。
 内容は、以下の3点セット。
・ディープモイスチュアローション
・ディープモイスチュアエッセンス
・ディープモイスチュアクリーム

■アクポレス<スターターキット>@アイム
  評価→○
 新しいブランドを出したというのと、ちょうど大人ニキビがぷつぷつしていた時期だったので、試しに購入。深刻な大人ニキビではないせいか、ふき取り化粧水が面倒だなぁと思った以外は悪くなかったです。
 内容は、以下の6点セット。
・アクネソープ
・クリアローション
・オイルコントロールエッセンス
・モイストバランスミルク
・アクネスポッツクリア
・魔法のコットン

■棚倉美泥<基本4点詰合>@シャロン
  評価→○
 石鹸の泡立ちがクリーミーでよかった。他も変な匂いがしなくてよかったんじゃないかな。
 内容は、以下の4点セット。
・海泥そーぷ
・海泥化粧水
・海泥美容液
・海泥くりーむ

@@@@@ 以下、最近のお気に入り化粧品 @@@@@

■草花木果
・リラクゼーションボディーケア
 この秋(というか晩秋)新発売のシリーズです。買ったのは、アロマボディーミルクと、アロマボディーオイル。元々のボディケア用品よりべたつき感が少なく、伸びもいいです。
 風呂上がりにローズヒップの香りのミルクを足に伸ばして軽くマッサージしたら、いい気分になってぐっすり眠れました。本当はミルクの後にオイルを伸ばすのがベストなんだろうけど、そのへんは気分で適当に使い分け。

・マスカラ(ボリューム&ロング)
 この秋に出た新商品。今までのコームタイプは、綺麗にセパレート状の仕上がりになるものの、夕方には目の周辺が黒っぽくなる(要するに落ちてしまう)のが玉に瑕だったのですが、これは朝つけた状態を夜までキープ! ただ、付け方のコツはコームタイプとちょっと違うので、ブラシのコツを掴むまではなかなか綺麗なセパレート睫毛になりませんでした。orz

■ラフラ
・バームオレンジ
 色々あちこち浮気してから、アロマクレンジングのこれに戻ってきちゃいました。
 帰宅したらまず洗顔! だけは、いくら忙しくても守っているので、そこでオレンジの香りに癒されるのはちょっとした気分転換&仕事モードスイッチオフに繋がります。

3つともネット通販商品だってことがポイントでもあります。なくなりかけた時に注文すれば、数日後には届いてくれる手軽さがいい。ファンデはそういうわけにもいかないので(肌色が季節によって微妙に変わるので)、ちゃんと百貨店の行き着けのお店でBAさんに色確認して貰いながら買い足すんですけどねー。

全日本フィギュア

織田、4回転ジャンプに執着「ブレなく降りる」
フィギュア全日本選手権 前日練習選手コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権は、開幕を前日に控えた24日、長野市ビッグハットにて練習が非公開で行われた。同大会は、来年3月に米国・ロサンゼルスで開催される世界選手権の代表選考会を兼ねる。男子の上位候補となる織田信成(関大)、小塚崇彦(トヨタ自動車)、無良崇人(倉敷翠松高)、南里康晴(ふくや)の4人が報道陣の取材に応じた。以下は、選手のコメント。

■織田信成「4回転を着氷のブレなく降りる」
 今日の練習では、主に氷の感触やジャンプの感覚、リンクの幅と使い方などを確認しました。4回転ジャンプは二度跳んで、1回成功しました。ただ、もう1回も悪くはなかったですし、試合で決められるようにしたいと思います。NHK杯のあとは、主にフリーのプログラムで、技のつなぎをもう少しきっちりやろうということで練習してきました。それと、NHK杯ではジャンプのミスがあったので、今度は失敗しないようにということで練習してきました。
――NHK杯では優勝よりもまず4回転を成功させたいと言っていたが、今回は
NHK杯では、まず自分の演技を見せたいと思っていたので、結果よりもスケートの内容を重要視しました。この大会でも4回転を跳んで、優勝をしたいと思っています。
――これまで全日本選手権では優勝していないが、プレッシャーを感じるか
 その辺は、あまり意識していません。ただ、日本のチャンピオンというのは素晴らしいことですし、自分もなりたいと思います。ほかの人たちに負けないように頑張りたいと思います。
――勝負のポイントは、どのあたりだと考えているか
 4回転を着氷のブレのない形で降りることだと思います。
――全体的に調子としてはどうか
 NHK杯が終わった後、(ニコライ・)モロゾフコーチとプログラムを見直して、陸上トレーニングを重視して練習を行いました。それによって、スケートの調子を1回落として、もう1回作り直してきた段階。コンディションはいいと思います。
――全日本を優勝すれば、世界選手権の出場権が見えてくるが
 もちろん世界選手権に出場したいです。そこで五輪の出場枠を取って、なおかつ自分の演技もできたら最高だと思います。
――優勝経験はないが、今大会のメンバーでは受けて立つ側だと思うが、意識は
 昨日の新聞に「経験の織田」って書かれていたんですけど、僕、そんなに経験ないよなあって思ったんですけど(笑)、それなりに経験してきたこともあるので、そういったものが生かして演技ができればいいなと思います。

■小塚崇彦「周りの見方が変わっても自分は変わらない」
 今日は氷の硬さをチェックして、足の感覚を慣らせて来ました。ジャンプでは、4回転は一度しか跳んでいません。降りてはいないですね。ちょっと回転不足でした。
――GPファイナルの後は、どのように調整したのか
 ファイナルでは、フリーの後半でジャンプのミスがあったので、前半でどれぐらい体力を使うのかを考えて、(後半まで)体が勝手に動くように練習してきました。佐藤(信夫)コーチからは、ファイナルではフリーの前の公式練習で体を動かし過ぎていたので、今大会では(そこまで)やらなくても自分の力を信じなさい、ということを言われました。同じ失敗はしないように、今大会では気をつけたいと思います。
――優勝の自信は
 全日本選手権の優勝というのは、そのときにちゃんと演技をできた人に結果としてついてくるものだと思うので、まずは精一杯の演技をすることが大切だと思っています。
――世界選手権代表の座もかかるが
 世界選手権は前回出させてもらいましたし、(国別代表の出場権)3枠を取ってきたので、そこにまた入れるように頑張りたいです。
――結果はついてくるということだが、そのためには何が大事か
 まずは4回転を跳ぶこと。それから、その前にショートで最近は安定してきましたけど、細心の注意を払って、かつ思い切ってプログラムをこなしたいです。
――お父さんは全日本選手権を三度優勝していますが、何かアドバイスはあったか
 特にないですね。今日、豊田を出てくるときに頑張れよと言われたぐらいです。
――今シーズンはここまで好成績を残しているが、これまでとは違う気持ちで全日本を迎えているか
 スケートアメリカで優勝したり、GPファイナルで2位になったりしたことで、周りの人の見方は変わっているかもしれませんが、僕はいつも一つ一つの試合が課題なので、その部分はきちんと忘れずに頑張りたいと思います。

■無良崇人「200点超えで表彰台を目指したい」
 今日はとりあえず、ジャンプの確認をして、氷の感触を確かめました。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はやりましたが、調子があまり良くないので、ヤバイですね。NHK杯のあとは、プログラムの中でジャンプを両端で跳んでいたので、内容を組み替えました。サルコウとループを、真ん中気味に寄せました。ジャンプの感覚は、NHK杯のときの変な感じから戻りつつあります。半分ぐらい戻ったという感じです。
――全日本選手権では何を目標とするか
 NHK杯で出せなかった200点を狙っていけば、表彰台も見えてくると思うので、そこを目指したいと思っています。
――世界選手権の出場権は意識するか
 とりあえず、今は「行けたらいいな」という感じです。GPシリーズでは、強い選手もいますけど、同じ試合に出ていない強豪選手もいるので、みんなが一緒に出る大会で、自分がどれぐらいできるのか楽しみにしています。
――昨季とはこの大会を迎える気持ちに違いがあるか
 スケートに対する意識が変わりました。ジュニアの時はどこか、なあなあの感覚でやっていましたが、今は自分から積極的に「ここは、こうしたい」とか挑戦しているので。
――優勝に向けて大切なことは
 まずショートで失敗をしないことが前提になりますが、フリーでは前回(NHK杯)では二つ目のトリプルアクセルを失敗したので、それを修正したいです。それと、コンビネーションジャンプが少なくなってしまったところが直せればと思います。

■南里康晴「全日本はこだわらなければいけない大会」
 先週までは調子が上がらなかったのですが、今週から少しずつ調子が上がって来ています。今日はジャンプの感覚をつかもうと思って跳んだのですが、タイミングが合わずに空回りしてしまい、ミスが多かったです。
――NHK杯では、足をつる状態になるなど疲労を抱えていたが
 体は、もう回復しました。ただ、調子がまだ最高ではないので、明日の公式練習からしっかりと調子を上げて、最後まで持続させたいと思います。
――世界選手権の出場枠獲得への意識は
 世界選手権には出たいですけれど、まずは自分が納得のできる演技をすることが大切。ジャンプを含めて、気持ちがよく乗って、パーフェクトに近い演技ができればいいと思います。
――全日本選手権にこだわりはあるか
 こだわらないといけない大会だと思います。この大会で、来シーズンの自分がどうなるかが見えてくるので。GPシリーズへの派遣が1回になるのか、2回になるのか。場合によっては派遣がなくなるパターンも起こり得る。大事な試合なので、頑張らないといけないと思っています。
――バンクーバー冬季五輪は見据えているか
 一応考えてはいるのですが、まずは来年の世界選手権を目標にしています。
――社会人になって初めてのシーズンで変化はあったか
 すべてが自分の責任になるという部分で気持ちが変わったと思います。それと、会社(ふくや)の社長が、スケートに専念していいと言ってくださっているので、練習の量も回数も増やすことができて、スケートの技術が上がったり、ウエイトトレーニングで体を鍛えたりすることができています。


浅田真央「トリプルアクセルを2回入れる」
フィギュア全日本選手権 女子コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権が25日、長野市の長野ビッグハットで開幕した。競技開始に先立ち、開会式・滑走順抽選会が行われ、女子シングルで3連覇を狙う浅田真央(中京大中京高)らが報道陣の取材に応じ、直前のコンディションや心境について語った。
 女子シングルは翌26日にショートプログラム、27日にフリースケーティングを行う。以下は選手のコメント。

■浅田真央「フリーで最後までスピードを落とさず滑りきりたい」
 今はすごく調子がいいと思っています。(連戦だが)疲れもありません。NHK杯、GPファイナルとベストな状態で臨むことができているので、同じように調整してきました。フリーではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2回入れることが目標。3回転−3回転は、フリーでフリップ−ループのコンビネーションを予定しています。ルッツはたぶん、入れないと思います。コンビネーションは、思い切って高く跳べば回りきれるので、あまり気にしていません。思い切って跳びたいと思います。
――今季、全日本の3連覇を目標に掲げたが特別な大会という意識があるのか?
 小さい頃から見ていて、小さい頃から出ていた大会。いつもクリスマスに行われていて、「全日本に来たなあ」って思える。思い入れのある大会です。
――前回大会の点数は意識するか?
 点数はあまり考えていません。取り入れているエレメンツ(要素)を完ぺきにやることを考えています。
――完ぺきな演技ができたら、自分にご褒美を用意するか?
 うーん、何か、服とか。分からないですけど、何か(笑)。
――フリーは、非常に難度の高いプログラムだが、滑りきる自信は?
 今季はこれで4試合目。もう滑りきることはできているので、最後までスピードを落とさずにできるかが、今回の課題。
――全日本はほかの大会と違うか?
 気持ちはどの試合でも一緒。でも、日本でやる大会なので、リラックスしてできると思います。

■安藤美姫「初優勝のときから成長した姿を見せたい」
 GPファイナルの後は、肩の調子が良くないので、肩の調子を見ながら調整を続けてきました。ジャンプよりもスピンやステップに力を入れてやってきました。肩は、ちょっと痛いかな。でも、演技には今のところ支障がないので、試合でも外れないように集中してやりたいと思います。
――GPファイナルでは4回転ジャンプに挑みましたが、振り返ってどう思うか?
 あそこで4回転をやったのは、自分にとってメリットがあったと思います。次の試合に一歩進めたという気持ちになれました。回転不足になりましたけど、自分としては納得しています。
――今大会で4回転は?
 試合はコンディションや気持ちと向き合わなければいけないので、当日の練習をやってから結論を出したいと思います。
――氷が硬いと言っていたが
 いつも練習している(中京)大学のリンクに比べると、というだけで、嫌ではないです。慣れるのに少し時間がかかる程度です。
――初めて全日本を優勝したときの会場ですが
 ジンクスのようなものがあるので楽しみにはしていますけど、今になって振り返ってみると、あの時は4回転を降りた(成功した)だけで、ほかのジャンプはミスが多かった。今度はミスをなくして、成長して帰ってきたというところを見せたいと思います。
――世界選手権の代表枠がかかる戦いだが
 順位よりも、自分のやれることを考えて演技したい。自分に集中することが一番なので、調子を整えて臨みたい。
――ファンにどんな演技を見せたいか?
 これまでは不安がありましたが、それを出さずに、ミスがあったとしても「いい演技だったな」と思われる演技をしたいです。

■村主章枝「人事を尽くして天命を待つ」
 調子は、まあ、まずまず。普段どおりに練習ができたのでよかったです。ロシアカップが終わってからは、同じことばかりを継続してやってきたので、同じことを続ける難しさを感じた1カ月でした。でも、自分の中でもすごく気持ちの面でも体調でも直すことができたので、よかったと思います。
――ジャンプの調子は?
 (明日の午前に)あと1回練習があるので、明日もきょうと同じように練習ができればいいなと思います。
――ロシアカップの後、特に意識したことは?
 ニコライ(・モロゾフコーチ)とパフォーマンスについて話し合って、揺れ動いた時期もありましたが、細かいところまで詰めることができました。あとはジャンプを修正してきました。
――プログラムの仕上がりは?
 試合はやってみないと分からないもの。練習のために練習をしているわけではないので、試合につながる練習になっていればいいと思っています。
――世界選手権への意識は?
 そこがすごく気持ち的に、どう試合に持っていくかが難しいところ。でも、その前に、自分のやるべきことがあるので、集中したい。本当に「人事を尽くして天命を待つ」という感じです。

■鈴木明子「自分のことに集中したい」
 仕上がりとしてはとてもいい状態。80パーセント以上のところまで練習でできていると思います。NHK杯ではジャンプにミスがあったので、それをなくすように練習してきました。全日本選手権は昨季良くなかったので、あえてあまり意識せずに迎えたいと思います。
――世界選手権の代表枠を争うことになるが
 自分がやれるだけのことをやってからの結果なので、自分のことに集中したいと思います。
――どんな演技を見せたいか?
 ショートはNHK杯で失敗したフリップをしっかりと跳んで、フリーでは最初の3連続ジャンプが今シーズンはまだ入れられていないので、入れたい。それと、2A(ダブルアクセル)−3T(3回転トゥループ)をきちんと入れたい。
――NHK杯で表彰台に上がり、変化は?
 私の中では変化はないです。ただ、自覚は持ちたいので、それを持って練習をしてきたつもりです。でも、惑わされないようにやっていきたいです。
――緊張しているか?
 思ったよりは落ち着いています。


織田がノーミスで首位「追われる気持ちが70%」
全日本選手権 第1日 男子ショートプログラム選手コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権が25日に開幕し、男子シングルはショートプログラムが行われ、初優勝を狙う織田信成(関大)が 86.45点で首位に立った。2位は、77.40点で小塚崇彦(トヨタ自動車)。3位には75.50点で無良崇人(倉敷翠松高)が入った。3位以下も4位に村上大介(青森山田高)、5位に町田樹(関大)と若手の健闘が目立った。前回3位の南里康晴(ふくや)はジャンプのミスが響いて6位と出遅れた。以下、ベテランの中庭健介(パピオクラブ)が7位、全日本ジュニア王者の羽生結弦(宮城FSC)が続いた。
 以下は、演技を終えた選手のコメント。

■織田信成「スピードに乗り切れなかった」
 今もまだ緊張が解けていません。演技としては良いショートプログラムだったと思います。いい演技をしたいとか、久しぶりの全日本だとか、いろんな緊張感がありました。ジャンプは、緊張していたせいでいつもよりスピードがなく、乗り切れなかった。最初のトリプルアクセルも軸がゆがんでしまったので、そこは今後修正する点かなと思います。ただ、NHK杯よりもジャンプ以外の要素で気持ちを入れてできたと思います。フリーは、NHK杯で失敗したジャンプをしっかり跳んで、4回転も入れたい。4回転は、今日の練習でも1回跳んだけど、失敗しました。明日は跳べるように調整したいです。練習では回ろうと意識し過ぎると体を回してしまう傾向があるので、左手を引くように意識して練習したいと思います。(明日は4回転成功を期待していいですか?)はい、頑張ります。
――精神的なプレッシャーの要因は
 国内の優秀な選手がみんな、この大会に合わせてくる。そういった緊張感が全日本にはあって、自分もいい演技をしたいという気持ちが出てくるので。長野に入ってから、ほかの選手と練習していく中で緊張は生まれるし、試合が近づくにつれて感じるプレッシャーもあります。
――ノーミスでショートを終えたが
 緊張でスピードが出せなかったのが、一番の課題。ジャンプでは、アクセルはギリギリで降りることができた感じで、緊張に負けていると思いました。
――ニコライ・モロゾフコーチと迎える初めての全日本だが
 前のコーチのリー・バーケルもそうでしたが、経験のあるコーチがついていると、安心できる。ニコライは強気なので、弱気になったときに後押ししてくれる存在です。(4回転への挑戦に前向きになれるのは、そのためか?)はい、そう思います。
――2位以下に大差をつけて初優勝が見えてきたが
 小塚選手もGPファイナル2位という力があるので、フリーは安定した演技をしてくると思います。だから、明日は4回転をもし失敗しても、その後で崩れないように調整したいです。
――初タイトルを追う立場、年下から追われる立場、どちらが強いのか
 若い選手が多いですし、みんな、ぐんぐんと伸びています。追われる立場というのが70%ぐらい。あとの30%は、自分が追っていく気持ちです。初めてNHK杯に出たときは、いい意味でも悪い意味でもジュニアらしくリラックスしてできていましたが、今も同じではいけないと思いますし、(追われる立場になっても)それに打ち克ってこそ、トップスケーターだと思います。

■小塚崇彦「緊張で体が動かなかった」
 まず、最初のルッツで転倒してしまって……。自分の中でも思ってもいなかったミスで、動揺してしまいました。(悪い流れを引きずらずに)後半はジャンプを決められましたが、納得のいく演技ではありませんでした。昨シーズンは、とにかく自分は(気持ちを)押して行くだけでしたが、今回は体が動かなくなるくらい緊張してしまって、それが最初のジャンプに出てしまったのだと思います。(プレッシャーがあったのか?)特には考えていないつもりでしたが、頭の片隅にあったということだと思います。
――滑走順が26人中4人目と早かったこともプレッシャーの一因か
 順番は運なので、上を目指して行く上で(慣れることが)必要なこと。順番のせいでどうこうというのは、ありません。明日は、今日のことは忘れて、押して、押して、押し通す気持ちでやりたいです。ノーミスを目指して頑張りたいと思います。
――演技後、佐藤信夫先生から話はあったか
 最初のルッツについて聞くと、いつもはもう少し後ろに跳んでいるのに、前へ跳んでいて、跳んだときから「ああっ」と思っていたと言っていました。自分でも後ろではなく真上へ上がってしまった感覚があって、体が真っ直ぐではないなと思ったのですが、一瞬の出来事なので。
――フリーでは4回転ジャンプに挑戦するか
 明日の練習次第です。
――全日本選手権だから緊張するのか
 もう4、5回出場しているのですが、全日本選手権には魔物が棲んでいると言われるように、緊張しました。それに打ち克つことが今回はできませんでした。
――GPファイナルのあとは、どのように調整したのか
 ファイナルではジャンプでミスがあったので、それをなくそうとして練習してきたのですが……。明日は自分を信じて跳びたいと思います。
――今日は元々、調子が良くなかったのか
(演技直前の)6分間練習ではフリップで一度パンク(ジャンプの踏み切りでタイミングを逃して)しましたが、もう一度やったときは大丈夫だったし、問題は無く、気にはしていなかったのですが、緊張で足が動かなかったですね。
――プレッシャーの要因は何だと思うか
 やはり、全日本という舞台で自分の満足する演技をしたいという気持ちだと思います。明日は今日のことを忘れて、頑張る「しか」ないと思います。

■無良崇彦「失敗した小塚君に勝てなかったのが不満」
 朝の練習ではヤバイかなと思ったのですが、直前の6分間練習でいつもどおりのジャンプができたので、安心して臨むことができました。トリプルアクセルはいつもどおりにできて、高さもあってよかったと思います。ルッツもいつもどおり。フリップは降りるときにどうかと思いましたが、(少しバランスを失ったが)こらえたので、ギリギリセーフかなと思います。NHK杯でもはじめに3つのジャンプを決めて、そこから集中して調子をガンガン上げていけたし、今日も同じようにできました。
――小塚選手の直後の滑走でしたが
 普段、中京大学のリンクで練習するときと同じような感覚なので、特に気にはなりませんでした。
――今日の演技は自己採点で何点か
 もう少しステップでメリハリを付けることができたはずだと思うので、90点。ジャンプは公式練習のときに比べればよかったと思います。明日もこの良い状態のままガンガン攻めて行きたいです。
――75.50点という点数については
 自分的にもうれしいです。唯一不満なのは、2つ失敗した小塚君に勝てなかったことですね。
――今シーズンは、NHK杯もよかったし、調子がよいようだが
 毎回聞かれるのですが、スケートに対する意識が変わったことが大きいと思います。これまでは、本番前はガチガチになって頭の中が真っ白になりそうだったのですが、今年のフィンランドの大会からは試合を楽しめるようになりました。試合前も冷静に、注意点をイメージして準備ができています。今日も特に緊張せずにできました。
――意識が変わったきっかけは? 練習環境の変化も理由か
 練習内容は東京のときと違いますし、岡山に移ってからは自分一人での練習が多くなりました。その中で、先生に言われていたことを自分で意識しながら練習が続けられるようになりました。
――明日への抱負は
 ジャンプは今日の感じでいいと思うので、あとは気力と精神力がフリーでも最後まで保てば、いけるんじゃないかと思います。
――この大会で手に入れたいものは
 昨年まで勝てなかった選手に勝つことです。

■南里康晴「過信でルッツを失敗してガッカリ」
 最初のジャンプでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と3回転−3回転のコンビネーションはしっかりと跳べたのですが、これでノーミスでいけると思って自信を持ったら、過信になってしまい、次のルッツで失敗してしまって、ガッカリです。今シーズン、ショートでルッツを失敗することはなかったので、まさかのパンクでした。これでルッツさえ跳べば、ノーミスでショートを終えられると思って焦ってしまいました。トリ(最終滑走)という形は初めてで、一番手とは違う雰囲気でやりにくかったです。大会を締めないといけないと思って、いい演技をしなければいけないと思ってしまいました。
――ほかの選手が高得点だったことは気にしていたか
 それは、ありませんでした。持っている力を出せば、僕もそれなりの点数をもらえると思ってやっていたので。
――ジャンプ以外では
 ルッツの失敗を取り戻そうと思ったのですが、空回りしてしまいました。スピンでプラスポイントをもらおうと思ったのですが、(高い)レベルを取れるスピンもできず、いいショートプログラムではありませんでした。ルッツのすぐ後のスピンでは、足を換えてからチェンジエッジをするのですが、うまくいかずに普段よりもポジションが高くなってしまいました。
――明日に向けて
 ショート6位という順位なので、上を目指すだけ。持っている力を出し切って、いい演技で終わりたいと思います。

■中庭健介「明日は何があっても4回転を跳ぶ」
 今シーズンは、開幕からまともな状態で練習することさえできず、中国杯の後も苦しかったです。でも、全日本選手権は待ってくれませんし、僕の頭の中には前回(4位で惜しくも世界選手権の代表枠を逃した)のことがあります。若い選手に若さでは勝てないですけれど、僕にも20年間やってきた意地があります。痛いとかきついとか、そういうのは一切抜きにして、この会場に入ってからは練習をやってきました。ショートの内容は、点数の面では納得できていませんが、大きなミスなく終えることができたので、明日につながると思います。
――ジュニアから上がってきた羽生選手は、中庭選手に刺激を受けたと話していましたが
 彼らが出てくるので自分も刺激を受けますし、本当に仲の良い仲間たちが切磋琢磨(せっさたくま)して、日本は強くなってきました。あいつがやっているんだから、オレもと。だから、年下の選手に僕が刺激になったと言ってもらえるのは、うれしいです。
――体の状態は
 (問題は)腰だけですね。原因はよく分かりません。精密検査を受けろと言われるのですが、年齢が年齢ですし、もし大きな要因が見つかってしまうと(現役続行を考える上で)気持ちがへこんでしまうと思って、今は針などの治療を受ける形にしています。それでよくなってきているし、そんなに大きな疾患ではないと思うのですが、大会後には検査を受けようと思っています。中国杯では歩くのも痛い状態でしたけど、スロバキアとドイツで試合にも出たし、そうやってカバーしながらやってきたことが自信になっている。中国では3割ぐらいしか力を出せなかったが、今は7割出せる。だから、明日は4回転をやります。僕にとっては欠かせない技。何があってもやります。それ(4回転)にかけています。負傷を抱えてもやってきたという自信を持ってやってこられたし、ショートでは今までミスがあったけど、それも今日は払拭(ふっしょく)できました。明日は今シーズン第1号の4回転をバシッと決めたいと思います。

■羽生結弦「精神と体力の差を技術で補いたい」
 ジュニアとは違ってお客さんが多くて、歓声が大きくてビックリしました。でも、何とかショートで60点台が出せたので良かったと思います。ジャンプ以外でもしっかりと演技ができたことが評価されたのかなと思います。ただ、自己ベストが出せたといっても、パーフェクトな演技をしたわけではないので、まだまだです。精神的にも弱かったのかなと思います。
――緊張したか
 全日本ジュニアに比べると、緊張はしませんでした。ジュニアでは勝たなければいけない試合ですけど、今日は勝てなくてもいいので自分の演技をと思ってリラックスして臨むことができました。
――シニアの全日本は初めてだが
 昨年、全日本ジュニアで3位になって出ていたとしても、通用しなかったと思います。でも、今はトリプルアクセルという武器があって、少しは通用するようになりました。でも、シニアの選手に比べると、精神も弱いし、体力も足りない。体力と精神をカバーできる技術を身につけたい。同じ組だった中庭選手は4回転ジャンパーだし、ジャンプの高さも滑走のスピードもぜんぜん違ったので、見習いたいです。自分が目標とする選手たちと一緒に練習や試合をして、世界と自分との差ってすごく大きいなと感じました。でも、それが分かったからこそ、もっと練習に励むことができると思います。
――ジュニアから参戦したばかりなので、もう少し自分をほめても良いのでは
 ジュニアではジュニアの一員だし、ここに来たらシニアの一員にならなければいけないと思います。
――今日は何点か、明日に向けての気持ちは
今日は70点ぐらい。明日は、今日はミスしてしまったトリプルアクセルを決めて、自分が納得のいく演技をしたいです。まだフリーでトリプルアクセルを降りたことがないので、決めてノーミスで演技をしたいです。ショートでは毎回ミスをしてしまうので、ショートもフリーもミスなくできるようにしたい。


中野が浅田真、安藤を抑えて首位 「一番いいショートだった」
全日本第2日 女子ショートプログラム選手コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権は26日、第2日を行い、女子シングルのショートプログラムでは初優勝を狙う中野友加里(プリンスホテル)が67.26点で首位に立った。3連覇を目指す浅田真央(中京大中京高)は、連続3回転ジャンプにミスが出て65.30点で2位。安藤美姫(トヨタ自動車)は、連続3回転ジャンプで回転不足の判定を受けたが、大きなミスなく演技を終えて65.02点の3位につけた。4位は、負傷から復帰した武田奈也(早大)、ベテランの村主章枝(avex)は3回転フリップを失敗して5位。NHK杯2位の鈴木明子(邦和スポーツランド)は冒頭にジャンプのミスが続いて6位と出遅れた。
 以下は、選手のコメント。

■中野友加里「95点ぐらいはできた」
 直前の6分間練習ではバタバタしてしまって、心配していたのですが、無の境地に入って臨むことができたのがよかったのではないかと思います。この時点でショート1位(※浅田、安藤を抜いての1位)になったことはないので、ビックリしました。シーズンの序盤は練習不足かなと思っていましたが、ここに来て練習の成果が出たと思います。GPファイナルのときもショートはよかったのですが、自分としては、今までとは違ってきょうは体が動いていて、その勢いに任せてできたので、一番いいショートだったと思っています。
――体が動いた、というのは具体的にどういう感触か
 最初の一歩が肝心で、滑り出した瞬間に「足首が硬いな」とか「ひざがしっかりと曲がっていないな」とか感じるもの。うまく説明できないのですが。きょうは氷と靴が密着しているというか、すごく良い感触でした。そういうときは、いい状態のとき。
――緊張感は
 すごく緊張しましたが、本当に順位とか考えずに楽しんですべることを考えてできたのがよかったと思います。何位までには入りたいとか考えると、プレッシャーになってしまうので。
――佐藤信夫先生からは何を言われたのか
 リンクに出て行く前に「絶対にスピードを落とさずに、持ち味のスピンは速く回りなさい」と言われました。
――目標とする世界選手権の出場に近づいたが
 (世界選手権の会場となる)ロサンゼルスに行くことが目標だったので、少しでも近づければいいなと思います。ここまでドタバタしても仕方がないので、自分がやれることをやるだけです。
――きょうはジャンプだけでなくスピンも素晴らしかったと思います
 きょうはスピンもジャンプもやれることはやったと思います。試合は運次第なので、人事を尽くして天命を待つという言葉のままだと思うので、明日も無心でやりたいと思います。
――自分で点をつけるとしたら
 最後に少しスピードがなくなりましたが、95点ぐらいはできたと思います。(満足できる演技だったか?)はい。
――2人の世界女王(浅田真、安藤)を抑えての首位だが? ほかの選手の演技は見たか
 まだ残りの選手がいるので(最終結果は)分かりませんが、素直にうれしいと思います。ほかの選手の演技は誰一人、見ていません。
――初優勝に向けてショート1位はプレッシャーになるか、自信になるか
 プレッシャーがないと言ったらウソになってしまいますが、いい自信にして、明日につなげたいです。すべては集中力で成り立っているので、明日は気持ちを切り替えて、やるべきことをやって、いい結果が出ればいいなと思います。きょうはきょう、明日は明日。フリーの4分間に集中したいです。
――明日はトリプルアクセルに挑むか
 できればやりたいと思っていますが、明日の練習をやってから決めます。

■浅田真央「1分間ルールに少し焦ってしまった」
 ジャンプでミスをしてしまったので、出来はまあまあです。試合前は、いつもどおり、練習どおりにやろうと思っていました。ほかの大会と同じ気持ちで臨めていたと思います。今は、ジャンプが決められずに残念な気持ち。
――最初の連続ジャンプでミスをした後は
 次にルッツがあったので、不安が頭の中に入ってこないようにしていました。練習でもこけることはあるので、いつもどおりにできたと思います。
――3回転−3回転の連続ジャンプがなかなか試合で決まらないが
 とりあえず思い切って跳ぼうと思っていたのに、それができずに残念です。(ルッツの方が気がかりだったのか?)同じくらいです。コンビはクリーンに跳ばなければいけませんし、ルッツもアウトで跳ばなければいけないので。
――なぜジャンプを失敗したと思うか
 少し焦っていたかなというのは、あります。自分の出番の前に、もう少し落ち着かせれば違ったのではないかと思います。(名前をコールされてから1分以内に演技を始めなければ減点になるという今季からのルールを気にして)1分間で始めないといけないと思って焦ったのかなと思います。
――得点発表を待つキスアンドクライでは、戸惑った表情を見せていたが
 自分でも少しビックリしました。レベルとかが取れているかどうかが、詳細を見てみないと分かりませんが、得点が出ていたので。次は失敗しないようにしたいです。
――「全日本には魔物が棲んでいる」と話す選手もいるが、そういう雰囲気を感じるか
 プレッシャーはなかったですし、全日本では今までいい演技ができているので、大丈夫だと思います。
――フリーに向けて
 今できることをすべて出し切って、攻め切って頑張りたいです。フリーはすべてが強い曲なので、力強く滑りきりたいですし、すべてを見てほしいです。

■安藤美姫「心臓が止まって死ぬかと思った」
 韓国(GPファイナル)でも同じ順番(※整氷後の一番手)で、あの時はジャンプを失敗したので、すごく緊張して、心臓が止まって死んじゃうかと思いました。無難に終わることができたので、よかったと思います。回転不足の判定になっているかもしれませんが(※2つ目のジャンプが回転不足の判定となった)、トリプル−トリプルも回転していたし、スピンなども取りこぼしがないようにと丁寧にできました。2008年の中で一番よかったと思います。
――ステップについて
 練習ではいっぱいこけたり、つまずいたりしていたのですが、自分の力を出し切ってすべることができたので、きょうは納得できています。
――世界選手権の代表権を考えると、順位が気になるが
 順位は考えないで、自分のやってきたことを演技で出すことだけを考えて、プラス、プログラムの強いところ、躍動感が伝わるようにフリーを滑りたいです。
――精神面ではどうだったか
 6分間練習のときにいつも周りを見るのですが、すごくバナー(応援幕)とか旗が出ていて、自分を後押ししてくれました。「自分を信じて」とか「咲き誇れ」とか、そういうメッセージを見て、自分を信じて頑張らないといけないと思えたし、感謝の気持ちです。
――明日のフリーで4回転サルコウは跳ぶか
 明日は明日の体調や気持ちがあるので。韓国のときのように、気持ちを強く持つことができたら、やりたい。明日の練習では挑戦するつもりです。
――フリーに向けて
(国際大会ではない)全日本ですけど、シーズンベストがもらえたし、いい励みになります。しっかりと自信を持って、やりたいと思います。
――世界選手権では棄権したが、そこから立ち直ってきた
 あそこでケガをしたから今の自分があると思います。あそこで満点の演技ができたり、自分の力以上のものが出せていたら、今のスケートをしたいという気持ちになることはなかったと思います。体調や集中力がどれだけ大事かということを知って、一から出直していることが、今季は大きなミスがないということにつながっていると思います。最終的に、自分が自分らしくいられる場所がリンクの上。新しい自分を発見できるのもリンク。私にはフィギュアスケートしかないと分かった。そういう気持ちがスケートへの気持ちになっています。

■武田奈也「昨年と同じプログラムで得点が出てうれしい」
 シーズン前半はケガをして、練習も少ないが、全日本に向けてはしっかり練習を詰めて来ることができたので、自信を強く持って臨むことができました。トウをつくと痛いということもあるので、状態を考えて、プログラムを組み替えました。今できることでは100%に近い出来だと思います。
――演技が終わった後の笑顔が印象的だが
 全部終わった、と思ってホッとしたら笑顔が出ました。(GPシリーズで初めて表彰台に立った)昨年のNHK杯みたいに演技ができてうれしく思っています。けがの影響もあって昨年のプログラムに戻したのですが、前回の全日本より10点ぐらい上の点数なので、うれしいし、ほっとしています。
――緊張感はなかったのか
 緊張はしましたが、けがの影響が出ないように集中していたので、その分、気が紛れました(笑)。
――負傷からの回復具合は
 同じところを3回やってしまったので、練習したり休んだり。久しぶりに練習したときは一曲通すとしんどかったのですが、この1週間で練習をつむことができたので、調子は上がってきました。試合に出られない時期は練習もできずにショックでしたが、全日本でみんなに見てもらえると思って気持ちを上げてやってきました。
――フリーでは
 明日もしっかりと自分のことに集中して、いい演技をしたい。最後のビールマンスピンで速く回ろうと思っているので、見てもらいたいです。

■村主章枝「ジャンプミスは技術の問題」
 ジャンプにミスが出てしまって残念。技術的に課題のある部分なので、明日も同じ部分を注意して滑りたいです。数日前から兆候があって、気をつけてやっていたのですが、本番に出てしまったのかなと思います。精神的な問題というよりは技術的な問題。気持ちの面では落ち着いていてよかったと思います。明日は肝を据えて精一杯やりたいと思います。

――フリップを失敗した原因は、自分では分かっているということか

 そうですね。元々の癖でもあるので、昨年ぐらいから直していて、今シーズンはポイントがつかめてきたところなのですが、体のバランスが崩れると影響が出てしまうところがあります。

――今季にかける思いが演技にも出たと思うか

 試合では、そういうものはプラスにもなるけど、災いになることもあるので、試合ではそういうものを利用しないようにしています。

――ジャンプ以外も含めて全体的に振り返ると

 全体的な流れとしては悪くなかったと思います。ジャンプのミスとタイムオーバーが残念でしたけど。今シーズンはジャンプに重きを置いて練習してきたので、そういう意味では悪かったですけれど。

――明日のフリーに向けて

 どれだけ落ち着いて、欲なくできるか。飾らずにいければいいんじゃないかと思います。

■鈴木明子「全日本にやられてしまった」
 全日本にやられてしまいました。落ち着いて滑ろうと思っていたのですが、公式練習から調子が崩れてしまって、そのときに比べれば立て直すことができましたが、見えない緊張に押しつぶされてしまいました。ちょっと不安が出てしまったのかなと思います。ジャンプのあとは、やるしかないと思って精一杯がんばりました。練習ではできているので、明日は思い切ってやるしかないので、しっかりと練習でやってきたことを本番で出したい。

――全日本への意識が強すぎたのか

 すごく意識していたというわけではないのですが、公式練習から切り替えようと思っていましたが、自分の納得がいくジャンプが跳べていませんでした。あとは、ヨガをやっているので、呼吸を整えたりしていたのですが、全体的に滑りも硬かったと思いますし、演技後は表情も硬かったと言われてしまいました。でも、ステップはやってきたことを出せたと思います。(自分で点をつけると?)今日はぜんぜんダメですね。30点ぐらいです。
――NHK杯では楽しめたと言っていたが、違いは
 試合に立たせてもらうことはいつも幸せですし、楽しみです。ただ、NHK杯では狙っているものもなくて、何も考えずに滑っていました。今回は、どこかで「いい演技を見せたい」という気持ちが強かったのかなと思います。
――悔しい気持ちが強いか
 悔しいですね。練習をしてきたことが出せず、試合の難しさを感じました。きょうは楽しみにしてくれたお客さんに申し訳がないです。明日は、お客さんの心拍数が上がるような演技がしたいです。

■浅田舞「コーチを代えて楽しめるようになった」
 ジャンプでミスをしてしまいましたが、気持ちよく滑ることができました。ちょっとスピードが足りなかったかなと思いますが、ジャンプを失敗した後もお客さんから拍手をもらえたので、頑張ることができました。今はケガもしていないし、体調もいい。明日のフリーは思い切ってやるだけ。怖がらずに最後まで思い切って滑れたらいいと思います。ジャンプだけでなく、スピンやスパイラルでも拍手をもらいたいし、今年最後の試合なので、悔いの残らないようにしたい。
――本田武史コーチから何を言われたか
 ジャンプの前にいつも迷ってしまうので、思い切り行けと言われていました。演技後はサルコウの前に少し怖がったでしょ? と言われました。トゥループがきれいに入ったので、サルコウもきれいにと思って気持ちが先走ってしまいました。今の先生は日本語で会話ができるし、最近まで選手だったので、試合への持って行き方なども教えてもらうことができるし、リラックスして試合に臨めるようになりました。以前は、緊張してガチガチになってしまいましたが、今は楽しんでできています。試合で結果が出なくても、次の課題を見つけて練習できるようになりました。


初優勝の織田、早くも連覇に意欲「高橋に勝ってこそ王者」
全日本選手権 第2日 男子フリー選手コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権は26日、第2日を行い、男子シングルのフリースケーティングではショートプログラム1位の織田信成(関大)が157.25点で1位となり、総合243.70点で初優勝を飾った。表彰台はショートから順位が変わることなく、2位に小塚崇彦(トヨタ自動車)、3位に無良崇人(倉敷翠松高)が名を連ね、世界選手権の代表枠獲得を濃厚とした。4位は、ショート6位から巻き返した南里康晴(ふくや)。ショート4位の村上大介(青森山田高)はフリーで7位に沈み、5位に終わった。
 以下は、選手のコメント。

■織田信成「テレビで自分の演技を見て眠れなくなった」
(涙が見えたが?)ちょっと緊張が解けて涙が出ました。この大会で優勝することを目指してきたので、すごくうれしいです。本当にこの大会はいい調子だったので、ショートで1位になって、優勝を意識してプレッシャーがあって昨日は眠れませんでした。それが4回転ジャンプの転倒につながったのかなと思います。緊張に負けているので、そこが今後の課題だと思います。
――いつ、緊張していると感じたのか
 昨日、テレビで自分の演技を見てから。昨日はお客さんも少なくて(公式発表1053人)、試合というよりも演技のことだけ考えていましたが、今日はみんなが見に来るし、テレビを見ていたら、緊張感が出てきて、寝ようと思っても寝られなくなってしまいました。きちんと気持ちをコントロールできないといけないと思います。寝たのは午前2時半か3時ぐらいで、8時に起きました。5時間ぐらいは寝ているのですが、僕は「ロングスリーパー」で、9時間寝ないと体が動かないので(笑)。
――4回転失敗の後は引きずらなかったが、どう立て直したのか
 自分では冷静に「スピードを出し過ぎないように」と思っていたのですが、スピードが出なさ過ぎました。でも後半はジャンプも跳べてよかったと思います。
――この1年を振り返って
 結果よりも自分の目標とする技をしっかりこなせるようにというのが、これまで3つの大会での目標でしたが、試合の怖さというのを感じました。小さい大会でもそういうものを感じて、少しブランクを感じましたが、徐々に慣れてきました。
――ライバルの高橋大輔(関大大学院)がいないが
 高橋選手は3連覇しているチャンピオンですし、世界のメダリスト。周りの人も、同じ大会で高橋選手に勝ってこそチャンピオンと認めてくれると思うので、来年も優勝できるように頑張りたいと思います。

■小塚崇彦「ジュリエットに振り向いてもらえなかった」
 最初の4回転ジャンプで転倒してしまいました。2回目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、ちょっと疲れが足に来ていて、緊張からなのか、体力がなかったせいなのか、シングルになってしまいました。でも後半はまあまあ、まとめられたのでよかったかなと思います。一番の課題は4回転ですが、後半のトリプルアクセルも二番目の課題ですね。シーズンの始めは体力があって何とかなっていましたが、ここに来て体力不足が出てしまって、失敗が多くなっているので、体力をつけないといけないと思います。
――フリーのプログラムは「ロミオとジュリエット」。今日はジュリエットを振り向かせることができたと思うか
 (こっちを)見かけたけど、くるっと360度回ってしまって、振り向いてもらえなかったかなと思います。
――初の全日本タイトルをかけた戦いという意味では、4回転に挑戦しないプランも考えられたのでは
 タイトルを取るということを考えると、自分ができる範囲の(技の構成を基準にして)8割ぐらいがいいと思いますが、19歳という年齢で今後のことを考えると、挑戦しなければいけない時期だと思っているので、(失敗したが挑戦したことに)悔いはありません。

■無良崇人「3位はうれしいが、アクセルのミスが悔しい」
 3位という順位はうれしいですが、失敗ばかりで反省点が多いです。思っていた要素が成功しなくて、まさかのダブルアクセル失敗で、悔しい。アクセルを二つ決められなかったことも残念です。ショートとは比べ物にならないぐらい緊張して、お昼ぐらいから放心状態でした。氷に乗ったら緊張していないように感じたのですが、一つ目のジャンプを跳んだあたりから、あれ、どうしたんだろうという感じで、よく分からなくなってしまいました。シニアになって初めての全日本で、ジュニアからおまけで出させてもらっていたのとはぜんぜん違いますし、そこに世界選手権の出場枠がかかっているということもあって、緊張したのだと思います。でも、目標だった200点台には届いたので、よかったです。
――親子で世界選手権出場ということになりそうだが
(父親が出場した姿を)見たことがないので、何と言っていいか分からないですね。世界選手権では、順位よりも、どれだけ通用するのかやってみたいという気持ちです。

■南里康晴「勝ちたい気持ちが空回りしてしまった」
 ジャンプのミスが多くて、納得のいく演技はできませんでした。勝ちたいという気持ちが空回りしてしまって、最初のジャンプ(トリプルアクセルから3回点トゥループにつなげるところ)がオーバーターンになって、焦ってしまいました。(3回転を予定したものの1回転になった)ルッツは、落ち着いていこうとばかり考えて、タイミングを合わせる余裕がありませんでした。
――世界選手権のことはどのように意識していたか
 またあの舞台に立ちたいという気持ちは、誰よりもあったつもりなのですが……。
――全体的に今大会を振り返って
 ジャンプでミスはありましたが、ほかの部分では少しずつ評価が上がってきたと思うので、それはよかったと思います。あとは、ジャンプをしっかり練習したいです。
――高橋大輔の負傷欠場で急きょNHK杯に出たことで予定が狂ったのでは
 クロアチアで大会に出てから、全日本までは1カ月あるので、一からやり直すつもりでいたのですが、NHK杯に出られることになって、その後は先週まで調子が落ちたままで、今週になってようやく上がってきた。その中で後半のジャンプをまとめられたのは、次につながることだと思います。こういう経験はそんなにできることではないので、いい経験ができたと考えて、また一から調整したいと思います。

■村上大介「周りの雰囲気にビビってしまった」
 ショートはプレッシャーなく伸び伸びと滑れましたが、フリーではみんなの雰囲気が激しくて、ビビってしまいました。小さいときから見ていた選手たちと一緒に滑ることができたので、いい経験にして来年は頑張りたいと思います。
――4回転ジャンプをミスしたが、その後は巻き返すことができたのでは
 スタートから足がガチガチだったが、最後までパンク(踏み切りのタイミングが合わずに複数回転ができない失敗)をしないようにはできたと思います。
――ニコライ・モロゾフコーチからは何と言われたか
 自分としては、全日本ジュニアの後、猛練習をしてきたので、失敗して悔しかったのですが「まだ若いんだから大丈夫」と言ってもらいました。僕は頭の中が真っ白だったのですが、「初めての大会だから、今はそれでいい」とも言われました。
――今後に向けて
来年からはプログラムを通して滑り込んで、スタミナをつけたいと思います。

■中庭健介「この成績までの練習量だと納得せざるを得ない」
 どうしても4回転ジャンプを跳びたい一心だったのに、気がついたら3回転で降りていて、しかもとっさに2回転トゥループをコンビネーションでつけてしまいました。そのせいで、その後のジャンプをどうすればいいのか考え続けなくてはいけなくなり、後半のジャンプを冷静に跳ぶことができませんでした。頭の4回転につきると思います。昨日は、最終グループ入りを逃して「俺のスケートはこんなものなのかな」とか考えてしまいました。4回転は、ここまで入れることができませんでしたし、外さずにやり続けなければ入らないのだと思います。今後は4回転を入れて練習ができるようにしたいです。今シーズンはずっと苦しい状態だったので、長野に入ってから初めて4回転を降りたようなもので、自信はありませんでしたけど、大学1年からずっとシーズンに1回は4回転を跳んできたという意地がありました。やると決めてやった結果なので、仕方がないと思います。腰の状態は、トリプルジャンプを入れると、次の日はダブルに抑えなければいけないような状態で、今季はスケートの練習をしなければいけないのに、治療と半々になってしまいました。
――昨シーズン4位に終わって世界選手権の代表を逃した悔しさとの違いは
 昨年は万全の状態で臨んで、フリーでは「あれとこれをやれば世界選手権の代表になれる」と皮算用をしてしまいまったので本当に悔しかったですが、今シーズンは、ショートの成績が悪かったので、フリーではもう全部やろうと思ってやったので、悔しいというよりは、これぐらいの成績にしかできない練習量だったと納得せざるを得ないかなと思います。今後はけがをしっかりと治して、この結果を1日も忘れず、明日からまた頑張りたいと思います。

■羽生結弦「気持ちがたかぶって鼻血が出てしまった」
 正直に言うと、非常に悔しいです。本番前にお客さんが多いと聞いていて、気持ちがたかぶってしまって、鼻血が出てしまって落ち着けませんでした。ウォームアップのときから出てしまって、まともにアップができなくて、6分間練習のときは止まったのですが、練習がおわって鼻をかんだら、また出てしまいました。(一つ前の滑走の)中村健人選手の演技があと30秒で終わるというところでやっと止まりました。試合前に鼻血が出たのは、初めてですね(笑)。でも、そういうトラブルが出てしまうというのは、精神的な弱さなんじゃないかと思います。
――フリーの演技内容を振り返ると
 3つのジャンプを失敗したのが悔しくて、後半は絶対に跳ぶぞと思って頑張りました。後半に立て直すことができたのはよかったと思います。3つ目のジャンプのあとのスピンに入ってから、自分に「絶対に次は転ばないぞ!」と何度も言っていました。最初のトリプルアクセルがシングルになって、3回転−3回転もコンビネーションが抜けてしまいましたけど、その中でフリー117点台というのは、大きな収穫だと思います。目標としていた点数に近づけたのは、ファイブコンポーネンツ(演技構成点)が評価されたのかなと思います。トラブルがありながらも、感情を入れて表現できたことは収穫です。全日本ジュニアで、ショートでミスをして首位から12点差の4位からフリーで挽回(ばんかい)できたことで、フリーは得意だ、と自信を持つことができたのが生きていると思います。ただ、ショートでトリプルアクセルがあともうちょっとのところで降りられなくて、絶対に跳ばなくちゃいけないと思っていたのですが。満席状態のビッグハットで滑るのは大変なことなんだと感じました。気持ちが空回りしてしまったので、そういう点は直していきたいです。今日の試合の反省点を生かして、世界ジュニア選手権に向けて、もっと練習に励みたいと思います。
――ジャンプを失敗した後に、(応援する)拍手が起きていたのは聞こえたか
 はい。こんなに応援してくれているんだ、頑張らなきゃと思って滑っていました。お客さんの力って大きいんだなと思いました。
――目標としている選手は
 エフゲニー・プルシェンコ(ロシア=引退)選手と、ジョニー・ウィアー(米国)選手です。プルシェンコ選手は、ジャンプをミスしないで、しかもお客さんにアピールできるポイントを持っているところがいいし、ウィアー選手はしなやかさがあるので目標にしています。
――将来の夢は
 スケートをやって10年、小さい頃から五輪の金メダルを目指しているので、荒川静香さんに続く、仙台からの2人目の金メダリストになりたいです。
――今後に向けて
 公式戦で一度しか降りていないトリプルアクセルをショートでもフリーでも降りられるようになりたいです。


浅田真が大混戦制して逆転V「攻める気持ちを忘れずにできた」
全日本選手権 最終日 女子フリー選手コメント


 フィギュアスケートの全日本選手権は27日、最終日を行い、女子フリースケーティングで浅田真央(中京大中京高)が117.25点で2位となり、総合182.45点でショートプログラム2位からの逆転を果たし、3連覇を成し遂げた。2位は、ショート5位からフリー1位で総合178.59点と巻き返した村主章枝(avex)。3位には、総合174.09点で安藤美姫(トヨタ自動車)が入った。ショート首位の中野友加里(プリンスホテル)はフリーで6位と崩れて総合5位に終わった。4位はフリー3位の好演技を見せた鈴木明子(邦和スポーツランド)で、得点は総合173.98点。
 以下は、選手のコメント。

■浅田真央「ミスはあったけど力は出し切った」
 今は、すごくホッとしています。今年の試合がすべて終わって、うれしいです。いい試合だったと思いますし、満足しています。自分のリズムで滑ることができたし、攻める気持ちを忘れずにできたので、よかったと思います。今できることは、出し切ったと思っています。
――疲れの影響は?
 GPファイナルのときよりもコンビネーションジャンプに入る前の滑走のスピードはあったし、(影響は)ないと思います。でも、もっとできるように頑張りたいです。
――3連覇については
 また4連覇できるように頑張りたいと思います。(3回転が1回転になる)サルコウのミスはありましたけど、すべてをくるめて考えればよかったと思います。(タチアナ・)タラソワ先生からは「すばらしい」と言ってもらえました。
――1年を振り返って
まず、目標としていたことはすべて達成できたので、今後の四大陸選手権や世界選手権に向けて、また頑張りたいと思います。課題は、コンビネーションジャンプをしっかりと跳ぶことと、フリーで最後まですべての要素を滑りきることです。

■村主章枝「道が拓けて、先が見えてきた」
 6分間練習で荒れて(※安藤と衝突して転倒)、どうなるかなと思ったのですが、本番の方が落ち着いてできたのでよかったです。
――なぜ衝突したのか?
 たぶん、安藤選手と同じ方向に避けようとしてぶつかったのだと思うのですが、よく分かりません。最終グループでちょっと殺気立っていて、私も少し注意散漫になっていたのかもしれませんし、こういう形でケガをしてはいけないので、今後はもっと注意したいと思います。
――表彰台に上ることが決まった瞬間の気持ちは?
 表彰台に立たせていただけるようなので、とてもうれしく思っています。練習してきた内容を考えると、まだ100%を試合で出せているわけではないのですが、技術点で60点が越えられたことは、非常にうれしいです。
――混戦で経験が生きたのでは?
 長い間スケートをやってきて、全日本にも何回も出させていただいていますが、この数年は自分を変えてきていて、なかなかうまく応用できなかったのですが、これでなんとなく道が拓けて、これまでの苦しみがつながってきて、先が見えてきたかなと思います。

■安藤美姫「30%以下の力しか出せず反省している」
 6分間練習の衝突でひざが切れてしまって、痛くて、そのあとも筋肉が緊張してしまったみたいで、(得意の)サルコウも失敗してしまいました。朝の練習では、ダブルアクセルからのコンビネーションも決まっていたし、イケイケで滑っていたのですが……。
 ステップからのルッツを練習しようと思ったときだったのですが、ぶつかったときがどういう状況だったのかはまったく思い出せないです。それでも6分間を使ってジャンプの感覚だけでも体にしみこませようと思ったのですが、不安のある状態で演技してしまいました。
 一番悔しいのは、直前にこうなってしまったこと。世界選手権の肉離れとは違いますけど、打ちどころが悪くて。まったく納得はしていませんし、30%以下の力しか出せずに反省していますが、表彰台には上れたし、今は頑張ってくれた足にありがとうと言いたいです。
――練習の衝突・転倒で精神的な動揺は?
 精神的には何もありませんでしたが、負傷した右足はジャンプを降りる足なので、感覚がなくなって、また肉離れを起こしてしまったらどうしようとか不安にはなりました。でも、とにかく表彰台に上らないと絶対に行きたい世界選手権に行けなくなるので、頑張りました。
――4回転ジャンプはやめたが?
 ニコライ(・モロゾフコーチ)は、練習内容を見て3回転にしようと言ったのだと思いますが、私も足の状態を考えて3回転にしようと思いました。
――足はジャンプを降りると痛むのか?
 いえ、もう滑っているだけでも痛くて、ベストな状態のときとは違うなと思っていました。でも、この大会は、日本選手権に出て世界選手権に行くと強い気持ちを持つことができた大会。頑張れたのは、お客さんに後押しをしていただいた(から)と感じています。

■鈴木明子「スタンディングオベーションを受けられて幸せ」
 正直に言って悔しい思いはありますが、フリーで今できることはすべてできたと思います。後悔するなら昨日のショートかなと思います。昨日はあまりお客さんの声が聞こえず、周りが見えていなかったのですが、今日は応援もしっかり聞こえていました。
 ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)から3回転トゥループのコンビネーションが決まって、よしいけるぞと思いました。でも、全体的に考えすぎずに体の動くままに演技できました。昨日もグループの一番手の滑走順だったのですが、ちょっと落ち着く時間が少なかったかなと反省したので、今日は集中して呼吸を整えることができました。
 ステップでは、ちょっと突っ込みすぎた部分はありましたが、お客さんが速いテンポに負けじと手拍子を送ってくれたのが聞こえました。見ている人の気持ちもたかぶってくれたのかなと思いました。魂を込めて滑っていました。ようやく、フリーでスタンディングオベーションを受けることができて、すごくうれしかったです。ショーでスタンディングオベーションをしてもらったときに、これが試合で受けられたらと思っていましたので。心に響く演技ができたのかなと思うことができて、幸せです。ようやく、全日本の呪縛(じゅばく)が解けたかなという感じです。
 昨日から気持ちを切り替えようと思いながらも不安があったのですが、強い気持ちを持とうとしたのが、よかったのだと思います。今後は、またスタンディングオベーションを受けられるような演技ができるように練習を積み重ねていきたいと思います。

■中野友加里「気持ちと体が合わずに空回りした」
 緊張して体が思うように動きませんでした。ショートで1位になったことによって、プレッシャーがなかったと言ったらウソになると思いますが、それよりも自分の力を発揮できるかどうかというプレッシャーだったと思います。ショートが1位ではなかったとしても、プレッシャーはあったと思うので。一番悔しいのは、自分らしく演技をできなかったことです。
――それは、ジャンプのミスが原因か?
 おっしゃるとおり、ジャンプが決まっていれば乗っていけたと思いますが、気持ちの面で弱かったのだと思います。失敗してはいけないという不安からか、気持ちと体がかみ合わずに空回りをして失敗したのだと思います。朝の練習でも調子はよかったので、少なからず、最後まで集中力を保つことができなかったということだと思います。いい緊張をしているときはお客さんの顔が見えるのですが、今日は周りがあまり見えず、集中できていなかったと感じます。今は、むしろショートが1位でよかったなと思います(苦笑)。
 今後は試合の予定がどうなるか分かりませんが、しっかりと立て直して、その中で出てくる課題に取り組みたいと思います。今後は、ミスをなくして、練習から本番のつもりでいないといけません。来シーズンも厳しい戦いになると思うので、体力作りやジャンプを見直していきたいです。

■武田奈也「最終グループで滑れてワクワクした」
 あまり練習ができないシーズンで(フリーで)一曲を通してやれるかなという不安がありましたが、最後まで集中して、今できることは出せたのでよかったと思います。前回も最終グループで滑りたいと思っていたのですが、今回初めて最終グループで滑れて、緊張というよりは楽しさを感じました。お客さんも多くて、すごく応援してもらえて、ワクワクしました。今後に向けては、ケガをしっかりと治して、シーズンオフの時期にやっていた3回転−3回転などを試合に入れて決められるようにすることが課題。本番でも出せるように練習したいと思います。お正月は、20歳になってお酒が飲めるようになったので、飲んでみたいです。

■村上佳菜子「シニアの集中力を見習いたい」
 ちょっとミスがあったので、残念です。最初のルッツまでは緊張していましたが、そのあとは乗って行けました。お客さんに拍手をもらえて、すごく楽しかったです。緊張はそんなになくて、昨日よりお客さんが多いなと普通に見ていました。
 今シーズンは、はじめの海外の大会ではすごくドキドキしていたのですが、試合が多くてやっていくうちに慣れてきて、気持ちをうまく持っていけるようになりました。昨年よりはいいシーズンになっているし、自信はついたと思います。山田(満知子)先生からは、ジュニアGPファイナルでできなかったノーミスの演技をと言われていたのですが、失敗してしまって、演技後は「サルコウがねえ」と言われてしまいました(笑)。
 ジュニアGPファイナルからサルコウが崩れていて、大丈夫かなと思いながら跳んだのですが、それがいけなかったと思います。でも、失敗はしましたけど、自分の中で悔いはないです。シニアは、ジュニアやノービスと違って、みんな、オーラとか集中力があったので、そこは見習ってやらなければいけないなと思いました。世界ジュニア選手権に出られたら頑張りたいです。


フィギュア世界選手権代表決定 代表選手会見コメント
全日本選手権最終日


 全日本選手権の結果を受け、日本スケート連盟は2009年4大陸選手権(2月4−7日・バンクーバー)と2010年バンクーバー五輪出場枠がかかる2009年世界選手権(3月24−28日・ロサンゼルス)の代表を発表した。
 男女とも全日本選手権の上位3人が代表となり、織田信成(関大)、小塚崇彦(トヨタ自動車)、無良崇人(倉敷翠松高)、女子は浅田真央(中京大中京高)、村主章枝(avex)、安藤美姫(トヨタ自動車)に決定した。
 四大陸選手権の代表は男子が織田と小塚、南里康晴(ふくや)、女子は浅田真央と村主、鈴木明子(邦和スポーツランド)が選出された。アイスダンスはリード姉弟が出場する。
 以下、世界選手権代表選手による会見コメント詳細。

――世界選手権の代表に決まった感想は
織田 今シーズンの目標にしていた世界選手権出場ができて、うれしく思っています。なるべく上の順位を目指して頑張りたいです。
小塚 バンクーバー五輪の国別代表枠がとても重要な鍵となると思うので、世界選手権で3枠を取って来られるように自分の演技をして頑張りたいと思います。
無良 僕は初出場なので、本当に周りの選手に負けないように頑張るつもりでやろうと思います。
浅田 世界選手権は3回目になりますが、試合に入るまでに自分の調子をベストに持っていけるように頑張りたいです。
村主 3年ぶりに世界選手権に出場できることになってうれしく思います。若い方と一緒に行くので、勉強をさせてもらうつもりで頑張りますので、よろしくお願いします。
安藤 昨シーズンの世界選手権で棄権してから、同じ舞台に立てる切符をいただいたので、精一杯練習をして、前回と同じ失敗をせずに、表彰台に上る気持ちを強く持って頑張りたいです。
キャシー 今は、代表に決まってとてもよかったという気持ち。たくさん練習します。
クリス とてもよかったです。今シーズンはヒザを手術して難しいシーズンになりましたが……(序盤は日本語で話したが、途中から英語に切り替え、他の代表メンバーから「えー」と冷やかされる)、すべての大会が勉強の場なので、精一杯頑張っていきます。

――村主選手は3大会ぶりの出場となりますが、代表に決まった瞬間の気持ちは
村主 今日は、自分自身、精一杯できる演技をしたので、代表に決まればいいなという気持ちは強くありました。今シーズンは、世界選手権に向けて準備はかなりしてきましたし、最終的にはバンクーバー五輪への一つのステップだと思っています。

――女子3選手、世界選手権での目標は
浅田 世界選手権は、今シーズン最後の試合になるので、自分のできることをすべて、ミスなく確実に滑りたいと思います。
村主 ここまで来るのがなかなか大変でしたが、非常にたくさんの人が応援してくれたのでうれしい気持ちでいっぱいです。
安藤 今日はいろいろとハプニング(※女子シングルフリーの演技前練習で村主と衝突して足を負傷)があって、世界選手権に行けるかとても不安でしたが、強い気持ちを持って、足と相談してやった結果。自分の気持ちと、応援してくださる方の一押しが結果につながったと思います。自分と周りの人の気持ちを一緒に世界選手権へ持って行って、最高の演技をできたらいいと思っています。

――各選手、正月はどのように過ごす予定か
浅田 お正月はテレビ見たり、ショッピングしたり……、おいしいものを食べます。
村主 普段は向こうにいて日本の友だちになかなか会えないので、会いたいですが、すぐにまた米国に帰る予定です。
安藤 お正月は多分、日本にいます。でも足がよくないので、病院に通うことになると思います(笑)。
リード姉弟 リラックスして過ごしたいと思います。

――ニコライ・モロゾフさんがコーチをしている選手が多いが、モロゾフコーチはどのように支えてくれたか
織田 今年の4月から本格的に指導してもらっていますが、自分は試合で気持ちが弱くなってしまうのですが、ニコライは情熱的で(背中を)押してくれます。なので、自分も力強く滑ることができたのだと思います。
村主 練習にずっと付き合ってくれて、昨シーズンの状態から上へ引き上げてくれました。彼の力でここまで来られたのだと思います。何が一番よかったかと言うと……、自分では大変だったのですが、しゃべらせてもらえなかったことがよかったのか、悪かったのか……(笑)。
安藤 今年で3年目になるのですが、やっとお互いの気持ちが試合に向けて同じ気持ちで一つになって話し合いができるようになって、信頼関係ができてきたかなと思います。最後は「一つ一つ、エレメンツをやれば大丈夫」と、一押しして強い気持ちを持たせてくれます。ただ、私の場合は、コーチはモロゾフだけじゃありません。一緒に滑る回数で言えば、モロゾフがメーンですけど、門奈先生にジャンプを教わっています。今回、ショートでダウングレードにはなりましたが、3回転−3回転が入ったのは、門奈先生のおかげ。門奈先生がいなかったら、モロゾフの力があってもここまで来ることはできなかったと思うので、2人の先生に感謝しています。
キャシー 彼はスケーターをベストの状態に引き上げてくれる。選手の内面も外面も理解してくれているので、気持ちよく練習をすることができます。
クリス 彼は、氷の上でのいかなることも安心してできるようにしてくれる最高のコーチです。

――浅田選手、今日はジャンプで回転不足の判定をいくつか受けているが
浅田 まだ(得点表の詳細を)見ていないのですが、次の四大陸選手権までに直していきたいと思います。

――各選手、ここまで頑張ってきたことに対し、神様からご褒美がもらえるとしたら、何がほしいか
織田 (答えに困り、村主から「ほしいもの、ないの? 幸せだね」と突っ込まれて)幸せなので、幸せを分け与える力がほしいです。
小塚 (織田が何か耳打ちをするが、却下して)試合でクリスマスがなかったので、クリスマスが1日遅れでも、2日遅れでもあれば嬉しいです。でも、世界選手権の切符を取ることができたので、それが一番のプレゼントだと思っています。
無良 すごく普通で申し訳ないのですが、運転免許がほしいです。もうすぐ誕生日なので。
浅田 今、考えてます。先にどうぞ。
村主 (浅田の回答回避に驚いて)えっ!? 私は、スケートが一生できる体がほしいです。
安藤 今はとてもスケートをするのが好きで、気持ちもスケートに向かっているのですが、自分を信じる気持ちがなかなか持てないので、その気持ちを持たせてほしいです。
キャシー 子どもの頃におじいちゃんとおばあちゃんが亡くなってしまったので、この世に戻ってきてもらえたらと思います。
クリス 僕は、新しいヒザがほしいですね(笑)。
浅田 うーん。ショッピングとグルメツアーがしたいです。

――浅田選手、全日本は3連覇だが、これまでと気持ちは違うか。世界選手権では連覇がかかるが
浅田 今回は、自分の中でも3連覇したい気持ちがあって、ショートで少し考えすぎたかなと思います。でも、大きい大会で3連覇をしたことがなかったのでうれしいです。世界選手権では、まずは入っているエレメンツをミス無くこなすことを目標にがんばりたいです。

*** 以上、記事より ***

えと。始まる前のインタビュー、女子は5人いるのに中野のコメントがないのはわざとでしょうか?
コメントは、よくも悪くも各選手の性格が出ていて面白いんじゃないかと。
とりあえず今年は終了。また来年も楽しみにしています。

読書感想08/08-12

あんまり溜めてもな、と思って年内の感想はこのへんで打ち止め。
実際に読んでいる数は、下手すると1日1冊、少なくとも週1冊は必ず、という感じなのですが、さすがにタイトル出して感想書いてもいいかな、と思うものはそのうち2割あるかないかです。下手したら1割切るかも。

■ハリポタ7「ハリー・ポッターと死の秘宝」(上・下)<完>
ヘドウィグが〜。マッド・アイがー。クリーチャーがー! ドビーが! フレッドが! スネイプが! ダンブルドアが! ってとりあえず叫んでおけばいいかな。事前にあれこれ言われた話は、結局何だったんだって気がしなくもないけど、概ね大団円の方がありがたいです。

■早見和真 「ひゃくはち」(集英社)
ええと。先に映画の予告か何かで知ったんですよね。
原作本(今年6月下旬刊行/出版分は500ページだそうな)が完成する前の1000ページ超の作品を元に脚本を書いたという監督の作った映画(今年8月上旬公開)のストーリーが全く同じになるはずがないし、実際、映画サイトのプロダクションノートにははっきり(幾つかのエピソードを除き)「全く異なるストーリー」と書かれていたにも関わらず、映画版の「ストーリー」のイメージのまま読んでしまいました。
ベンチ入りを賭けてけっこう部内の壮絶な争いが繰り広げられるのかと思ったのですが、意外と「まぁいいんじゃない?」くらいで済んでしまったのがちょっと拍子抜けだったような。どんな想像したんだ、って突っ込みはさておき、映画も行きたかったんですが、関東圏の上映館で残っているのって宇都宮だけ?(9/22現在) そこまで行って観るくらいならDVD買った方が安い気がする…。
あ。モデルは多分、神奈川県の某Y校で間違いないと思いますが、「ダークグレーのユニフォーム」は高校野球では禁止されているはず。(濃い色ダメなんですよ) 実際某Y校はライトグレーだし。そしてライバル校の大阪の学校は、当然P校だよなー。
98年の夏の準々決勝、延長17回でY校が勝った試合と、彼らが春に対戦した時の1点差Y校勝利の試合と、翌年選抜で1点差P校勝利の試合を足して3で割ったような内容の試合がありました。ちなみに98年は松坂がエースでした。年間自己最多の18勝おめでとう!(9/22現在)

■前田栄 「死が二人を分かつまで」全4巻(新書館)
「死がふたりを〜」@たかしげ宙ではありません。Wings文庫の方。
見事なまでにヒロイン放置、というか全部一方通行か? ってくらい擦れ違いだらけの話でした。ヒロインの初恋の人(?)は彼に執着した不死に限りなく近い男と相討ちになり、ヒロインが気にかけている人(男装の麗人)はヒロインの初恋の人に夢中で(以下略)。狼男→聖女の末裔(ヒロイン)→ヘルシング(女)→ヴァンパイアの僕(男。死亡)(←?)→ヴァンパイア(男。死亡)……。で、狼男〜ヘルシングまでの3人と、ヘルシングと契約結んでいるヴァンパイア(男)が世界旅行に出るところで完結。最終巻になってネタばらし量が凄いんですけど……こんな設定もアリかー! と思いました。全巻にわたって、ヒロインより主と僕の確執がメインだったしなー。まぁ、普通に楽しめました。

■田中芳樹 アルスラーン戦記13「蛇王再臨」
エステルの怪我の話とかは記憶からすっぽ抜けていたんですけど…うーわー、銀英2巻でキルヒが退場したのと同じくらいの衝撃でした。今までも何度か出てきていた「十六翼将」ですが、あっという間に欠けました…ええええ。そんな馬鹿な。揃うのを待っていたのに、揃ったと思ったら欠員ですか。酷いよぅ。戦記ものだから仕方ない、のかも知れませんが…癒しが欲しいなぁと思った巻でした。そういや編集さんが「ラジェンドラが癒し」と言ったとか言わなかったとか。あ、で。タイトル通り蛇王復活したところでつづく、だったので、あんまり待たされないこと希望。

■山名沢湖 「つぶらら」全4巻(双葉社)
漫画です。何でアイドルもの!? って感じでしたが、けっこう面白く読みました。ヒロインはアイドルユニットマニアの子で、ひょんなことから自分も別の子とアイドルユニット「つぶらら」を組むことになってしまったけれど、それは「打倒××(ヒロインが好きなユニット。同じ時間帯の番組だから!)」を掲げていて、高校野球の応援に行ったり(ここか、ここなのか!?)、地域のローカル番組に出たりして活動していたんだけれど、相手の子が全国区に進出したいと言い出して解散。相方の子は(4巻で)、ヒロインの大好きなグループのひとりが抜けた穴を埋める、という一種裏切りのような形での全国区デビューを果たしました。でもそのお蔭で「つぶらら」CDが大ヒット。ヒロインは憧れのユニットのコンサートにコラボ出演することができたのでした、でハッピーエンド? 某甲子園常連校主将(確かそうだったと思う)がヒロインのことを気にかけていて、でも全然進展するそぶりもなく(コンサートで花束渡してはいたけれど、友人からの入れ知恵で本人そんな気なかったっぽい)終わっちゃって、ひたすらほわほわした絵とほわほわ世界のままでした。個人的には可愛い要素いっぱいで満足ー。でも、本当にそれだけなので、あまり人にはお勧めできないかも。

■茅田砂胡 「追憶のカレン」 クラッシュ・ブレイズ
学校を止めたがっていた、には思わずぽかんとしましたが、それ以外は特に問題もなく。
シェラ行方不明!? については読んで納得。「伝説の海賊船の初めての海賊行為」が面白かったかな。
相変わらず怒る論点がちょっとずれている気がする人たちでした。

■須賀しのぶ 「アンゲルゼ」全4巻(集英社)
以下、4作品。
・孵らぬ者たちの箱庭
・最後の夏
・ひびわれた世界と少年の恋
・永遠の君に誓う
須賀さんにしては珍しく、うだうだっとした少女が主人公。でも軍隊は健在。
どうなることかと思ったけれど、少しずつ成長していくにつれ、更に過酷な状況が待っているのもいつものことで、最後はきっちり決断して旅立っていきました。
何よりびっくりなのは、10年会えなくても一途ってどれだけ辛抱強いんだ幼馴染。
あーでも、いっつもそんな感じ? 突き進んでいくヒロインと、割と健気で一途な男共。一昔、いや二昔前なら「役割逆だろう」と言われかねない内容ですが、それ故に根強い支持があるのでは? と思います。私も読み始めたのが94年のデビュー当時からだから…けっこう長いな。
そして、突き進むヒロインと健気な男共、と聞いて須賀作品以外に咄嗟に思いつくのが「彩雲国」ってあたり、どうなんだろうなーと思わなくもない…。


ええと。「マリみて」が完結したので追記しようかと思ったんですが、現時点で単行本未収録の短編もあるし、シリーズ完結とは言い切れないかも、ってことでしばらく放置予定。友人の思惑通り初代薔薇さまにコケたから、他の子に全然愛着が沸かなかったわけではないけど、その後が長くてけっこう辛かった、かも。とほほ。(´_`)┌ (2008/12/30追記)

映画感想08/11-12

半年くらい見ていませんでしたが、ようやく見に行けたので3本分。

■レッドクリフ・Part1
字幕が戸田奈津子…って時点で適当に流す気満々でした。それと、冒頭で流れたナレーションが日本語でびっくり。大雑把に三国時代についての説明がされたところで本編へ。以下、ネタバレ。
全体的に戦のシーンが多かった、かな。しかも、何故か無意味に1対多数のシーンが多い。役者の見せ場を作ろうってことだったのかも知れませんが。趙雲、張飛、関羽…後半は甘興と周瑜まで加わって大変。中でも、関羽はやたら決めポーズをつけたがってですね、本物の戦でそんな悠長なことやっている場合じゃなかろう、って思いましたね。あと、雑兵(…)が敵兵を殺すシーンなんですが、槍で滅多刺し…何度も何度もそういうシーンが出てきたところを見ると、中国の伝統なのかしらーと思ってしまう。小喬はさすがに美人でした。
あとは順を追って。阿斗を連れて逃げる時の趙雲、凄い適当な背負いっぷりだな。よく窒息しなかったよあれで。(当然途中はただの荷物を入れていただけだろうけど) 孔明が前線に出すぎです。剣技に自信がないなら兵士に守られていようよ。甘興、何か見たことあるような気がするんだけど誰だっけー? と思ったら中村獅童だったか! 日本人だよねこれ、まで気付いておいて誰だか分からなかった自分にがっくり。周瑜と孔明の合奏は全然合奏に聞こえず、対抗心むき出しに音をぶつけ合っているとしか思えませんでしたが、私の耳が悪いのでしょうか。んで、疑問がひとつ。赤壁で周瑜が矢傷を受けたのは、趙雲を庇ったから、なんて設定なかったよね? これは単にドラマチックに仕立て上げる為のネタだよね?? 小喬の包帯巻きはありえないくらい下手でした。曹操が「女の為に戦を仕掛けた」話が配下の武将たちに知れ渡るのは時間の問題? 孔明の白鳩が頑張っていました。といっても途中はCGでしたが。白い鳩ー(笑)。

■ブラインドネス
ひとことで感想を言うと「ぽかーん」…。
まず、パンフ\900にびっくり。帰宅して中を見てみたら、一部写真集みたいになっていて、厚さも6mmちょっと。これじゃ仕方ないかな。字幕は太田直子さん…知らないかも。ヒロインは眼科医の妻、という役どころのジュリアン・ムーア。クラリス@ハンニバルです。その時も思ったけれど、やはり肌が美しくないのが…うーん。ハンニバル公開記念で「羊たちの沈黙」をTVで流しているのを見て、クラリス@ジョディ・フォスターの美しさにおおおーと感動してから観に行っただけに、がっくりきたのを覚えています。ま、それはさておき。R-12指定も仕方ないなーという内容でした。
以下、ネタバレ。
ホワイトアウト、ブラックアウトの多い作品でした。あと、裸体率も高かったような…木村佳乃と、もうひとりの女の子は綺麗でした。あとは少年の存在に和んだかな。
簡単なあらすじは、唐突に見えなくなった人が出現し、次々と感染、患者は隔離され、隔離施設でのサバイバルが始まり…極限状態の中、恐怖で他者を支配する男を、実は目が見えたまま夫と共に収容されたヒロインが殺し、他の女性も手探りで施設に火をつけ、燃え盛る施設から脱出してみたら街中感染者だらけで、そこでもまたサバイバル。行動を共にした数人は、ヒロインたちの家で暮らすことに。そんな日々が始まってすぐ、最初の罹患者が唐突に視力回復。他の人たちが希望を見出す中、ヒロインが「私の番」とか言いつつ終幕。
「白の病」の原因不明、回復した理由も不明。ヒロインがその後失明するかどうかももちろん不明。消化不良のままエンディングでした。去年、やっぱり某の為に「あと1回」に迫った無料券ゲットを狙って観に行ったマリアは、それなりに楽しめただけに、残念。

■(恒例のやつ)
脇キャラがいい味出していました。ヤツが1番活躍したんじゃなかろうか。
ついでに、私の好きなやる気なさげなヘタレ(…)が正装だったり本気出してくれちゃったり、涙ぐましいことやっていたりして、あーあーと思ったり。振り回されて可愛いツンデレ子ちゃんも含め、罪作りな誰かさんは相変わらずでした。見に行った理由がそのふたり(ヘタレと罪作りな誰かさん)と主題歌の為っていうんだからどうかと思いますが。それなりに楽しんでこられました。
ちなみに去年の主役格もお気に入りの子ですが、去年は誤魔化して感想書かなかったんでした。

GPF2008@韓国

フィギュアスケート界初の試み! 国別対抗団体戦を4月に開催

フィギュアスケート界初の国別対抗団体戦「世界フィギュアスケート国別対抗戦2009」が来年4月16日(木)から4日間にわたって開催される。
今回新たに新設されたこの大会は、国際スケート連盟(ISU)公認の大会としては初の団体戦で、出場できるのは、国別ランキングにおける上位6カ国のみ。このランキングはグランプリシリーズ(GPシリーズ)、グランプリファイナル(GPファイナル)、世界選手権など今シーズンに開催される主要大会で選手が獲得したポイントを国別にランキングし直したものとなるが、ホスト国である日本の出場はすでに決定している。1カ国あたり、男女シングル2名ずつ、ペア1組、アイスダンス1組の計8人で構成され、出場選手もGPシリーズやGPファイナルなどの各国上位者のみとなる。今月12日(金)には、GPファイナル(韓国・ソウル)が行われる。その結果で大会に出場する国と選手が絞り込まれてきそうだ。

[女子シングル]
1位 キム・ヨナ(韓国)
2位 ジョアニー・ロシェット(カナダ)
3位 浅田真央
4位 カロリーナ・コストナー(イタリア)
5位 中野友加里
=========
6位 安藤美姫
6位 村主章枝
[男子シングル]
1位 パトリック・チャン(カナダ)
2位 小塚崇彦
3位 ジョニー・ウィアー(アメリカ)
4位 ブライアン・ジュベール(フランス)
5位 ジェレミー・アボット(アメリカ)
=========
24位 織田信成
25位 南里康晴
※ランキングは11月30日時点。GPシリーズなど選考対象の大会を基準に算出

【大会日程】2009年4月16日(木)〜19日(日) 国立代々木競技場 第一体育館


<インタビュー>キム・ヨンア「ミスを減らし、よい結果出したい」

【永宗島9日聯合】「国内ファンの期待に応え、ミスを減らし、よい結果を出したい」――。女子フィギュアスケートのキム・ヨンアがグランプリ(GP)ファイナル3連覇達成に向け覚悟を語った。
 京畿道・高陽で開催されるGPファイナル出場のため、キム・ヨンアは9日に帰国した。仁川国際空港でインタビューに応じ「韓国で開催される国際大会に初めて参加することになりうれしい。国内開催だけにファンも好成績を期待している。声援が力となり最高の結果を得られれば」と抱負を述べた。
 今季GPシリーズでは第1戦と第3戦に出場、どちらも優勝し女子シングル選手で真っ先にGPファイナル出場権を手にした。第3戦を終えてからのトレーニングは体調を整えることに気を配り、ミスを最小限にとどめることに注力した。国内でのGPファイナルに「正直に言って心配も多い」が、第3戦では国内ファンが中国まで駆けつけ応援してくれたことが励みになったといい、当時の感覚を生かし慌てず競技に臨むと意欲をみせた。
 今大会の目標については「2大会で満足のいく結果を得たので、自信を持って演技したい。優れた選手が多く出場するので緊張もするが、自分のすべきことだけをきちんと成し遂げたい」と語った。また、第3戦でフリップジャンプがロングエッジ判定を受けたことについて「まったく問題がなかったジャンプで予想外の結果が出たため当惑した」と振り返ったが、これまで練習してきた通りに滑れば今回は無理はないはずだと自信をのぞかせた。
 同い年のライバル、日本の浅田真央との国内初対決については「浅田選手だけでなくほかの選手らの器量も優れている。皆同じライバル」と語り、特別な思い入れはみせなかった。
 2〜3年前から大会のたびに負傷に悩まされてきたが、そうした経験から得たものも多い。「けがを予防し、前もって治療することの必要性も分かった。健康な状態で今シーズンを終えたい」と意気込みを示した。


フィギュアスケート、グランプリファイナル見どころ
キム・ヨナ、浅田真央の直接対決は!?


 2008年グランプリ(GP)ファイナル。女子シングルは、これ以上ないくらい順当なメンバーがそろった。
 キム・ヨナ(韓国)、浅田真央(中京大中京高)、安藤美姫(トヨタ自動車)、カロリーナ・コストナー(イタリア)と、ここ2年の世界選手権メダリストは、もれなく集合。中野友加里(プリンスホテル)とジョアニー・ロシェット(カナダ)も、彼女たちを追いかけるメンバーのうち、最も力のある二人だ。
 GPシリーズは組み合わせの妙もあって、「あれ、彼女が出てきたんだ?」という意外な進出者が、毎年一人二人現れるもの。ここまで順当に最強メンバーがそろうなど、かえって珍しいくらいだ。
 今一番強いメンバーが、シーズン前半から手を抜かず、こうして顔を合わせる――このまま世界選手権の、さらにはバンクーバー五輪の前哨戦といってもいいほどの充実した戦いが見られそうだ。

■最大の見どころはキム・ヨナと浅田真央の対決
 一番の見どころは、やはりキム・ヨナと浅田真央の頂上対決。GPシリーズの2戦では、キム・ヨナは両試合とも2位に20点以上の差をつけて連勝。一方の浅田真央は、エリック・ポンパール杯(以下、エリック杯)で大崩れを見せ、NHK杯ではほぼパーフェクトと、波のある戦いぶりが心配された。
 安定感からいえばキム・ヨナ有利か……とも思えるが、実はキム・ヨナの2勝も完ぺきな演技で勝ち取ったものではない。スケートアメリカでも中国杯でもショートプログラムで小さなミスをしているし、フリーでも3回転ジャンプがシングルになるなどの失敗がいくつか見られた。また中国杯では、絶対の自信を持っていたフリップジャンプの踏切りがエラー判定され、戸惑う場面も。特にエッジエラーに関しては、次戦よりナーバスにならざるを得ないだろう。
 それに比べて浅田は、エリック杯で大きく崩れたものの、NHK杯であそこまで持ち直したことで、いい勢いを持ったままファイナルに臨めそうだ。フリー2度目のトリプルアクセルが回転不足にとられたことは残念で、キム・ヨナ同様、厳しくなったテクニカルスペシャリストの目とも戦う必要はある。しかし今の浅田真央なら、「今度は絶対にクリーンに決める!」とダブルアクセル判定もバネにしてくれそうだ。
 キム・ヨナには、初めて自国で開催される大きな国際大会、そして3連覇がかかるファイナルという大きなプレッシャーもある。ホームグラウンドとはいえ、ライバル日本からは3人もの精鋭が押し寄せてくる。精神的にも、状況的にも浅田真央が一歩有利、と言っていいだろう。
 しかし今大会、あっという間にチケットがソールドアウトし、注目度も半端ではない韓国。「国民の妹」の表彰台での笑顔を誰もが心待ちにする中で……ここで勝てたら、キム・ヨナの精神力は、本物だ。

■安定感のある20代の選手たち
 10代の二人の対決に注目が集まる中、他の4人は全員20代。しっかり自分のスケートを確立させている世代の戦いもまた、見逃せない。
 女子シングルはアメリカ勢を中心に、ジュニアから上がったばかりの若手の攻勢が凄まじい。彼女たちがバンクーバーでは台風の目になるのではないか、今シーズンあたりからもう、トップ争いに絡むのではないか……そんな予想もあった。しかし並みいる若手選手すべてを抑えて勝ち上がってきたのは、技術的にも安定し、精神的にも充実した20代選手たちだ。
 中野友加里は今シーズン、トリプルアクセルこそまだ入っていないものの、バレエ音楽を使ったフリーの高い演劇性が話題。衣装も振り付けも、一度見たら忘れられないインパクトで、何度も繰り返し味わいたくなる美しいプログラムだ。ことし2月の四大陸選手権には出場しなかったため、韓国での試合は江陵で行われた05年の四大陸以来、4シーズンぶり。初めて中野友加里を見るだろう韓国のスケートファンにも、きっと「ジゼル」は愛されるプログラムになるはずだ。
 カナダからはエース、ジョアニー・ロシェットが参戦。彼女はここ数年ずっと見せ続けてきた、「ロシェットといえばこんなスケート」という持ち味=力強さがありながら女性らしい繊細さも表現できる美点を、今シーズンは最大限に生かしている。プレオリンピックシーズン、多くの選手が「大胆な挑戦ができる最後の年」として、これまでの自分の殻を破るようなプログラムにチャレンジしている。しかしロシェットは、奇をてらったイメージチェンジをするのではなく、長い時間かけて培い、見せ続けてきたものを、その延長線上で昇華してきた。彼女のスタイルは個性的ではなく、オーソドックスといっていいものだが、そこには「このスタイルこそが私!」という確固とした自信が見える。22歳、自らの道を進み、ここまで来た。尊敬に値するベテランだ。
 安心して見ていられる2選手に比べ、20代になった今でもまだ、演技に少し不安定なところが残るのが、コストナーと安藤美姫。
 コストナーはスケートカナダ4位、ロシアカップ1位と、大波を乗り越えてファイナリストになった底力はさすが。しかしまだどうしても、大きく転倒する姿が目に焼きついてしまう試合展開が多い。ショートプログラムのタンゴなど、今シーズンは意欲的な挑戦をしているだけに、万全の調子のコストナーがどれだけのオーラを放つのか、ぜひ楽しみにしたいところだ。
 一方で安藤美姫は、目立つほどのミスはなく2戦を無難にこなしてきた印象。しかしあれほど跳びたがっていた4回転サルコウに、まだ挑めていないことが気にかかる。まずはファイナル進出を優先してきたモロゾフコーチも、今回は大きなチャレンジにゴーサインを出すだろう。安藤もまた、4回転を入れたプログラムでどこまですごみを見せてくれるのか、コストナー同様、トップコンディションの演技を心待ちにしたい。
 そしてやや安定感に欠けるものの実力は無限のこの二人が、すべてを出し切ったら……2強と呼ばれる浅田真央、キム・ヨナも、うかうかしてはいられない。順当に勝ち上がってきた6人の間で順当な結果が出るのではなく、それぞれの選手の意地がぶつかり合うことで、大きな波乱が起こる――女子シングル、そんな展開も期待したいところだ。

■意外なメンバーがそろった男子
 おなじみのメンバーがきれいに顔をそろえた女子に比べ、男子は「彼がファイナルに!?」という驚きの出場者が多い。女子とは逆の意味で、面白い一戦になりそうだ。
 ファイナルでおなじみ、といっていいメンバーは、ブライアン・ジュベール(フランス)とジョニー・ウィアー(アメリカ)のみ。19歳の小塚崇彦(トヨタ自動車)はうれしい初出場、17歳のパトリック・チャン(カナダ)は昨年に続き2度目の参戦だが、次世代の星と思われた選手が二人もそろうとは、少し意外だった。
 また23歳ながらGPシリーズ初優勝を飾ったジェレミー・アボット(アメリカ)。20歳を過ぎてから急激に力を伸ばし、ヨーロッパチャンピオンの称号を得たがなかなかファイナルまではたどりつかなかったトマシュ・ベルネル(チェコ)。遅咲きのふたりもファイナル初出場だ。
 ステファン・ランビエール(スイス)、ジェフリー・バトル(カナダ)、高橋大輔(関西大大学院)が戦線離脱したことで、混戦気味になったGPシリーズ6戦。その流れをそのまま表した6人の戦いは、女子と違って非常に予想が立てにくい。
 エリック杯4位と苦汁をなめたジュベール、スケートアメリカ、NHK杯ともに2位に甘んじているウィアー。二人がうっぷんを晴らすような演技で、トップスケーターの底力を見せてくれることを、まずは期待しよう。
 ジュベールが見せてくれるのは、新しい振付師エフゲニー・プラトフとともに作り上げた雄々しいプログラム。ウィアーが見せてくれるのは、彼が本来持っている美しさをさらに増幅させる、フレンチミュージックでのプログラム。両極端の持ち味をさらに推し進めたふたりが、持てる力すべてで自分の世界を描いてくれたら……フィギュアスケート男子のまったく違う二つの魅力、その両方を、観客は楽しめることになる。
 テイスト的には彼らの中間に位置していたランビエールやライサチェク、バトル、高橋大輔がいない今、もう思う存分に「俺の世界!」を、行きつくところまで行った個性の爆発を見せきって欲しい。

■ベテラン対若手の世代対決も
 トップスケーターふたりに立ち向かっていくのは、今シーズン躍進著しいふたり、小塚崇彦とパトリック・チャンだ。4回転はまだ持たず、代わりにずば抜けて美しいスケーティングテクニックを高く評価された二人が、一度は勝っている(スケートアメリカで小塚1位、ウィアー2位、エリック杯でチャン1位、小塚2位、ジュベール4位)両雄を再び制することができるか?
 4回転ジャンプの有無が勝負にどう影響するかも話題だが、小塚、チャンとウィアー、ジュベールの戦いには、もうひとつ大きな意味がある。それは、ノーブルで見る人誰をも心地よくさせる若い二人が、アクの強さでは誰にも負けないベテランふたりの個性とぶつかったとき、どこまで自分をアピールできるか、だ。もちろん小塚、チャンにもそれぞれの持ち味はある。しかし小塚といったらこんなスケート、チャンといったらこんなスケート、というほどの強いインパクトは、ジュベールやウィアーほどは、まだないかもしれない。それは「華」、「存在感」という言葉に置き換えてもいいだろう。これから先、世界の本当のトップに立つためには、ぜひ彼らに身につけてほしいもの。トップスケーターに必要なのはジャンプや滑りの技術だけではないことを、ジュベール、ウィアーとファイナルでぶつかることで、若いふたりは気づくのではないだろうか。
 そして22歳のベルネルと23歳のアボット。彼らふたりには、また別の意味で大きな期待をかけたい。
 この秋に引退を発表したランビエールやバトルと同世代。にもかかわらず、ファイナル初出場。アボットはアメリカ男子シングルの厚い選手層に苦しみ、世界選手権にも今年3月、22歳にして初出場。ベルネルは国際舞台経験こそ豊富なものの、長く表彰台には遠い位置にいた。07年の世界選手権で4位に入るまでは、世界選手権20位以下、予選落ちなどという結果を繰り返していた選手だ。
 現在のトップスケーターたちはジュニア時代から注目を集め、早くからトップとして活躍してきた。その一方で大きな故障も抱え、20代前半での引退も余儀なくされている。男子シングルは本来、身体ができあがり、パワーも増す20代前半に頭角を現し、20代後半で円熟期を迎える、そんな種目であったはずなのに、バトル、ランビエールの早すぎる引退はあまりにさびしかった。やはり4回転などの高難度ジャンプは身体に負担をかけるのか、選手生命をちぢめてしまうのか……危惧する声も上がっている。
 そのなかで、ベルネル、アボットと遅咲きのふたりの活躍はうれしい。小塚、チャンなどの早熟の天才もいる一方、ゆっくり伸びてきて、丈夫で長持ちの彼らが、ひとつ下の世代とも元気に戦っていく様を、今回のファイナルで、そしてできれば次の次のオリンピックくらいまで、見ていたいと思う。


小塚崇彦、未来につながる銀メダル
グランプリファイナル 男子シングル総括


 ショートプログラム終了時点で、小塚崇彦(トヨタ自動車)が1位。
 初出場の彼の、まさかの大金星を期待してしまった人は多いだろう。しかも最強の敵と思われていたブライアン・ジュベール(フランス)が、背中の痛みを訴えてフリーを棄権。これで、本田武史も高橋大輔も成し遂げられなかったファイナル優勝が近づいてきたようにも見えた。

■アボットの美しい演技
 試合が始まってからは、ジュニアからのライバル、パトリック・チャン(カナダ)がくずれ、4回転を持つトマシュ・ベルネルが4回転以外のジャンプで崩れ……ジョニー・ウィアー(米国)がループの2回転など細かなミスをいくつかして演技を終えたとき、また少し奇跡を思ってしまった。小塚がいつもどおりの演技をすれば、これは勝てるかもしれない、と。
 しかしそんな思いを気持ちいいくらい鮮やかに打ち砕いてくれたのが、アメリカの23歳、ジェレミー・アボットだ。小塚と同じくファイナル初出場、ベテランではあるがグランプリシリーズは昨シーズン、22歳で初参戦。初出場の08年世界選手権でも11位という彼が、ファイナルに残ることを予想できた人は少なかっただろうし、ショートプログラム(SP)終了時2位という好成績も意外だった。その彼が、4回転こそ回避したものの、トリプルアクセル2回を含む6種類のトリプルすべてを成功。動きが体にしみこんだような美しいジャンプだけでなく、貴公子然としたしぐさにも目が吸い寄せられてしまう。美しい男子スケーターはこの世界にたくさんいるが、アボットの美しさには、今この年齢で上り調子という勢い、そして若いころから国際試合で演技を見せてこなかった分、新鮮味も伴っていた。
 ジャンプが決まるたびに貴公子ぶりはあがり、端正なだけでなく、品がありながらも猛々しい動きも見せる。圧巻のフィニッシュでは騎士のようなポーズで決め、演技後には何度もガッツポーズ。この演技を見せられて思ったのは、優勝はもうジェレミー(アボット)でいいな、ということ。4回転こそなかったが、大舞台での優勝にふさわしい演技。こんなプログラムを見たくて、ファンは会場に足を運ぶのだ。

■ハードルのあがった小塚の舞台
 場内の興奮が覚めやらぬまま、小塚が登場。さあ、難しくなったぞ、と思った。アボット以上の演技ができなければ、優勝はない。でも、もしこれ以上の演技ができて勝てたとしたら、ほんとうにすごいことだ。
 実は試合前、ジュベールが棄権をしたとき、かなりがっかりしてしまっていた。やはり万全の状態の強敵がそろった試合で勝ってこそ、金メダルの意味がある。ライバルたちが総崩れで、小塚が無難な演技で勝ってしまっても勝ちは勝ち。でもできれば、ジュベールもウィアーにもきっちり競り勝って、ニューヒーローには初の栄冠を取ってほしかったのだ。
 そういう意味で、アボットの圧巻の演技は、この大会の価値自体を高めてくれたように思う。無難な演技をしていたら勝てない。このアボットを凌駕(りょうが)するものを見せてこそ、金メダリスト。若い小塚に年齢的にはベテランのアボットが用意してくれた、素晴らしいハードルだ。
 勝っても負けても、彼にとってこの一戦は、きっと素晴らしいものになる。
 かくして迎えた最終滑走。スケーティング巧者がそろったファイナリスト5人のなかでも、群を抜いて美しい滑りは今日も健在だった。最初の4回点トウループも、国際試合では初めて転倒を免れて両足着氷。トリプルアクセルの3回転−3回転も、GOE(※)+1.6がつく破格の美しさ。いい感じのスタートだ。安定した滑りやジャンプだけでなく、天を仰ぐしぐさも、手をすっと前に出すしぐさも、ドラマチックな音楽に自然に溶け込んでいる。このまま後半、課題のひとつである4分過ぎのトリプルアクセルさえ成功させれば……そう思った矢先、アクセルの一つ前のループで転倒。ああっと思っているうちに、アクセルも転倒……両腕に風を受けるようなさわやかな滑りは最後まで続いたが、二つの転倒はやはり大きい。ほんとうにあと、もう少しのところでのジャンプ2ミス。フリーは残念ながら3位、ショートの貯金のおかげで総合2位となった。

■次につながる銀メダル
 多くの人は、ここまでトップに近づいた試合、惜しかった、もったいなかったと思うだろう。でもまだ、グランプリファイナル初出場。ここで勝ってしまっては、先の楽しみがない。誤解を恐れずに言えば、勝利を手にするときは、4回転が完成したとき、さらには観客をひきつけるチャームを身につけたときでいいと思う。
 すでに世界のトップスケーターとして名をはせている女子選手たちの試合を見るときに比べ、小塚の試合はずいぶんわくわくと、楽しんで見ている自分に気がついて、なんだかおかしくなってしまった。優勝しか期待されていない選手を見るときは、「うまくいってほしい!」と強く願いつつ、手に汗を握りながら見てしまう。しかし、まだまだチャレンジャーの彼。うまくいったら大喜び、ダメだったらさあ次へ。そんな気持ちで、どちらに転ぶか楽しみながら見ることができる。もちろん、本人は悔しいだろうが、今回の銀メダルで、こちらは次のチャンスへの期待が膨らむ。日本人はスポーツを見るとき、どうしても若い選手に大きな注目をするし、彼らが若くして天才的な活躍をすることを期待する。でも、若い選手こそ、ひとつずつ階段を上っていくところ、ひとつひとつ新しい魅力を身につけていくところを、慌てずに見守っていきたいと、私は思う。
 そうはいっても小塚は、あっというまに世界のトップスケーターへの階段を駆け上っていってしまいそうだ。近い将来に必ず「絶対勝ってもらいたい」という思いで、どきどきしながら見守る日はやってくる。そうなったら楽しんでいる暇などない。彼がつまずいたり、立ち止まったり、悔しがったり、悩んだりするさまを見守れるのは、きっとあと、ほんのわずかの間だろう。


浅田真央、美しき“モンスター”の君臨
グランプリファイナル 女子シングル総括


 ほとんど誰も跳べないトリプルアクセルを、2度も跳ぶようなモンスターに、もう誰もかなわないのではないか――。グランプリファイナル女子フリー、同じ国の取材陣さえ空恐ろしさを感じた、浅田真央(中京大中京高)の強さだった。

■史上初、2度のトリプルアクセル
 ショートプログラム(SP)こそ、コンビネーションジャンプのダウングレード判定で、キム・ヨナ(韓国)に次ぐ2位。しかしフリーで跳んだ2度のトリプルアクセル――。
「公式戦で女子選手が史上初めて、2度の3回転半を跳びました。私はこれを誇りに思います」
 大きな体をゆすって興奮気味にタチアナ・タラソワコーチが宣言したように、世界初の記録。シーズン前から今季の目標として本人が掲げてきたことを、ついに実現させてしまったのだ。
 同じく選ばれた者だけが集まる男子シングルのファイナルでも、フリーに参戦した5人の選手全員が、この「トリプルアクセル2回」に挑んでいる。しかし、成功させたのは二人のみ。男子の世界トップクラスでさえ跳びあぐねてしまうものを、浅田は涼しい顔をして跳んでしまった。本当にこの美しいモンスターを、どうしたらいいのだろうか。
 この夜、ライバル、キム・ヨナの演技もまた、大歓声を受けるにふさわしいものだった。6選手のうち、ただ一人成功させた3回転―3回転は、浅田の後に見てもスピード感いっぱい。音楽をコントロールしているような体の動き、何かを語ろうとする心の動き……本当に細かなところまで神経が行き届いている。ルッツのパンク、サルコウの転倒という明らかなミスがなければ、もしや……と思ってしまうほどの、素晴らしい演技だった。浅田さえいなければ、ほとんどの国際大会で優勝できる水準だっただろう。しかし今回は、相手が悪すぎた。昨夜、世界中で歴代の女子シングルチャンピオンが、浅田と同じ時代の選手でなかったことに安堵(あんど)しただろうし、彼女のライバルとなってしまったキム・ヨナを気の毒に思ったはずだ。

■五輪へ向け、さらなる成長を誓う
 さらに驚くことに、フリー終了後の取材で、浅田はこんなことを語っている。
「これからの目標は……まだまだ跳べるジャンプはたくさんあります。きょう跳べなかったフリップ―トゥの3回転―3回転。それからトリプルルッツ。練習して、次の試合では決められるように!」
 本人は、トリプルアクセル以外が完ぺきでなかったことが不満らしい。まだまだ点数を伸ばしていく気満々だ。
 シーズン前半のここまでで、トリプルアクセル2回、ルッツのロングエッジ克服、苦手なサルコウの成功に至るまで、すべてをクリアしてしまったというのに、まだ進んでいくつもり。もはや浅田の敵は浅田以外ないように見える。メンタル面での不安も、シリーズ1戦目の大失敗が今となっては遠い昔のことのように思えてしまうほど。それほどの気力の充実が、ファイナルチャンピオンの座についた浅田からは感じられる。
 もうこれから先、バンクーバー五輪まで……果てしなく成長していく浅田を、私たちは追いかけていくしかないのだろうか?

■キム・ヨナ、安藤、中野の追随に期待
 ここで期待したいのは、浅田を追いかける選手たちの奮起だ。キム・ヨナも、2位に甘んじたとはいえ、プログラムコンポーネンツ(構成点)では浅田を1点上回り、エレメンツスコア(技術要素点)も3点以下の差まで詰め寄っている。決して勝てない相手ではないと、次にライバルと試合をする日に向けて、また技術を磨いてくるだろう。
 さらに期待をかけたいのは、中野友加里(プリンスホテル)、安藤美姫(トヨタ自動車)ら日本の選手たちだ。
 今回のファイナルでは、中野5位、安藤6位と、そろって力を出し切れなかった。しかし中野はトリプルアクセルに、安藤は4回転サルコウに、それぞれ今シーズン初トライ。ともにダウングレード判定を受けて点数にはつながらなかったが、果敢な挑戦には拍手を送りたい。中野のトリプルアクセルこそが、浅田の技を「世界唯一」と言えなくしているもの。安藤の4回転も、成功すればトリプルアクセル以上のインパクトを持つ大技だ。彼女たちこそが、浅田の独走を阻止する武器を持っている。

■浅田にはない「滑りたいスケート」
 さらにふたりには、浅田がまだ持ち得ていない、「自分の滑りたいスケート」がある。中野が今シーズン氷上で演じるのは、柔らかな女性らしさを持つ伝説上のヒロイン。本当は負けん気の強い、根性がモットーの彼女が、あそこまで物語にはまった女性像を演じきれてしまうのは素晴らしい。ファイナルでも細かなミスを出しつつ、最後まで「ジゼル」のほほえみを絶やすことはなかった。
 安藤の持つものは、同じ女性らしさでも、つややかさ、妖しさといったもの。交響曲第3番「オルガン」に曲を変えたばかりのフリーでは存分に出し切れていなかったが、滑り込んできたSP「チェアマンズワルツ」では、手の長さを美しく生かしたアームムービングなど、彼女ならではの味わいで魅了してくれた。
 中野、安藤らは自分たちで曲を選ぶなどして、積極的に「自分の滑りたいスケート」を作り上げている。「私の持ち味」として出したいもの、「人に伝えたいもの」を把握し、氷の上で表す力を持っている。単なるアスリートではなく、パフォーマーでもあるスケーターにとって必要なことを、中野や安藤は高い次元で達成していると私は思う。そして現在無敵の浅田が、唯一持っていないものがあるとすれば、これだ。コントロールされた四肢の動きは、恐ろしく幻想的な世界を表現できているが、それは浅田自身が「これを滑りたい!」と選び取ったものでは、まだない。
 その力を、彼女たちは、ほかの選手が持たないトリプルアクセルや4回転という武器に加えて、持っているのだ。ファイナルの5位や6位に甘んじていい選手では決してない。ジャンプで浅田を唯一無二の存在にさせない、そしてパフォーマンスで浅田にはないものを見せてフィギュアスケートの領域を広げる。そのために、中野、安藤の奮起にこそ、今後大いに期待したい。

*** 以上、記事より ***

女子初の3A2回認定の快挙! 他でミスが出て完璧な滑りではなかったものの、もしこれでミスなく滑っていたら女子初の200点超えも夢ではない、と思わせる演技でした。
男子もアボットが開花……や、こづも今年開花した選手のひとりではあるのですが、アボットがここまでやってくれるとは。ファイナルには出られませんでしたが、ポンセロ(22)も今年に入って一気に開花した感があります。やー、小塚やチャンら早咲きの選手もいいけど、遅咲き選手も楽しみです。
同じ記事の中で名前表記にぶれがあったので、コピペを一部修正していることをコメントしておきます。気持ち悪いんだもん。(ランビとベルネル)
あと、世界選手「権」の権が抜けていたりね。
それから、オマケで国別対抗戦の記事も載せておきました。日本は開催国だから出られるとして、アメリカは文句なし、カナダもOKでしょ。フランスは女子がなぁ……あとは何処だ。ロシアは女子がスルツカヤ以降なかなか出てこないし、男子もまだちょっと弱い。中国もペアはともかくシングルがなー。国別ランキングってどうやってつけるんだろ。
試しに1位〜100位までに100点〜1点をつけ、シングル上位2名ずつ、ペアとダンス最上位1組ずつで国別ポイントを計算してみました。(あえて引退した選手のポイントも入れています)
1位アメリカ:565
2位カナダ:544
3位日本:516
4位イタリア:468
5位ロシア:481
6位フランス:400
---
7位中国:390
8位ドイツ:361
こんな感じ。アメリカは90点台(10位以内)を綺麗に揃えてきた感じ。フランスは女子が80位台にしかいなかったので……日本は意外にも、ペアとダンスが30位台にいてくれたので。国別対抗戦の出場国が決まった時に、全く同じ5国(日本は確定だから除く)だったらこっそりにやついておこう。

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大阪桐蔭が初出場初優勝を果たした姿('91)を見てからすっかり高校野球に魅せられた、(その後)女子高出身の高校野球マニア。
一時期離れていましたが、母校がない分、全国各地の学校を節操なく応援しています。

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